【個別インタビュー】”BTSとARMYが「世界一」である理由”『BTSとARMY』著者、社会学者イ・ジヘン氏
Wow!Korea / 2021年3月14日 18時15分
「推し」を愛するパワーは、世界を変えるのか。
韓国、そしてアジア人ポップグループとして初めてグラミー賞の「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」にノミネートされた、BTS。彼らを世界の大舞台に押し上げた大きな原動力のひとつがファン、ARMYの存在だ。
Black Lives Matter 運動への寄付など積極的な社会活動でも知られるARMYは、どんな人たちなのか。そしてなぜBTSに惹かれるのか。
3月15日(月)(日本時間)のグラミー賞授賞式を前に、『BTSとARMY』(イースト・プレス)の著者である社会学者のイ・ジヘンさんに、今回書籍『BTSとARMY』の訳者である桑畑優香さんにインタビューをお願いした。
――イ・ジヘンさんが考える、ARMYの特徴とは。
これまでのアーティストの多くは、ファンにとって「憧れ」であり、すこし遠い存在でした。でも、ARMYはBTSを「自分たちと同じ存在」だと感じています。彼らがメッセージとして発信する悩みや挫折などを身近に感じ、同じ時代を生きる仲間だと受け止めているんです。そして、他人のつらさに共感し、違うと思うことに意見を述べ、弱者とされる人たちが成功できる社会を作ろうとするのがARMYだと思います。
――社会学者でありながら、ARMYに関心をもった一番大きな理由は何ですか。
BTSを知ったのは、2017年のアメリカン・ミュージック・アワード(以下AMA)でパフォーマンスをした時でした。インディーズ音楽をよく聴いていてK-POPには関心がなかったけれど、「あのAMAに韓国のアーティストが出るのか」と気になり、YouTubeでチェックしました。
会場にいたアメリカ人が熱狂しているのがすごく不思議で、彼/彼女たちの感情の源になっているのは何か、気になったのです。そして、BTSとは何なのか、どんな歌詞なのか調べようと動画を次々と見ているうちに、わたしも沼落ちして(笑)。ファン投票をしたり、アルバムを買ったり。気づいたら夢中になっていました。
――ご自身もARMYになったイ・ジヘンさんがARMYについて本を書こうと思ったきっかけとは。
2018年に『LOVE YOURSELF 轉 ’Tear’』が、アメリカ「Billboard200」でK-POP初の全米1位を獲得したころから、世界のメディアの注目がBTSに集まり、彼らの歩みがダイナミックに変化しました。それを記録したいと思ったんです。ARMYの歴史を記すことは、未来にとっても大事な記録になると思いました。
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