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門脇麦 哲学的な11歳の頃に考えていたこと「人生は何が大切なのか、何のために生きているのか」

よろず~ニュース / 2024年4月21日 14時0分

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「オールド・フォックス 11歳の選択」舞台あいさつに登壇した門脇麦(左)とシャオ・ヤーチェン監督=都内

 女優の門脇麦がこのほど、台湾映画に初出演した「オールド・フォックス 11歳の選択」(6月14日公開)の舞台あいさつに登場。東京・丸の内TOEIで17日、来日したシャオ・ヤーチュエン監督とともに日本と異なる台湾での撮影模様、出演オファーの経緯などが語られた。

 楊德昌(エドワード・ヤン)と並び、監督として台湾ニューシネマをけん引した侯孝賢(ホウ・シャオシェン)は昨年に引退を表明し、最後のプロデュース作品としても注目を集める。台北金馬映画祭で4冠達成のヒューマンドラマで、「Mr.Long ミスター・ロン」の天才子役バイ・ルンインと、「1秒先の彼女」のリウ・グァンティンが慎ましやかに支え合いながら生きる父子を演じた。

 父親の初恋の相手で、寂しさに包まれた台湾人を演じた門脇。シャオ監督は「僕はかつてホウ・シャオシェン監督と仕事をさせていただいていたんですけど、その頃に何度もホウ監督から『君も機会があったら日本の方と一緒に仕事したらいいよ』と言われていました。ホウ監督は日本の俳優と仕事をした経験があったので。彼から薦められたのがきっかけでしたね」と明かした。日本側プロデューサーと出演者について話した際、「実は(門脇が出演する)Netflixの『浅草キッド』を観たことがあったので、(門脇)麦さんにお願いしたらどうだろうと。まなざしがすごい芝居をされているなと思ったので、今回ご一緒できて本当にラッキーでした」と述懐。「麦さんは非常に正直な方なので好きでしたね。『浅草キッド』と同じように、僕の作品でもすばらしいまなざしの演技をしていただいて。ファインダーを覗いていて、本当に美しいなと思いました」とうなずいた。

 門脇はその言葉に「うれしいですね」と笑顔。「台湾でもサブスクが流行っていて日本の作品を観てくださっている方も多くて。あれを観ましたとか、台湾ではこのドラマが流行っているんですよとか、共通の話題がもてる。やはりグローバル化というか、壁やハードルが、なくなっていくといいなと思っていましたね」と感じたという。

 そんな台湾での撮影を「幸せでした」と振り返った門脇。「中国語を勉強したのも2カ月なので、文法から勉強する時間がなかったので、セリフを丸覚えだったというのがありました。だから相手のセリフを聞いて、止まったかなと思った時にわたしのセリフをしゃべるという瞬間もありました。今回は80年代、90年代を生きた台湾の女性の役を演じたわけですが、役者というのはそういうもので。たとえば戦後の京都の料理人をやったりとか。それも京都弁でしたが。自分の想像だけでは越えられないもの。でもその役の一番大切なエッセンスを自分なりに抽出して、自分とリンクさせれば何かが伝わるというか。たぶんそれが役者の仕事。撮り方だったり、技術もあるので、ある程度補えると思っているので、そこに関しては不安はなかったです」と感じたという。

 また、シャオ監督とのコミュニケーションは英語だったというが、「わたしはヨーロッパ圏の監督とも仕事をさせていただいたこともあるんですが、でも不思議なことに、共通言語があるというか。目と目が合うだけで伝わるものがあって。言葉が伝わらないからこその、第五感、第六感でつながった感じがあるなと。監督やスタッフの皆さんに対しては勝手にそう思っていました」と振り返った。

 台湾と日本の撮影スタイルの違いについては「ワンシーンにかけられる時間が違いますね」と語り、「食事にかける時間もしっかりとっていたし、ケータリングのごはんも温かかった。そこが日本とまったく違っていて、驚きました」と明かした門脇。シャオ監督も「自分としては正直、いつも通りに撮っていたので、わざと遅く撮ったわけではないんです。ただ出演者の麦さんが気持ち良く出てもらえたなら良かった」と安堵した様子だった。

 本作の主人公・リャオジエが11歳であることを踏まえ、「11歳の時にはどんな風に過ごしていたか?」という質問も。

 門脇は「いろんなことを考えていた11歳だったなと思いますね」と振り返り「今、思えば哲学だと思うけど、人生は何が大切なのか、何のために生きているのか、という漠然としたものを言語化したくて。本を読んだり、偉人の名言集を読みあさったりする反面、早く授業が終わらないかな、鬼ごっこしたいなと思うような11歳でした」と返答。それは物心がついたときから考えていたといい「なんのために生きているのかって『アンパンマン』の歌詞にもありましたけど、それが刷りこまれているんですかね?それと小さい頃から父が『人生は全部決まってるから楽しく自由に一生懸命生きた方がいいよ』と、幼稚園とか小学生の頃から言われてきたので、その影響はあったと思います」と語った。シャオ監督は「当時の僕は楽しく、シンプルな暮らしをしている子どもでした。僕は貧しい家で育ちましたけど、その家庭から与えられた安心感を持っていて。その当時、子どもなりに信じたものを信じるような子どもでした。そのせいか分からないですが、貧しいことに関しては非常に身近だし、それに対して思いを寄せることができるのかなと思いました。もちろん11歳当時に複雑なことを考えてたわけではないですが、生活の中に安心感があって。その影響があったのかなと思います」と振り返った。

 今月末に開催されるウーディネ・ファーイースト映画祭へのコンペティション部門への今作の出品も発表され、ヨーロッパ進出への期待も膨らむ。門脇は最後に「主演のバイ・ルンインくんとリウさん、おふたりのまなざしがとても魅力的であったかくて。この映画とストーリーを支えているまなざしと輝きが堪能できると思います。そして監督のひとりひとりに対しての掘り下げ方、まなざし。そのあったかくて広くて深いまなざしにわたしはすごく救われました。公開まであと少し時間がありますが、映画を観ていいなと思ってくださったらぜひ。日本で、映画館で観れるのは貴重な機会だと思うので、多くの方に観ていただけたら」とメッセージ。シャオ監督は「僕は、人の気持ちを察することができる能力は本来、先天的に人間に備わっている能力だと思うので、どうかそれがなくならない世の中になればと思ってます。この映画は選択をテーマにしている映画ですから皆さんに気に入ってもらえたら」と、観客に向け呼びかけた。

(よろず~ニュース編集部)

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