夏の甲子園 第100回全国高等学校野球選手権大会

2018年8月3日更新

8月5日に第100回全国高等学校野球選手権大会が開幕します。第100回目という節目を迎える今年の「夏の甲子園」で、注目を集める高校や選手をまとめました。

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第100回全国高等学校野球選手権大会の概要

大会概要

大会名第100回全国高等学校野球選手権記念大会
開催期間8月5日(日)から17日間
(雨天順延、準々決勝翌日の休養日1日を含む)
主催日本高等学校野球連盟、朝日新聞社
開催場所阪神甲子園球場

代表校

学校名地区出場回数
旭川大 北北海道 9年ぶり8度目
北照 南北海道 5年ぶり4度目
八戸学院光星 青森 2年ぶり9度目
金足農 秋田 11年ぶり6度目
花巻東 岩手 3年ぶり9度目
羽黒 山形 15年ぶり2度目
仙台育英 宮城 2年連続27度目
聖光学院 福島 12年連続15度目
作新学院 栃木 8年連続14度目
前橋育英 群馬 3年連続4度目
土浦日大 茨城 2年連続4度目
花咲徳栄 北埼玉 4年連続6度目
浦和学院 南埼玉 5年ぶり13度目
木更津総合 東千葉 3年連続7度目
中央学院 西千葉 初出場
二松学舎大付 東東京 2年連続3度目
日大三 西東京 5年ぶり17度目
慶応 北神奈川 10年ぶり18度目
横浜 南神奈川 3年連続18度目
山梨学院 山梨 3年連続8度目
中越 新潟 2年ぶり11度目
高岡商 富山 2年連続19度目
星稜 石川 2年ぶり19度目
敦賀気比 福井 3年ぶり8度目
佐久長聖 長野 2年ぶり8度目
大垣日大 岐阜 2年連続5度目
常葉大菊川 静岡 2年ぶり6度目
愛産大三河 東愛知 22年ぶり2度目
愛工大名電 西愛知 5年ぶり12度目
白山 三重 初出場
近江 滋賀 2年ぶり13度目
龍谷大平安 京都 4年ぶり34度目
大阪桐蔭 北大阪 2年連続10度目
近大付 南大阪 10年ぶり5度目
報徳学園 東兵庫 8年ぶり15度目
明石商 西兵庫 初出場
奈良大付 奈良 初出場
智弁和歌山 和歌山 2年連続23度目
鳥取城北 鳥取 3年ぶり5度目
益田東 島根 18年ぶり4度目
創志学園 岡山 2年ぶり2度目
広陵 広島 2年連続23度目
下関国際 山口 2年連続2度目
鳴門 徳島 2年ぶり12度目
丸亀城西 香川 13年ぶり5度目
済美 愛媛 2年連続6度目
高知商 高知 12年ぶり23度目
折尾愛真 北福岡 初出場
沖学園 南福岡 初出場
佐賀商 佐賀 10年ぶり16度目
創成館 長崎 3年ぶり2度目
東海大熊本星翔 熊本 35年ぶり2度目
藤蔭 大分 28年ぶり2度目
日南学園 宮崎 2年ぶり9度目
鹿児島実業 鹿児島 3年ぶり19度目
興南 沖縄 2年連続12度目

組み合わせ

第1日目・8月5日(日)

第1試合 藤蔭(大分)- 星稜(石川)
第2試合 済美(愛媛)- 中央学院(西千葉)
第3試合 慶応(北神奈川) - 中越(新潟)

第2日目・8月6日(月)

第1試合 山梨学院(山梨)- 高知商(高知)
第2試合 作新学院(栃木)- 大阪桐蔭(北大阪)
第3試合 北照(南北海道)- 沖学園(南福岡)
第4試合 旭川大(北北海道)- 佐久長聖(長野)

第3日目・8月7日(火)

