アルツハイマー型認知症 新薬の治療効果に期待 根本原因にアプローチ、現在は軽症患者が対象 医師語る
よろず~ニュース / 2025年1月1日 22時0分
画像はイメージです(takasu/stock.adobe.com)
若いころと比較すると記憶力の低下を認めるのは誰でも仕方がないことですが、日常、社会生活に支障を来たす場合を認知症と言います。
認知症には、変性性認知症と脳血管性認知症があります。脳血管認知症とは、脳梗塞、脳出血などで、脳に器質的変化を伴う認知症です。変性性認知症とは、脳実質の変性によって起こる認知症です。変性性認知症には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症などがあります。
アルツハイマー型認知症は、認知症全体の7割弱を占めています。これに対する薬は、最近までは、神経伝達物質を出来るだけ壊れないようにする薬しかありませんでしたが、新薬が出現し治療効果が期待されています。
アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドという蛋白が蓄積してくることが原因の一つとされています。そのアミロイドを融解し、除去すると言われているのが新薬なのです。
多くの病院で治療が開始されたばかりで、効果に関してはこれからの報告になります。以前に使用されていた薬は症状の緩和、認知症の進行の予防程度に考えられていましたが、今回の薬は根本原因にアプローチをしますので大きな期待が寄せられています。
ただ、すべてのアルツハイマー型認知症の患者さんが治療の対象にあるとは限りません。軽症の患者さんだけが適応になります。患者さんの重症度の見極めるために、認知症がどのくらい進んでいるかのテストを受けます。
また、脳にアミロイドβが沈着していることも治療の条件の一つになります。PET検査で脳にアミロイドが沈着していることを調べたり、脳脊髄液検査を施行して脳にアミロイドが沈着していることを診断します。治療の適応であれば、2週間に一度、病院で1時間程度の点滴による治療を行います。
重篤な副作用の出現を防ぐために、定期的なMRIが必要です。現状では、治療のためのベッドの確保、そしてマンパワーが必要となるので病院によっては、治療待ちの患者さんがいる状態なのです。
◆谷光利昭 兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。
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