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【経済産業省】6月の「新しい資本主義」実行計画改訂へ議論本格化

財界オンライン / 2023年3月22日 11時30分

岸田文雄首相の看板政策である「新しい資本主義」の実行計画改訂に向けた議論が2月、本格的にスタートした。政府は今年第一回目の実現会議を開催し、自民党でもリスキリング(学び直し)やスタートアップ(新興企業)政策を検討する小委員会が議論を始めた。中でも主要な論点となりそうなのが労働市場改革だが、役所側からは「議論の範囲がどんどん広がってきている」との苦笑も漏れる。

 政府は昨年まとめた実行計画を今年6月に改訂する。併せて、学び直しの支援策など労働移動円滑化に向けた指針を策定する。岸田首相は1月4日の年頭記者会見で、指針の中で学び直しによる能力向上支援、日本型職務給の確立、成長分野への円滑な労働移動からなる「三位一体の労働市場改革」を進める考えを強調した。

 政府は22年中に開いた会議でも労働市場改革に関する議論を進めてきたおり、示された論点では学び直しなどキャリアアップ支援や中途採用の推進、兼業・副業の促進などの項目が並ぶ。

 今年2月に開かれた会議でも、引き続き学び直しなどが論点に上がったが、目新しい打ち出しもあった。岸田首相は会議で「自己都合退職した場合の失業給付のあり方を見直す」と表明。現状、従業員が自己都合で退職した場合、解雇など会社都合の退職と比べ給付を受ける条件が厳しく、労働移動円滑化の妨げになっているという問題意識で、セーフティネットについても議論の俎上に乗せた形だ。

 自民党内でも、2月下旬に開催された新しい資本主義関係の会議で、ある有識者から日本のセーフティネットが伝統的に企業を通じて提供されていることを指摘する講演を行っており、今後議論が本格化することが予想される。

 ある経済産業省関係者は「重要な論点だが、学び直しや労働移動から議論の裾野がどんどん広がっている。これから大変だよ」と話す。

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