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【金融庁】営業職員の不祥事相次ぎ 生保業界に管理強化求める

財界オンライン / 2023年3月20日 15時0分

顧客の金銭詐取事件など不祥事の続発を受け、金融庁が生命保険協会(生保協)に策定を求めた営業職員の管理を強化するための指針「営業職員チャネルのコンプライアンス・リスク管理態勢の更なる高度化にかかる着眼点」が2月中旬、ようやくまとまった。

 生保業界では20年以降、第一、メットライフ、明治安田、ソニー、大同、日本、東京海上日動あんしんと、立て続けに顧客からの金銭詐取事件が発覚した。「顧客本位の業務運営」に真っ向から反する不正行為の頻発を目の当たりにした金融庁は激怒。業界を挙げて是正に取り組むように厳命した。

 だが、完成までには紆余曲折があった。生保協は昨年4月から生保20社と検討を始め、11月には原案を策定したが、「営業職員チャネルの運用は各社様々で一律の管理ルールを求めるのは難しい」(生保協幹部)との考えから、内容は抽象的なものにとどまっていた。

 このため、提示を受けた金融庁は「こんな内容では世間に公表できない」などと一蹴。指針を金銭詐取問題とその原因に対処する内容に改めるとともに、再発防止徹底のため継続的にフォローアップ(更新)する方針を明記するように注文した。

 そんな水面下の激しい攻防を経て出来上がった今回の指針には、経営陣が自社の考え方や姿勢を現場の営業職員に浸透させることや、営業職員を統括する各地の支社長らの役割を明確化することなども盛り込まれた。

 業界内には「ここまで大袈裟にする必要があったのか」などと訝る声も漏れているが、相次ぐ不祥事で顧客の営業職員チャネルに対する不信感が広がったのも事実。金融庁は「営業職員の不正行為を減らすための不断の努力を経営陣も含めてきちんと行っているかどうか、厳しくモニタリングする」(監督局筋)構えで、各社には実効性のある取り組みが迫られそうだ。

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