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探査機ルーシーが発見した小惑星、年齢はたったの300万歳 コーネル大の研究

財経新聞 / 2024年5月2日 11時55分

2023年11月にNASAの探査機ルーシーに捉えられた小惑星ディンキネシュとセラムの立体画像ペア。(c) NASA / Goddard / SwRI / Johns Hopkins APL / NOIRLab for the original images / Brian May / Claudia Manzoni for the images

 小惑星と聞けば、無条件に太陽系誕生直後に生まれたと考える人もいるかもしれない。だが2023年11月にNASAの探査機ルーシーが発見した小惑星セラムは、誕生から300万年足らずの若い存在であることが、コーネル大学の科学者らによる研究論文で明らかにされた。

 小惑星セラムは、別の小惑星ディンキネシュの探査時に、これを周回している存在として偶然発見されたものだ。直径220mと非常に小さく、こんなに小さな星が発見できたのはNASAの探査機ルーシーが、小惑星ディンキネシュまで425kmという至近距離に接近できたためだ。

 従来、小惑星の誕生年代推定は、そこに存在しているクレーターの単位面積当たりの数によって行われてきた。新しい小惑星は隕石衝突回数が少ないため、クレーター数も少ないが、同じ理由で古い小惑星ほどクレーター数は多くなる。このことを利用して、誕生年代推定が可能になったのだ。

 今回コーネル大学では、新たに小惑星ディンキネシュと小惑星セラムの運動の観測データを用いた誕生年代推定を試みている。

 具体的には、撮影時刻の異なる複数の画像データから、これらの小惑星の時間当たりの移動量や移動方向を、モンテカルロシミュレーションによって解析。現在の2つの小惑星における運動データを入力条件とし、時間を逆行させて、小惑星の位置を100万回以上と繰り返し計算していくものだ。

 この方法により、ディンキネシュとセラムが出会った時期が推定できる。結果、セラムの年齢は100万歳から1000万歳の間であることが判明し、クレーターのデータ解析結果と合わせて、最終的に330万歳と結論付けた。

 驚くことに、地球近傍小惑星の約15%は、小惑星ディンキネシュのように衛星を従えている。それらはセラムのように比較的新しい年代に誕生し、他の小惑星の周りを周回するようになったものが多いと考えられている。

 人類の歴史よりも新しい小惑星が地球の近傍にたくさん存在しているという事実も驚きだが、なぜこのような新しい小惑星が誕生したのかについては、今回の研究では言及されていない。

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