第1試合 佐賀商(佐賀)- 高岡商(富山)
第2試合 智弁和歌山(和歌山)- 近江(滋賀)
第3試合 前橋育英(群馬)- 近大付(南大阪)
第4試合 益田東(島根)- 常葉大菊川(静岡)

第4日目・8月8日(水)

第1試合 日南学園(宮崎)- 丸亀城西(香川)
第2試合 金足農(秋田)- 鹿児島実(鹿児島)
第3試合 大垣日大(岐阜)- 東海大星翔(熊本)
第4試合 花咲徳栄(北埼玉)- 鳴門(徳島)

第5日目・8月9日(木)

第1試合 横浜(南神奈川)- 愛産大三河(東愛知)
第2試合 花巻東(岩手)- 下関国際(山口)
第3試合 創志学園(岡山)- 創成館(長崎)
第4試合 興南(沖縄)- 土浦日大(茨城)

第6日目・8月10日(金)

第1試合 敦賀気比(福井)- 木更津総合(東千葉)
第2試合 日大三(西東京)- 折尾愛真(北福岡)
第3試合 羽黒(山形)- 奈良大付(奈良)

第7日目・8月11日(土)

第1試合 龍谷大平安(京都)- 鳥取城北(鳥取)
第2試合 明石商(西兵庫)- 八戸学院光星(青森)
第3試合 報徳学園(東兵庫)- 聖光学院(福島)
第4試合 白山(三重)- 愛工大名電(西愛知)

第8日目・8月12日(日)

第1試合 二松学舎大付(東東京)- 広陵(広島)
第2試合 浦和学院(南埼玉)- 仙台育英(宮城)

※日付は雨天順延がない場合の予定日です

今年の注目校は

大阪桐蔭(北大阪)

北大阪大会決勝で記録的猛打

今春の選抜大会を制した大阪桐蔭が記録的猛打で2年連続10度目の出場を決めた。北大阪大会決勝で大院大高と対戦。計26安打23得点の猛攻で頂点に立った。史上初2度目の春夏連覇への挑戦権を得た。

清原・桑田「KKコンビ」時代のPL学園越え

23得点は、清原、桑田の「KKコンビ」を擁したPL学園が東海大仰星を17-0で破った1985年の第67回大会を更新する、大阪大会決勝の最多得点記録となった。

ドラフト候補7人を擁するスター軍団

言わずと知れたドラフト候補7人を擁するスター軍団だ。1位候補はエースと中軸を兼ねる「二刀流」の根尾、安打製造機の藤原。さらに投手陣は背番号1の柿木、大型左腕の横川らタレントは豊富である。

注目の選手については後ほど詳しくご紹介します。

智弁和歌山(和歌山)

苦しみながらも甲子園出場をつかんだ今春センバツ準優勝校

9回までリードしていた智弁でしたが追いつかれる展開に。

この試合、12安打の市和歌山に対し智弁和歌山は10安打。センバツ、春季近畿大会と決勝で敗れた大阪桐蔭への雪辱へ、苦しみながらも名乗りを挙げた。

この試合は9回裏に7-6でサヨナラ勝ちしています。

横浜(南神奈川)

若き監督と「1期生」である万波たちが築いた絆

2人の絆を物語る熱いハグだった。3回に特大2ランを放ち、ベンチに戻ってきた横浜の万波を、平田監督が抱きしめる。「抱擁されました」とはにかんだ4番は「自分の打撃で喜んでもらえるのはうれしい。監督の下で始まった代。甲子園に行けて良かった」と話した。
横浜は現3年生が1年の時、指揮官が松坂、筒香らを育てた名将の渡辺元智氏(73)から平田監督に交代した。万波らは3年間ともに歩んだ「1期生」だ。35歳の若き指揮官は「甲子園で勝つために(両主砲の)万波と長南が打つこと」と名前を挙げて鼓舞した。

