【財務省】遠のく歳出改革 霞む加藤大臣の存在感
財界オンライン / 2025年2月4日 11時30分
石破茂政権の経済政策において加藤勝信・財務相の存在感が霞んでいる。石破首相の最側近である赤澤亮正・経済再生担当相が政権の目玉政策の多くを事実上主導し、財政規律に関しても「経済あっての財政」との姿勢を鮮明にしているためだ。
1月17日の経済財政諮問会議では財政健全化の指標である基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が2025年度は国と地方で計4・5兆円の赤字になるとの試算を発表。
就任前、石破首相は財務省寄りとみられていたが、実際の政策立案では、財務省にとって「年収103万円の壁」の問題を始め歳出改革は遠のくなど、逆風続きだ。このままでは加藤氏は「政権運営で蚊帳の外」(財務省幹部)に置かれることになりかねない。
年収の壁を巡っては、自民、公明両党は25年度税制改正大綱に年収103万円の壁の見直し、控除額を123万円に引き上げることを明記した。ただ、国民民主党はこの方針を拒否しており、通常国会で政府・与党が提出する税制改正案はさらなる引き上げに向けて修正される可能性がある。
14日の閣議後会見で、加藤氏は「政党間で引き続き協議が進められるので、それにしっかり対応する」と語ったが、自民税制調査会の宮沢洋一会長とともに、加藤氏は「財務省の代弁者としかみられていない」(主税局)こともあり、今後の与野党協議に影響力を示すのは難しいだろう。
一方、年収の壁引き上げに関するSNS(交流サイト)上での財務省批判に関し、加藤氏は15日の講演で「税金をかけられ、社会保険料を取られ、かといって自分の将来に展望が開けない」と感じる人の思いに触れ、「生活が豊かさを増していく実感を持てる」環境に向けて、さらなる賃上げ実現に注力する考えを強調した。
一層険しくなる植田日銀のカジ取り、基調は円安、「トランプ政権」出発で
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