<Wコラム>役立つ歴史知識! 『テバク』序盤がよくわかるワンポイント解説
Wow!Korea / 2016年5月21日 9時27分
5月15日から日本で放送が始まった『テバク』。このドラマの序盤は歴史の事実に基づいて物語が構成されている。その背景がわからないと、ドラマを理解できない部分もたくさん出てくる。そこで、『テバク』の序盤をもっと楽しむために、ワンポイントで歴史を解説していこう。
■物語は1690年前後から始まる
〔ポイント1〕時代はいつ?
『テバク』の物語は、朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)の統治時代から始まっている。第1話で淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏が粛宗に見初められるが、歴史的にそれは1690年前後と想定される。さらに、『テバク』の全話が描く時代は、1690年前後から1728年までである。40年近くにわたる壮大なストーリーなのである。
〔ポイント2〕淑嬪・崔氏は誰?
物語の序盤で重要な役割を演じる淑嬪・崔氏。彼女は、ドラマ『トンイ』の主人公になった女性である。そして、21代王・英祖(ヨンジョ)の実母である。王宮で水汲みや洗濯などの下働きをする女性(ムスリと呼ぶ)として宮中に入ったと言われているが、歴史的にその事実は確認されていない。生まれたのは1670年とされているのだが、何かと謎が多い女性である。
■「王の女」たちの争い
〔ポイント3〕淑嬪・崔氏のライバルは?
淑嬪・崔氏と敵対するのは、悪女として有名な張禧嬪(チャン・ヒビン)。1688年に粛宗の長男を産んでおり、1689年には側室から王妃に昇格している。『テバク』では張禧嬪が淑嬪・崔氏を徹底的にいじめるが、それは他のドラマと描き方が同じ。ただし、政治的には淑嬪・崔氏のほうが裏でいろいろな工作をしていたと推定される。本当の悪女は淑嬪・崔氏だったかもしれない。
〔ポイント4〕その後の張禧嬪は?
『テバク』で淑嬪・崔氏をいじめた張禧嬪は粛宗の怒りを買ってしまい、1694年に王妃から再び側室に降格してしまった。その後の張禧嬪のことが『テバク』では描かれていないが、彼女は、王妃に復帰した仁顕(イニョン)王后を呪い殺す儀式をしたことをとがめられて、1701年に死罪となっている。彼女の産んだ粛宗の長男が20代王・景宗(キョンジョン)である。
〔ポイント5〕景宗と英祖の関係は?
粛宗の後継者争いは派閥を巻き込んで混迷した。1688年に張禧嬪が産んだ景宗と、1694年に淑嬪・崔氏が産んだヨニングン(後の英祖)が争ったが、張禧嬪が罪人として死罪になった後も、景宗が世子(セジャ/王の正式な後継者)であることは変わらなかった。しかし、英祖は王になることをあきらめなかった。
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