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<Wコラム>ペ・ヨンジュン 過去への旅路~「愛の挨拶」で衝撃のデビュー

Wow!Korea / 2016年5月13日 15時35分

ペ・ヨンジュン(提供:OSEN)

ペ・ヨンジュンは1994年、ドラマ「愛の挨拶」の初めての撮影に臨んだ。そのシーンは、降り注ぐ雨の中で傘を持って相手役のソン・ヒョナを待っているという場面設定だった。このドラマは、チョン・ギサンとユン・ソクホの共同監督体制だったが、このときはユン・ソクホの演出だった。

■ユン・ソクホ監督の怒り

撮影が始まった。

消防車2台を使って雨を降らせ、ペ・ヨンジュンの出番となった。

しかし、肝心な場面で彼はセリフをなめらかに言うことができなかった。一生懸命だったが、あまりに緊張しすぎて、NGを連発してしまった。時間ばかりが無駄に過ぎ、スタッフのイライラが募った。しかも、消防車の水にも限りがあった。

ついに、ユン・ソクホの怒りが爆発した。「お前みたいな奴がなんでこの世界に入ってきて、ドラマをぶち壊すんだ!」。

普段は温厚なユン・ソクホが烈火のごとく怒ったので、撮影現場はまるで凍りついたような雰囲気になった。

大切な撮影現場を混乱させてしまい、ペ・ヨンジュンは本当に恥ずかしくて仕方がなかった。

結局、撮影スタッフの冷たい目にさらされながら、ペ・ヨンジュンは初めての出番を終えた。わずかなシーンに5時間もかかる有様だった。

このときほど、ペ・ヨンジュンは自責の念にかられたことはなかった。自分一人のせいで大勢の人に迷惑をかけてしまったという思いは決して消えなかった。

■演技の成長を認められた

ペ・ヨンジュンにしてみれば、「残るも地獄、去るも地獄」という心境だった。ならば、どんなに嘲笑を浴びても最後まで最善を尽くすしか道はない。

もう、死に物狂いだった。起きているときは常にペ・ヨンジュンの手に台本があった。自分ではセリフを完璧に覚えたと思えたが、それはあくまでも「つもり」にすぎなかった。単に頭の中にセリフを詰め込むのではなく、その場の感情をよく把握したうえでセリフを正確に言うことに専念した。機械的でなく、理性的にセリフを覚える必要性に気がついたのだ。

成果は着実に現れた。3回目の撮影のとき、ユン・ソクホが声をかけてくれた。「どこかで専門的に演技を勉強したのか?」。短い言葉だったが、まるで演技の成長を認めてくれるかのような発言だった。

このときのうれしさといったら格別だった。「なんでも一生懸命にやればできるんだ」。そう自覚できたのは収穫だった。以後、ペ・ヨンジュンの座右の銘は「いつでも最善を尽くす」になった。

ペ・ヨンジュンの俳優としての成長はめざましかった。多少は演技の勉強をしたとはいえズブの素人に近かったペ・ヨンジュンは、「愛の挨拶」の撮影を通して少しずつ安定した演技を見せるようになった。

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