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糖尿病の女性にお菓子の差し入れを禁止、元気失うM子さん 尊厳か、医療か…老人ホームでの介護士の葛藤が話題

よろず~ニュース / 2024年4月8日 11時10分

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「最期までその人らしく」の難しさ…

老人ホームでの介護士の葛藤をつづったエピソードがSNS上で大きな注目を集めている。

「あれから何年も経った今も、

M子さんへの対応が正解だったのかわからない」

と自身の体験を紹介したのは介護士のたっつんさん(@tattsun_cw)。

糖尿病だが医師からの指示を全く守らず、娘から差し入れられるお菓子を大量に食べていたM子さん。検査データの悪化をうけ差し入れを厳格に制限したところ、数値は改善したのだがたちまち元気がなくなり、部屋に引きこもるようになってしまった。介護士たちは、「自由に好きなものを食べてもらったら」と意見するが医師は断固反対。娘が同伴して通院する際にこっそりお菓子を渡すようになり、ようやく元気が戻ったということだ。

ほどなくしてM子さんは心筋梗塞で亡くなったそうだが、たっつんさんが部屋の整理をしていると、タンスの引き出しの奥に大量の飴が。「好きなものを自由に食べられないことが、どれだけM子さんにとって耐えがたいものだったのかを考えると胸が締めつけられた」のだという。

入居者の尊厳を守りたいという介護士の思いと、健康状態を守りたいという医師の思いの間で生じてしまった矛盾。今回のエピソードに対し、SNSユーザー達からは

「わたしの母も『糖尿病』です。
だからこそ、この話は他人事じゃない。そう思って読ませていただきました。
母はまだ、薬にもお世話になりながら、自分で食事をコントロールしたり工夫して食べています。
これが最期まで続いてほしいと願っています。」
「たっつんさんのポストを読む度に、自分の最期はどうありたいかを考えさせられます。
起きてもないことを考えるのは、野暮なのかもしれませんが、私が、M子さんなら食べる楽しみもさることながら、娘さんとの繋がりでもあったのではないかと思いました。娘との楽しみが減りココロも元気が無くなったのかな」

など数々の共感の声が寄せられている。たっつんさんに話を聞いた。

ーーM子さんはどんな方でしたか?

たっつん:明るくて少し口の悪い感じ。サバサバとものを言う感じで、でも含みがないので嫌味もないという感じの方でした。

ーー差し入れを禁止したことによる変化をどう感じましたか?

たっつん:正直、あんなにも元気がなくなられるとは思っていませんでした。これまでの明るさが全くなくなり、お部屋に引きこもるようになり、「やってしまった感」が強かったです。

ーー介護士として勤務されていて、ルールと個人的な心情の間での悩むことは多いのでしょうか?

たっつん:はい、古い介護観で形成されたルールや、それに縛られた職員さんの考え方はなかなか変えることができません。例えば、定時で一斉にオムツ交換をするというルールがあったとして、そうやってずっと業務してきた人達に、排泄のタイミングは人それぞれだから、その人に合った時間でのオムツ交換をしましょうと言っても浸透しない、みたいな感じです。

ーー反響へのご感想を。

たっつん:糖尿病への認識の違いによるご意見を頂くことが多いのにビックリしました。「糖尿病イコール贅沢病」みたいな考え方が未だに根強いんだなぁと感じました。「自業自得」という意見です。

この方が遺伝的要素で病気になられたのかもわからないのに、辛辣な意見がけっこうありました。仮に、生活習慣が原因で発症したとして、それでも、人ってそんなに強いものなのかな?とも思います。辛辣な意見を書かれた方は、ずっと節制したストイックな生活を送り、糖尿病は発症しないと言い切れるのかなと。正直、僕にはそんな自信がありません。

いろんな意見があるのは当然ですが、攻撃的に糾弾するような姿勢については違和感を覚えました。

◇ ◇

「最期までその人らしく」生きることの難しさを感じるエピソードだった。なお今回の話題を提供してくれたたっつんさんは今年2月に著書「認知症の人、その本当の気持ち」(KADOKAWA)を上梓。介護士として認知症の人のに向き合った経験を綴った力作なので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(よろず~ニュース特約・中将タカノリ)

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