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<Wコラム>夏こそ行きたい! 韓国南部の旅~青山島の貝殻細工

Wow!Korea / 2016年8月8日 19時2分

けれど、落ちついて見ていられなかった。その部屋の隅で女子高校生が机に向かって勉強していたからだ。

確かに、貝殻細工はどれも目を奪われるほどの出来ばえで、玄関で立ち話をしていた40代の女性の美意識が十分に感じられた。『春のワルツ』でも、貝殻細工は主人公の男女が幼い頃を思い出す重要な小道具になっている。私もせっかくの機会なので貝殻細工を一つずつじっくり見たかったのだが、女子高校生の勉強を邪魔しているという意識が先立ってしまう。

■1960年代の風情

別に女子高校生が嫌な顔をしたわけではなく、気持ちよくあいさつもしてくれていた。しかも、ジェファンさんはしょっちゅう客をここに連れてくる様子だった。

それにしても……。

見学料を取るわけでもなく、貝殻細工を販売しているわけでもない。自分で作った数多くの貝殻細工を棚に飾ってあるだけだ。それを、ブラリとやってきた旅行者に気さくに見せてくれるという、この家の度量に感心した。

嫌な顔一つせずに招き入れてくれた貝殻細工の作者、彼女と立ち話をしていた人たち、勉強していた女子高校生。誰もがおおらかな雰囲気を持っていた。

そのおおらかさは、何によってもたらされているのか。美しい海岸線、青々とした麦畑、大樹が生い茂る山、人々が寄り添いながら暮らしている集落……。青山島では見るものすべてがどこか懐かしい。

「ここに来る人がよく言うんですよ。1960年代の風情をこれほど残している場所も珍しい、と。この島は、私が小さい頃とほとんど変わっていないんですよ。それが訪ねてくる人にやすらぎを与えるようですね」

ジェファンさんの言葉が心に温かく響いた。

文=康熙奉(カンヒボン)

出典=「韓国のそこに行きたい」(著者/康熙奉発行/TOKIMEKIパブリッシング)

(ロコレ提供)

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