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<Wコラム>「セウォル(歳月)号」と「ありあけ(有明)号」の事故、5年の時差と69年の文化の差

Wow!Korea / 2014年4月22日 11時59分

沈没事故のセウォル号

韓国の旅客船「セウォル(歳月)号」の沈没事故が日本のマスコミで連日取り上げられている。韓国のマスコミでは、5年前の2009年に日本の三重県沖合で発生した旅客船「ありあけ(有明)」の事故が再び注目を浴びている。

「ありあけ事故」とは旅客船「ありあけ」の左舷後部が強い波を受け、船に積載されていたコンテナや車などの貨物約2400トンが瞬時に片側に傾き、船がバランスを失って、倒れた事故である。

今回の沈没事故の直後にも「セウォル号」が日本で建造され、中古船舶の状態で韓国に輸出されたと報道されていたが、事故原因が未だハッキリと究明されていないこともあり、日本の「ありあけ事故」に対する関心が高まっているのだ。

現地の韓国側の報道では主に両旅客船の共通点にフォーカスされており、「建造年」、「造船所」、「重量」、「速度」、「傾き方」が兄弟のように酷似していると伝えられている。

両旅客船とも水深が浅い沖合で90度近く傾いたことや、乗客とコンテナ貨物を一緒に乗せる船舶ということ、同じ造船所で建造されたなどの共通点がある。「セウォル号」が韓国に渡る前まで、「ありあけ」を運航していた日本のフェリー会社が「セウォル号」を運航していた縁もある。

確かに、事故直後の膨大な関連情報が錯綜している今の韓国側にとってみれば興味深い事実かもしれない。「セウォル号」の生存者救助作業が難航している分、共通点の多い日本の「ありあけ事故」から何らかの手がかりを掴みたいところだろう。

現地の専門家からも、「最初に傾いた原因は違っていても沈没時の展開過程は似ている」という声が上がっている。

「セウォル号」や「ありあけ」のように、船舶のスピードを向上させるため船体を細長の流線型にした旅客船は、バランスを崩す確率が高くなるようだ。国土交通省は、事故防止対策検討委員会で、船舶内の貨物を固定させる改善策を発表していた。

韓国の「セウォル号」を運営・管理する関係者たちに、このような日本の情報が伝わったのかは確かではない。

「セウォル号」と「ありあけ」の両旅客船のスペックや事故の物理的なプロセスにおける共通点は興味深いところではあるが、韓国のマスコミとしては、ただ共通点を並べて報道するだけではいけない。日本の「ありあけ」事故から見習うべきところを明確にピックアップして関係各位に植えつけるべきではなかろうか。

「ありあけ事故」では、トラブル発生後も落ち着いてマニュアル通り対応した船長と、速やかに救助にかけつけた海上保安庁の活躍で人命被害は発生しなかった。最後まで船を守った船長を含む1等航海士ら6人も、救命ボートを降ろして海に飛び込み全員救助されている。

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