【会見レポ】映画「弁護人」ソン・ガンホ、10年ぶりの来日記者会見! 「怖いと感じたけれど勇気を出して演じました」
Wow!Korea / 2016年11月11日 23時55分
―「弁護人」に限らず、普段は演技をするとき、どのような点を重要視されていますか?
ソン:必ず真心を込めて、真実を込めて表現をしなければいけないという思いで演じています。
―ここ数年で、さらに演技への深みが増してきたように感じますが、長いキャリアの中で、演じるということに対する考え方や姿勢が変わったという点はありますか。
ソン:自然と年を重ねてきましたが、人生全体を鑑賞するような、見渡すような視点が生まれてくるんですね。人生にはいろいろな時期があると思うんですが、闘争している時期があったり、大きな声を上げて叫んでいるような時期があったとすると、いまは少しずつ世の中、人生のことを見渡すような傾向にある気がします。人生に寄り添って見守っているような立ち位置にいると思います。
チェ:初めてソン・ガンホさんとお仕事したのは、「殺人の追憶」だったんですが、そのときは本当に演技の上手い俳優さんだなと思っていました。その後、数々の作品に出演し、月日が流れていく中、いまは映画全体を見渡せる視点をお持ちだと思います。自分のことだけを考えて演じるのではなく、共演者との調和も考えながら演じたり、映画の方向性も提示してくださる俳優さんです。「弁護人」、そして「密偵」でご一緒して、そう感じました。作品を撮るたびに、その年輪が深みとなって、刻まれていくような俳優さんだと思います。私の立場から言いますと、世界のどこに出しても恥ずかしくない俳優だという自負心を持っています。
ソン:(日本語で)ありがとうございます。
―「密偵」も750万人を突破し、韓国では主演俳優として初の累計観客数1億人を記録したということで、おめでとうございます!それを聞いてどんなお気持ちでしたか?
ソン:俳優としては、観客数のことを計算しながら作品を選んだり、演技をしたりしていないので、その数字もある記者が面白がって、まとめてくださったのだと思います。映画の広報を担当しているチームが、それを上手く記事にされたんじゃないかと思います。決して、私がこの数字を出してくださいと言ったわけではありません(笑)。
―チェプロデューサーが知っている、ソン・ガンホさんの意外な一面がありましたら教えてください。
チェ:たくさんありますよ(笑)。映画というのは、私がプロデューサーなので、それを除くと、監督、シナリオ、俳優という3つの要素が必要です。私はソン・ガンホさんと作品を撮ってきて十数年が経ち、いまは友人としてお会いしていますが、彼は映画を作る作業において、その3つの要素の単なる1つではなく、パートナーだなということを強く感じています。今回、新人監督でしたが、感動的な作品になるのは、主演俳優がどれだけ見事な演技を披露しているかにかかってくると思います。後に、「密偵」をご覧いただくと、また何か感じることがあると思いますが、ソン・ガンホさんは淡々と、時には熱い表現で演じています。日本の方に見ていただいても恥ずかしくない作品が出来上がったと思っています。その反面、ソン・ガンホさんは繊細なところがあり、感傷的な面もあります。見た目には骨太に見えるかもしれませんが、誰もが見過ごしてしまうような部分に、敏感に反応されるときがあるので、緊張しながら世の中を見渡しているんだなと感じることがあります。私としては、ソン・ガンホさんがいない現場に行ったときは、心身ともに楽なんですが、彼の現場に行くと緊張してしまう、ということがよくあります。それから、ソン・ガンホさんは日本のビールが大好きです(笑)。
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