CPIショックで円安さらに進行か!? 155円台も?
財経新聞 / 2024年4月12日 16時38分
●CPI後に153円台!
4月10日に3月の米国消費者物価指数(CPI)が発表された。伸び率が上昇したことを受けて、利下げ観測が遠のいたことでドル円は1ドル153円を突破し、実に34年ぶりの安値を更新した。152円台は、為替介入が意識され上値が重かったが、あっさりと突破した。
152円台を上抜けたことで、154~155円台もあり得るという市場の見方も多い。今後ドル円は150円台が定着し、このまま155円台へと向かうのだろうか?
●3月CPIの見方
10日に発表された3月のCPIは、前年同月比の上昇率が3.5%で前月の3.2%から大きく上昇し、予想も上回った。これで6月の利下げ開始、年3回の利下げという予想は、完全に覆されそうだ。2年債利回りも昨年11月以来の5%台となるなど、市場ではインフレの再燃が懸念されている。
バイデン大統領は「それでも年内に利下げがあるという予想を私は堅持する」と発言しており、大統領選を控え、神経質な展開になりそうである。
目標である2%にはまだまだ遠く、仮に今後数カ月でインフレの鎮静化が確認できても、大統領選直前の9月には利下げが出来ないという予想が多く、ハードルは高い。
共和党の候補となるトランプ前大統領は、「利下げはバイデン氏を手助けする目的だ」とけん制している。
●為替介入はあるのか?日銀の利上げも意識?
152円は“神田シーリング”と言われ、為替介入があると言われてきた。しかし、今回152円突破が常態化し、これから152円台で意識されることはなくなるだろう。
だがこのまま円安を放置するわけにはいかず、ファーストリテイリングの柳井会長兼社長が「円安が日本にとって良いわけが無い」と発言するなど、財界や国民からの悲鳴も無視できない。
今回はCPIの発表と岸田首相の訪米が重なっており、首相が訪米中には為替介入は出来ないと市場が読み切っていたという噂もある。
直近でも鈴木財務相などから口先介入も相次いでおり、介入がいつ起きてもおかしくない状況ではあるが、介入してもすぐに円安に戻るという見方が多い。
日銀の追加利上げしか円安を止める方法は無いが、出来ても年内1回が限界と言われる。円安傾向と物価高はまだまだ続きそうである。
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