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世界的な運用難の中、農林中金とMUFGが資産運用で提携

財界オンライン / 2021年7月5日 11時30分

農林中金の本店が入るDNタワー21

農林中央金庫が大胆な資産運用ビジネス強化策に打ち出した。

 農中はJAバンクを構成する全国の農協などから余剰資金を預かり、農林水産業者への貸し出しや市場運用に回している。足元ではグループで約60兆円の農協マネーを運用している。

 ただし、融資事業は日銀の超低金利政策や他の金融機関との競争激化で利益が上がらず、運用事業に収益を依存する構造が強まっている。農中にとって厳しいのは、市場運用で上げた利益を「奨励金」と呼ぶ預金金利の形で全国の農協などに還元しなければならないことだ。

 そこで本体はJAグループ以外の地銀など外部からの運用受託を拡大。プライベート・エクイティ(未公開株投資)や不動産などオルタナティブ(非伝統)投資への強みを活かして手数料収入を稼ぎ新たな収益に育てる。

 一方、傘下のJAバンクは個人向け資産運用業務で三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と提携し、顧客から預かった資産を一任運用する「ファンドラップ」の提供を来年4月から始める。

 JAバンクの貯金残高は約92兆円とゆうちょ銀行に次ぐ規模だが、住宅ローンや自動車ローンなど融資業務が主力で、投信の預かり資産残高はわずか500億円弱に過ぎない。顧客の資産運用ニーズを取り込めておらず、今後はMUFGと連携して貯金者(組合員)の中のプチ富裕層や資産形成層向けビジネスを強化し、「稼げるJAバンク」に脱皮させたい考え。

 MUFGにとってファンドラップを他の金融機関に提供するのは今回が初めて。三菱UFJモルスタや三菱UFJ信託銀行は全国の拠点を持つJAバンクを通じたサービス提供をテコに、ファンドラップの契約金額で大きく引き離されている野村證券などを追撃したい構えだ。

 農中本体とJAバンク双方の運用ビジネス強化策が農中グループの金融ビジネス成長にどこまでつながるか。市場も注視している。

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