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〈 会社設立50年 〉コスモスイニシア・高智亮大朗社長の「都市の暮らしの中で『あったらいいな』と思うものを」

財界オンライン / 2024年12月28日 15時0分

「世の中は加速度的に変わっていくが、幸せなどの価値観は変わらない。都市の暮らしの中でも『あったらいいな』と思うものを提供していく」

 1974年の「環境開発株式会社」の設立から50年。リクルートグループの一員として歩み始め、業界に先駆けて不動産販売に女性スタッフを導入したり、将来的に必要となるマンション修繕に備える30年分の「長期修繕計画」も最初に取り入れたり、一歩先の取り組みを行ってきた。

 一方、2005年にはMBOで同グループから独立。08年のリーマン・ショックの余波で過剰債務を抱えて事業再生ADRも経験した。今は大和ハウス工業と共立メンテナンスとの3社で資本業務提携を締結している。

 経営面での紆余曲折を経ても「新しいことに挑戦する風土」は変わっていない。18年には新築マンション開発や建築ノウハウを活かしたアパートメントホテル「MIMARU(ミマル)」を展開。「ホテルの部屋でも自宅のように快適に過ごせるようにするため、キッチンや冷蔵庫、ダイニングスペースなどを完備させた」。東京、京都、大阪の3カ所(27施設)ともインバウンドが9割以上を占めており、稼働率も好調に推移している。


 マンション業界は建築費などの高騰で物件価格は上昇基調。都心ではファミリー向けの60~70平方㍍の物件が1億円を超えることも珍しくない。ピーク時に9万戸超あった首都圏の供給戸数も3万戸を切る。それでも「30代の夫婦共働きで世帯収入のある家庭からの引き合いは強く実需はついてきている」

 西日本支社長時代、京都の桂川に面した新築分譲マンションを担当したとき、余った容積を活用しようと「3メートルバルコニー」を発案。社内から疑問の声も上がったが、顧客から評価され、グッドデザイン賞も受賞した。「お客様がどうしたら安心で楽しく暮らせるか。その視点に立つことを徹底した」

 趣味は釣り。「どうやって釣果をあげるか。仕事と同じようにチャレンジの連続が楽しい」と笑顔で語る。

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