AZ-COM丸和ホールディングスがC&Fロジホールディングスに買収提案
財界オンライン / 2024年4月22日 18時0分
物流の「2024年問題」が業界再編に発展している。企業の物流業務を一括して請け負う3PL大手のAZ―COM丸和ホールディングス(HD)が低温物流に強みを持つC&Fロジホールディングスに買収提案をした。同社から賛同を得られなくてもTOBに乗り出す。5月上旬を目途にTOBを開始し、株式の過半数を取得する考え。
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AZ―COM丸和は創業者である和佐見勝氏が1970年にトラック1台で創業。小売業に特化した3PLで成長し、外資系通販のライストワンマイル配送などで23年3月期まで8期連続の増収増益を達成中だ。
和佐見氏は22年にC&F株2.96%を取得、経営統合の提案を開始し、協議も続いていたが、23年10月にC&Fは経営統合の検討中止決定を通知。理由は「シナジーが限定的」「企業文化の相違」などが挙げられていた。そこでAZ―COM丸和側が「次のステップ」(関係者)としてTOBに動いたという経緯。
別の関係者によると「C&Fで社長が代わってから環境が変化した」という。C&Fは15年に名糖運輸とヒューテックノオリンが統合。現社長の綾宏將氏はヒューテックノオリン出身で、前社長が不適切な言動によるハラスメント行為で辞任した後の20年から社長を務める。
AZ―COM丸和がTOBを成立させるためには大株主や一般株主の賛同を得なければならないが、「C&Fは農業協同組合(JA)の影響が大きい」(別の関係者)。特に総資産100兆円を運用する農林中央金庫の存在がある。同金庫もC&Fの第2位株主で、協同乳業や共栄火災海上保険など大株主にはJA関連企業が名を連ねる。これらの株主がどう応じるか。
コロナ禍を経てインターネット通販では冷蔵や冷凍といった食品群の需要が大きく増加中。一方、4月からトラック運転手の時間外労働が是正されるため、運び手不足が顕著になる。
スーパーやドラッグストア向けの低温物流を得意としてきたAZ―COM丸和にとって食品卸やメーカー向けの低温物流を手掛けるC&Fとのシナジー効果は大きいとみるだけに、どう説得できるか。AZ―COM丸和側の対話力が求められそうだ。
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