元ヤクルトの度会ジュニアも注目を集める

横浜の度会が7回に代打で中前打を放った。ヤクルトで活躍した博文氏(46=現球団職員)を父に持つスーパー1年生は今大会、代打で5打数5安打。
「甘い球が来たら打つと集中力全開でいけた。これだけの大観衆でやるのは初めてで楽しかった」と満面の笑みだ。父が果たせなかった甲子園出場にも「甲子園に行って終わりじゃない。結果を残したい」と貪欲だった。

横浜OBからも喜びと応援の声

中日の松坂は「甲子園出場おめでとうございます」と母校・横浜を祝福した。
母校の夏の甲子園優勝は98年から遠ざかっており、出場する後輩たちに「記念大会でまた優勝することを期待しています」とエールを送った。

星稜(石川)

県大会37イニング53得点無失点の“完全優勝”

28イニング連続無失点で決勝に進出すると、この日も今大会初先発のエース・奥川恭伸投手(2年)が被安打3で金沢学院に1点も許さず。打線も竹谷理央外野手(3年)が県大会新記録となる1試合4本塁打、南保良太郎内野手(3年)も3本塁打と主軸を中心に爆発し、先発全員の28安打で大量22点を奪った。結局、県大会37イニング無失点、計53得点の圧倒的な強さで“完全優勝”を果たし、甲子園への切符を手に入れた。

負けられない理由 OBの松井秀喜が始球式に

負けられない理由もあった。OBの松井秀喜氏が8月5日の甲子園開幕日に始球式を行う。1学年後輩の林和成監督は「少なからずプレッシャーはありました。花を添えられたかな」と安どの表情。
「憧れの人。抽選で開幕戦に当たったら(投手がマウンドにいられる)後攻を取ります」。夏の甲子園に3年連続で出場した松井氏の最高成績は2年夏の4強で、チームは95年の準優勝が最高だ。

1年生の大型ルーキーが「背番号18」で甲子園デビュー

昨秋にU―15侍ジャパンのクローザーとしてアジア選手権を制した身長186センチの1年生右腕・寺西成騎が「背番号18」でメンバー入り。「甲子園では他校の1年生に負けたくない」と力強く語った。
高校での最速は139キロだが、根上中では軟式で141キロをマーク。1月にはテレビの企画で阪神・福留孝介外野手(41)から三振も奪った。入学時に「高校で150キロ台後半を出して、プロに行きたい」と語っていた寺西は「まずは甲子園で140キロ以上を出したい。ストレートは他校の1年生に負けたくない」と“世代NO1”を見据える。

木更津総合(東千葉)

“二刀流”の野尻幸輝投手はもともと捕手

元々は捕手。中学から投手の練習も始めていたが、木更津総合では1年から野手として起用されていた。「入学した時には、まさか(この県大会決勝で)投手をするなんて想像もできなかった」という二刀流は、サードを意味する背番号5をつける野手のセンスで勝利をたぐりよせた。
「毎日100球投げても何でもない。身体の強さがある」と、五島監督も舌を巻くパワーで、まずは甲子園1回戦突破を狙う。

準決勝でサイクル安打・決勝で完投勝利

第100回全国高校野球選手権大会東千葉大会決勝は25日、ZOZOマリンで行われ、木更津総合が10-2で成田に勝利。
準決勝の東海大市原望洋戦で平成以降13人目のサイクル安打を達成した木更津総合の3年・野尻幸輝投手が143球で2失点完投し、3年連続7度目の甲子園切符をもたらした。

五島監督「昨年の忘れ物を取りにいきます」

昨夏の甲子園では、日本航空石川に5-6で惜敗し、1回戦で散った。五島監督にとっては、木更津総合高校監督として甲子園10勝目がかかる。2003年夏に1回戦で金沢高校を7-4で破って甲子園初勝利。2016年夏の3回戦で広島新庄に6-5で勝って9勝目を挙げていた。「昨年の忘れ物を取りにいきます。昨年の口惜しさを晴らしてきたい」と宣言していた。

