<Wコラム>W杯韓国代表の日本人コーチに学ぶ大人の日韓関係
Wow!Korea / 2014年6月18日 11時45分
南半球を中心に世界中で盛り上がりを見せている2014年サッカーワールドカップ・ブラジル大会。
先日の日本対コートジボアール戦のテレビ中継は、瞬間最高視聴率が50%を超え、あの大ヒットドラマ「半沢直樹」の記録を更新した。
そして、「アジアの虎」というブライドを持ち、4年前の南アフリカ大会ではベスト16入りを達成した韓国も日本以上のサッカー熱気に包まれている。
ロシアを相手にする韓国代表の初戦は1対1の引き分けで終わり、日本人で初めて韓国代表のコーチを務めている池田誠剛氏の存在にも注目が集まっている。
韓国代表の長所と弱点を日本サッカー人ならではの客観的な目線で分析し、以前から韓国が得意としてきたフィジカルな部分を更に強化してくれることが期待されている訳だ。
今回のワールドカップ韓国代表チームの監督ホン・ミョンボ氏との厚い信頼関係を背景に史上初の日本人コーチとなった池田氏。2009年のU-20W杯からホン監督と仕事をするようになり、2012年のロンドンオリンピックでも当時銅メダルをかけて行われた「日韓戦」で韓国の勝利を裏で支えた人物として知られている。
当時韓国としては、サッカーではオリンピック初となるメダルがかかった試合で、その相手が日本ということもあって国中が異様な盛り上がりを見せていた。しかも、その日は、韓国の李明博元大統領が現職大統領として「竹島」(独島)に上陸して日本のメディアでも大きく取り上げられた日。まさに日韓のタブーを触る瞬間だった。政治がスポーツを利用した瞬間でもあった。
この政治的な問題を背景に両者の意地とプライドが激しくぶつかり合う死闘が繰り広げられ、勝利した韓国代表からは案の定、個人的な気持ちを露わにする選手が登場した。
試合終了の直後、MFのパク・ジョンウ選手が「独島(竹島)は我々の領土」と韓国語(ハングル)で書かれた横断幕を掲げ、勝利のパフォーマンスを敢行してしまったのだ。試合の翌日になると、日本と韓国はもちろんのこと、世界のメディアがこの場面を取り上げ、後日オリンピック委員会が調査に乗り出す事態にまで発展した。
オリンピックの規定には、「参加競技に歴史や政治的なイデオロギーは持ち込まない」ことが定められており、スポーツマンシップに反する行為であると指摘されたからだ。
しかしながら、選手も人間である以上、興奮真っ只中の瞬間には思わず本音(愛国心・ナショナリズム)が出てしまうこともあるだろう。とくに、中国や日本、ロシアやアメリカという大国に囲まれながら、過去に何度も侵略と支配を受けてきた韓国では、「愛国心」は国の存亡に関わる重要なメッセージとして人々の胸に深く刻まれている。
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