<Wコラム>韓国時代劇が10倍面白くなる「実録! 朝鮮王朝物語」~朝鮮王朝の初代王〔その3〕
Wow!Korea / 2016年5月9日 21時46分
■野心を持った5男
新たな王として国家の礎を築いた太祖(テジョ)。彼が盤石な王政を築けたのは、妻の神懿(シヌイ)王后から生まれた芳雨(バンウ)、芳果(バングァ)、芳穀(バンイ)、芳幹(バンガン)、芳遠(バンウォン)、芳衍(バンヨン)の6人の息子たちの力が大きかった。
特に、最大の功労者である5男の芳遠は、太祖の邪魔になる者をとことん排除してきた。そんな彼が野心を抱いても不思議ではない。
「当然、父上の後継ぎは私だ」
そう確信していた芳遠の思惑は大きく外れてしまう。太祖は第二夫人の神徳(シンドク)王后に頼まれて、彼女との間に生まれた7男芳蕃(バンボン)、8男芳碩(バンソク)を重んじるようになった。
その中でも、後継ぎに指名されたのは芳碩だった。
「なぜだ!兄上たちならばいざ知らず、なんの功績も残していない芳碩が後継ぎになるなんて。こんなことがあってたまるか」
芳遠の燃えさかる憎悪の炎は、たちまち宮中に知れ渡るようになる。
芳遠の怒りに感づいた芳碩・擁護派の鄭道伝(チョン・ドジョン)は、芳碩の6人の異母兄たちを排斥しようとした。
1398年、鄭道伝は6兄弟の元に伝令を走らせた。
「国王が危篤であるために大君様たちは、すぐに王宮に集まってください」
この報を受けて、他の兄弟たちは一目散に王宮に駆け込んだが、芳遠だけは用心深く事態を分析していた。
■第一次王子の乱
芳遠は後継ぎの座を諦めていなかったために、つねに自分の敵になりそうな者を観察していた。
「おそらく鄭道伝の策略に違いない。芳碩は私たち兄弟をなき者にする気だな。そうはさせんぞ」
芳遠は私兵を集めると王宮の周囲に待機させ、自身も服の下に甲冑を着込み王宮へ向かった。
芳遠の予想通り、芳碩も鄭道伝も王宮の庭に姿を見せなかった。芳遠は手はず通り、兄弟たちにこの危機を知らせて王宮から退避させると、王宮に私兵を突入させた。
「鄭道伝が芳碩と組んで、我々王子たちを皆殺しにしようとしている。これは明確な叛乱である!いまこそ逆賊を打ち倒すのだ」
この日のために準備してきた芳遠の私兵は強く、鄭道伝たちの軍勢を寄せ付けなかった。そして、芳遠は隠れていた鄭道伝を見つけ出して斬った。同じように芳碩と芳蕃を殺した。さらに、太祖には2人が反乱を企てたと報告した。
しかし、太祖はその言葉を信じず、芳遠を反逆者呼ばわりして罵った。
「貴様ら、誰の前で剣を振り回しているのかわかっているのか。根性を叩きなおしてやる!」
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