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<Wコラム>徹底解説! なぜ韓国時代劇はこんなに面白いのか(後編)

Wow!Korea / 2016年6月7日 17時21分

画像:「太陽を抱く月」MBCドラマ公式ポスター

かつては韓国時代劇が放送されると、歴史学者から「歴史を歪曲している」とクレームがつくことがよくありました。学者の立場からすると、あまりに創作の多い時代劇を批判したくなるのです。ただし、テレビ局も黙ってはいませんでした。

■時代考証よりも面白さを追求

韓国ではテレビ局と歴史学者の間で、「時代劇はどこまで歴史に忠実でなければいけないのか」という論争が長く続いてきました。

しかし、その論争も少なくなりました。『王女の男』『太陽を抱く月』では、冒頭にテロップを流して「これはフィクション」と説明しており、史実に沿っていないことを明示しています。

何よりも、今の時代劇の制作者は現代的な感覚を大事にしています。たとえば、『王女の男』に出てくるチョゴリがいい例です。

あのドラマは1450年頃を描いています。朝鮮王朝ができてから60年ぐらいの時代です。その頃の女性が着るチョゴリは丈が長く、時代とともにだんだん短くなってきました。今のようにチョゴリが胸までの長さになったのは朝鮮王朝時代の後期です。

しかし、ドラマでチョゴリを1450年当時のように忠実に再現すると、現代の韓国人から見たときに違和感があります。『王女の男』では、そこの部分は時代考証に目をつぶり、現代的にチョゴリを見せているのです。

このように全体的な流れとしては、時代考証よりもドラマとしての面白さを追求する傾向にあると思います。

■必須な人を取り上げる

韓国時代劇の流れを変えた、という意味でも『王女の男』は時代劇のターニングポイントになったと言えるかもしれません。

この作品は1453年に起こった歴史的大事件の「癸酉靖難(ケユジョンナン)」をうまく活用しながら、独特のキャラクター作りがなされています。

物語の主軸には、首陽大君(スヤンデグン)と金宗端(キム・ジョンソ)という大物同士の対立が根深くあり、さらにその娘と息子が禁じられた恋に落ちるという構図になっています。

葛藤につぐ葛藤というストーリー展開に加え、衣装は現代的な感覚で華やかに作られ、映像の美しさに心を奪われます。さらにイタリアンオペラを彷彿させる荘厳かつ華麗な楽曲の使用など、制作側の工夫がいろいろ凝らされています。

キム・ジョンミン監督も言っていますが、韓国時代劇には「歴史上、絶対に取り上げなければならない人を正しく取り上げる」という役割があるのです。

朝鮮王朝の歴史はかなり不条理なもので、正義が必ず勝つわけではなく、むしろ負けっぱなしです。

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