<Wコラム>日本と違う韓国のビックリ~今もコリアンタイムが通用する?
Wow!Korea / 2016年7月20日 17時16分
1990年代の後半、ソウルに取材に行ったときは、ロッテホテルのロビーでよく人と待ち合わせをした。そのとき、来る人がほとんど30分くらい遅れてくる。理由はきまって「渋滞がひどくて」。私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)は笑って相手を迎えたが、腹の中はイライラしていた。
■理由はかならず「渋滞」
当時、ソウルの渋滞は名物だった。道路は混んでいるのが当たり前であった。
そうであるならば、待ち合わせをしている以上、渋滞を見越して早めに出掛けるのが常識であろう。それなのに、いつもどおりにのんびり出掛けて、時間に遅れたら渋滞を理由にしている。
「なるほど。これがコリアンタイムか」私もあきれるしかなかった。
韓国の書き手に原稿を依頼したときも、イライラすることが多かった。
締め切りを守らない人が多すぎるのだ。催促の連絡をすると、プツリと行方不明になる。何度も催促して、ようやく連絡が取れると、「いやあ、伯父さんが亡くなってねえ」と古典的な言い訳が返ってくる。
「締め切りを守るという概念が希薄なんだな」そう考えるしかなかった。
■時間に関する概念が日韓で違う
ただ、日本が時間にうるさすぎるのかもしれない。
世界中を旅行したわけではないが、日本ほど時間に厳しい国は他にないのではないか。待ち合わせに5分遅れたら、もう携帯電話に問い合わせの連絡が入っている。
そんな経験が何度もある。社会全体が「時間を守ろう」という意識でがんじがらめになっている。
電車の運行が時間に正確なのはありがたいのだが、東武鉄道に乗っていたら、わずか2分遅れただけなのに、車内放送で「本日は電車が遅れて乗客のみなさまにご迷惑をおかけしました。心からお詫びいたします」とアナウンスしている。
こんな国は他にないはずだ。
ひるがえって韓国。日本から一番近い隣国なのだが、時間に関する概念は、かつては確かに違った。
大陸的というか、おおらかというか、「まあ、そうアクセクしなさんな」という雰囲気を社会全体で感じた。
これは今でも旧暦をよく使っているからではないのか。
■コリアンタイムの本質
旧暦は、農耕社会には便利な暦である。
それなのに、日本は明治維新後に新暦に変えて、現実の季節感と暦にギャップが出るようになった。
韓国は今でも旧暦が基本。正月は「旧正月」であり、お盆も「旧盆」である。
この「旧盆」のことを韓国では「秋夕(チュソク)」と言い、旧暦の8月15日が該当する。新暦だと9月下旬頃になる。
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