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【株価はどう動く?】「上昇第3波」に入った日経平均、米国株の急落には要注意

財界オンライン / 2024年4月11日 20時0分

米FRBは果たして利下げができるのか…?

米FRBは果たして「利下げ」に動くか?

 前回指摘したように、日本の株式市場は2023年4月以降、資産インフレ相場が始まり、賃上げ、円安、インバウンドの急増で上げ潮となり、長期展望で言えば下落したら買いという状況です。つまり、長期トレンドでは上昇が続くというのが大局観です。

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 一方、短期では少し違う見方が必要です。23年1月4日の安値から6月19日に3万3772円で最初の高値を付けたわけですが、これが上昇第1波で、8111円上げました。

 23年はこの6月19日の高値近辺をなかなか抜けなかったのですが、11月20日に3万3853円で新高値を更新しました。ただ、3万4000円の壁を越えることはできませんでした。

 年初から、株価は上に窓を開けて日足ベースで急上昇しました。上昇第2波は23年10月4日の3万487円を出発点として、24年3月7日の4万472円まで、9985円上げています。

 その後、あまりにも上げが急ピッチでしたから調整が入りました。それが3月12日の安値、3万8271円で、ここは「初押しは買い」となりました。

 3月7日の4万472円は上昇第2波の天井となったわけですが、押し目は2200円ほどでしたから、3分の1も押しておらず、かなり浅かったということが言えます。浅い押し目を入れた後、今、上昇第3波が始まっています。最近の高値が3月22日の4万1087円と、4万1000円台を付けています。

 ここから先は予測ですが、日経平均は続伸して、日を追うごとに新高値を更新し、今多くの人々が高値だと予想している4万2000円から4万3000円の高値を付けることになるでしょう。その時期については、今後見極めていく必要があります。

 上昇第3波が行き着く先は、価格の波動から見て4万6000円から4万8000円です。

 直近で起き得ることとしては4月下旬からゴールデンウイーク前後に、米国株が急落する可能性があります。昨年末から始まった米国株高は、24年にFRB(米連邦準備制度理事会)が少なくとも5回くらい利下げする、金利上昇はピークアウトしたと市場が見ているからです。

 しかし、現時点までにFRBは利下げをしていません。次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)4月30日~5月1日会合でも利下げは行われない可能性があり、こうなると失望売りが出てくることになるでしょう。

 遅くとも4月下旬から5月には利下げがあるという読みで米国は株高になっていますから、なければ米国株は急落、調整する恐れがあります。その時、日本株も連動して下落します。その時に上げ幅の3分の1押しなのか、半値押しかは、今後見極める必要があります。

 直近3月27日には、米国ではニューヨークダウ、ナスダック、S&P500、いずれも新高値を付けましたが、これは目先、天井近しのサインとも見えます。米国株は4月下旬から5月にかけて、市場がFRBの金融政策に失望して下落することになれば、日本株も「待ってました」とばかりに調整します。

 それまでに、日経平均がどれくらい上によじ登るか。それが多くの人の合意である4万2000円から4万3000円だというのが有力シナリオです。

 以前に解説しましたが、相場世界には「多数決の原理」があります。株式投資は「人気投票」と言われることがありますが、みんなが賛成している方向に向かいます。

「多数決の原理」が実現するのは相場の初期段階ですが、今は上昇第3波の初期段階ですから、皆が予想する4万2000円から4万3000円という水準を4月末から5月のGWに向かって付け、その後、米国株の調整とともに日本株も調整に入るという展開が予想されます。

 投資家の皆さんには、この後、4月末からGWに近づくにつれて〝半身〟の姿勢になって、利益があるものは確定する、できるだけキャッシュアップ、つまり現金化して相場の変動に備えるといった投資戦略が必要になってきます。

 3月末から4月初めにかけて、日本の株式市場の参加者は「ユーフォリア」(幸福感)の中にあります。4月末にかけては、その状況が続くかもしれませんが、そこで第1回目の目先の天井となり、急落してふるい落としをかけて、夏場や年央に向けて再び上昇第3波が始まると見ています。

 この上昇は11月の米国大統領選頃まで続くものと見ますが、大統領選が近づくと、市場参加者は警戒モードに入ります。

 今、日経平均は4万円割れ買い、4万5000円近辺売りというボックスに入っています。一方、前述の通りニューヨークダウもナスダックも新高値を付けています。ニューヨークダウの目標値は3万9000ドルでしたが、足元でこの水準の高値を付けています。4万ドルの大台乗せもあり得る展開となっていますが果たしてどうでしょう。

 ナスダックは21年11月に付けた高値を奪回し、3月21日に1万6538ポイントという高値を付けました。ただ、どちらもダブルトップですから、FRBの金融政策で思ったより金利が下がらないということが明らかになると、いつ急落してもおかしくありません。この動きには要注意です。

 もちろん、次回FRBが利下げすれば、この急落シナリオは起こらず、当面米国株高に拍車がかかるでしょう。しかし、米国株が今後上がれば上がるほど、その後の下落調整は厳しい展開となるでしょう。

 為替は1ドル=150円台で推移しており政府、財務省は警戒していますが、今回の大円安相場の最初の壁が150円台です。相場は為替であれ株であれ、一定のボックスで揉み合いますが、ここで止まらなければ160円、170円もあるという状況です。いわば150円は「最後の防衛ライン」と言えます。

 ただ私は160円、170円という水準も短期的には日本経済にプラスだと見ています。日本経済がデフレを脱却して巡航速度に戻るためには、半導体など主要な製造業、輸出産業を蘇らせることが必要だからです。

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