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<Wコラム>徹底解説! なぜ韓国時代劇はこんなに面白いのか(後編)

Wow!Korea / 2016年6月7日 17時21分

王位継承争いにしても、悪が勝つことのほうが多かったのです。それでも、正しいことを行なおうとして、その願いがかなわなかった人たちがいました。韓国時代劇では、そんな人たちをきちんと取り上げようとする意図が明確です。『王女の男』でも、死六臣がつかまって牢獄にいるときにキム・スンユが助けに来ますが、彼らは「我らは歴史の中に残り、首陽がどれほどひどい男であるかをみんなが忘れないようにしたい」と言って逃げません。

■『太陽を抱く月』の成功

このように歴史の不条理さ、かなえられなかった正しさを、視聴者はドラマを通してきちんと理解できるようになっています。

やはり『王女の男』は、俳優、ストーリー、映像美、さらに歴史を問い直すテーマの鋭さがそろった画期的なドラマでした。

人気を博した『太陽を抱く月』はどうでしょうか。

この作品は、朝鮮王朝の枠組みをきっちりと描いていながら、登場人物がすべて架空です。どの時代を設定しているかはわかりませんが、序盤では王の弟が殺されたり、世子の婚約者を決める王朝のしきたりを見せたりしています。まさに本格派時代劇にふさわしい内容です。

その一方で、子役たちが演じるラブストーリーが良かったですし、王朝では隠れた存在である巫女を表に出して王と同じ空間で語り合わせています。いわば、あり得ないことを現実に起こったことのように見せているのです。

そうした点で非常に斬新なドラマと言えるでしょう。

韓国でも全般的にテレビ視聴時間が減っている現在、視聴率が40%を超える国民ドラマになったことは大いに意義があります。今後の韓国時代劇に“希望の光”をもたらしたドラマでしょう。

■独自の企画に期待する

韓国の歴史がわからなくても、韓国時代劇には誰もが楽しめる普遍性があります。それは権力欲や恋愛、親子の情など、人間そのものの描写がいいからです。つまり、何よりも人間ドラマとして十分に楽しめるのです。

この韓国時代劇をさらに楽しむためには、たとえば朝鮮王朝の基本的な仕組みを知るといいでしょう。

朝鮮王朝は、王が絶対的な権力を持ち、その周囲を官僚たちが支えるという中央集権国家でした。さらに、身分制度が厳しく、人間は生まれながらにして不平等でした。儒教の影響で男尊女卑もありました。人間の半分はエリートになれない、という仕組みだったのです。

でも、朝鮮半島の女性はヤワではありません。とにかく、頑張るわけです。それがまた、ドラマの中で成長物語として描かれていましたし、その時代的背景がわかれば、韓国時代劇をさらに面白く見ることができるでしょう。

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