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<WK寄稿>陰に陽に韓国社会に軍隊の影響が!韓国の軍隊、その4

Wow!Korea / 2023年8月22日 16時20分

軍隊の訓練所で厳しい訓練の中から芽生える同志的感覚が生まれた(画像提供:wowkorea)

軍の訓練所でいくら厳しい訓練であり不条理な扱い(非人間的)を受けても、その中から芽生える連帯感や団結心と言う同志的感覚が生まれたのはこの上ない喜びでした。

特に私はこの国に来て、大学周辺や会社など特定の層、限られた人間しか付き合ってこなかったのですが、ここ軍隊は裏町で与太ってたチンピラから大会社のトップまで韓国のありとあらゆる階層の人が集まっています。頭を丸刈りにし同じ軍服を着て同じ階級(一等兵)と言う社会での優劣(身分)、貴賎に関係なく平等に扱われ、一定期間の訓練が施されました。

その中で同じ釜の飯を食い同類意識が芽生えたのは、私には訓練の辛さよりも貴重な体験でした。”在日同胞”という異質なコリアンでなく、お前も俺も育ちや境遇、そして言語の差でなく、一兵卒として泣き笑い、厳しい訓練を乗り越えたという同類意識が生まれ、それが自ずと本物の韓国人になれたという実感につながりました。

これで一人前の‟現地人”になれたと。

軍隊に来て苦労したお陰で私の中で分裂していた名目(書類上の)と実体(韓国人としての確信)が一致したのでした。常にどっちつかずの日本人でも韓国人でもない境界人が、現地人からも違和感なく同類として受け入れられたのですから軍隊様々でした。

この時代の軍隊は、飯がまずいのは経済的な貧しさからであり、訓練という美名の元で私的感情を交えた不条理の‟しごき”などが当たり前でした。今の軍隊では想像もできないことですが、一昔前はその不当さがわかっていても訴えることのない社会的雰囲気がありました。

今でしたら社会問題になり将軍の首がいくつあっても足りなかったに違いありません。この原稿を書くにあたっていろいろ聞き回ったところ、食事も数倍良くなり寝泊まりする幕舎も清潔で過ごし、よい環境で若者が訓練を受けているそうです。携帯の持ち込みも可能(休憩時間に限り使用可)であり、何かあったらすぐ訴えられるので、体罰は激減したそうです。

何と早く改善されたものかとびっくりしましたが、やはり急速な経済成長が旧時代の不条理を解消させました。我々の目から見ればこんな民主的で、心地よい幕舎で過ごす若者をうらやましく思いますが、当事者にとってはまた違う視点での不満が沢山あるようです。我々が‟今の若いものは恵まれている”とたれようものなら‟コンデ/おやじ”とさけずまれます。世代間のギャップとても言いますか…。

給食も味や量云々でなく新世代の訓練兵に如何にたくさん食べてもらうかが悩みの種で、今の若者はキムチや韓国料理よりもハンバーグ、とんかつ、ソーセージ、トースト、ピザなど洋食系を好むそうです。

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