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<Wコラム>兵役解説/陸軍軍楽隊と義務警察

Wow!Korea / 2016年5月5日 22時44分

軍隊の生活も多様化してきている(写真提供:ロコレ/韓国陸軍公式サイトより)

■芸能兵に代わる存在

現在の韓国国防省が人材活用という点で力を入れているのは、同じ現役兵でも本人の能力を生かせる軍務に就かせることや、軍務の最中に兵士たちが自己開発を積極的に行なえるようにすることである。

前途有望な20代の若者を軍隊に入れて、画一的な軍務だけに専念させるのは、韓国のように貿易立国として世界を相手にビジネスをしている国にとって大変な損失になる。そのことを痛感した韓国政府は、適材適所の視点を兵役に取り入れるようになった。

適材適所といえば、芸能人ならかつては芸能兵という存在があった。正式に言うと、芸能兵は国防広報院・広報支援隊員のことで、軍の活動を広報するイベントに出演して活躍していた。

しかし、広報支援隊員の不祥事が続き、2013年に廃止になってしまった。

そうなると、芸能人が兵役中に自らの能力を生かせる場が極端に少なくなった。しかし、なくなったわけではない。たとえば、陸軍の軍楽隊がそれに当たる。

軍楽隊は、文字通り、軍に所属する楽団である。外国の軍隊との交流行事や軍の活動を紹介するイベントで演奏したりする。音楽を職業にするアーティストにとって、かつての芸能兵に匹敵する存在だといえるだろう。

同じく、芸能人が特技を生かせるのが、ソウル地方警察庁に所属する警察広報団である。警察広報団は基本的に18人で構成されていて、学校を回りイベントを通して非行防止や交通遵守をアピールしたり、公の交流親睦行事でパフォーマンスを披露したりする。ここに入るためには、兵役の代替制度として義務警察を選び、さらに応募者多数の中から選抜試験を通り抜けなければならない。とはいえ、優れた音楽的才能があれば、十分に合格可能である。

芸能人が兵役に就くとき、陸軍の軍楽隊や義務警察の警察広報団をめざすことは、自分の特技を生かすことや、軍が適材適所を進めるうえでも理にかなったことなのである。

■有益な軍務代替制度

軍楽隊は、陸軍にも海軍にも空軍にもある。ただし、芸能人が軍楽隊をめざすとすれば、選ぶのは陸軍になるだろう。兵役期間が21か月と一番短いからだ(ちなみに、海軍は23か月で空軍は24か月である)。

軍楽隊は希望者が多いので選抜試験が実施される。「東方神起」のユンホはこの選抜試験に合格して第26師団の軍楽隊に配属された。

日常の軍務は軍楽隊としての練習を行なったり実際に行事に参加したりする。そういう意味では「特技兵」にあたるのだが、陸軍の兵士であることに変わりはないので、基礎的な軍事訓練も同時に行なっている。

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