白山(三重)

地方大会で最大の“下克上”と呼ばれる

今地方大会で最大の“下克上”と言われたのが、この白山だった。昨秋、今春の県大会では共に3回戦で敗退。下馬評は高くなかった。だが、3回戦で2度の甲子園出場を誇り、春季県大会で敗れていた菰野を撃破すると、準決勝では甲子園11回出場の海星も撃破して決勝に。決勝では1回戦で選抜出場校の三重を、準決勝では春の東海大会準優勝のいなべ総合を破ってきた松阪商に8-2で完勝した。

5年前には部員不足のため連合チームで出場

白山は2007年から三重大会で10年連続初戦で敗退し、東拓司監督(40)が就任した13年は部員5人でスタートした。13年秋と14年春は部員不足で公式戦は連合チームで出場。人気ドラマ「ROOKIES」のようなサクセスストーリーに、大体大で東監督の2学年上だった巨人・上原から「甲子園でも頑張れよ」とLINEで激励され、学校には花も届いた。

甲子園見学で部長が打席に立ち注意される

指揮官が就任した13年は部員5人。16年まで10年連続初戦敗退。地道な勧誘で部員を増やし、年間160試合の実戦で力をつけてきたが、指揮官の「何もかもが初めて」という聖地でちょっとしたハプニングもあった。
辻主将らに促されて川本部長が打席に入ると、高野連の関係者から注意を受けてしまった。見学会はあくまでユニホームを着用した選手のためにあるもの。小学生時代は少年野球チームに入っていた女性部長は「やりすぎてしまいました。私が立っていい場所ではなかったですね」と反省しきりだった

慶応(北神奈川)

102年ぶりの頂点を目指す

北神奈川大会では慶応が桐光学園の反撃をかわし、08年の第90回記念大会以来10年ぶり18度目の出場を決めた。慶応普通部時代の1916年に第2回大会に優勝したレジェンド校は、102年ぶりの頂点を目指して聖地に乗り込む。

主将は10年前の主将・山崎錬に救いを求めた

昨秋から負けが続き、主将の下山は「チームの方向性が分からなくなった」と当時を振り返ります。

救いを、前回夏の甲子園に出た10年前の主将に求めた。社会人野球・JX―ENEOSの山崎錬だ。電話し、緊張しながら「どうやってチームを立て直したんですか」と切り出した。山崎らもセンバツに出場して初戦で敗れ、春の県大会では桐光学園に敗退。まったく同じ状況だったから話を聞きたかった。
「慶応」でつながる者同士。「懐かしかった。気持ちはすごくよく分かった」という山崎からの助言は「とことん話して」だった。下山はすぐ全員を集めた。「メンバーに入れなかった人の気持ちとか、いろいろ分かった」。絆が深まった。

注目の選手

根尾昂(大阪桐蔭)

学校名大阪桐蔭(北大阪)
背番号6
ポジション内野手(投手・外野手)
学年3年
身長/体重177cm / 78kg
投/打右投 / 左打

大阪桐蔭の中心選手

言わずと知れた最強軍団の中心選手。投手としては150キロ近い速球を投げ、俊足の遊撃手でもあり、外野も守れて、クリーンアップを張る長打力も持つ、まさに野球センスの塊。両親ともに医師で、中学時代は生徒会長も務めた。間違いなく、今大会最大の注目を集める選手。

高校入学時はスカウトの大争奪戦が…

岐阜の高校野球関係者は次のように話しています。

「根尾は中学時代、岐阜・飛騨高山ボーイズで投手として最速146キロ。日本代表でもあって、当然、大争奪戦です。医者の息子で成績優秀。最終的に進学先は慶応が有力だったが、根尾自身、将来の進路をプロ一本に絞ったことで、大阪桐蔭入学を決意した経緯があります」

藤原恭大(大阪桐蔭)

学校名大阪桐蔭(北大阪)
背番号8
ポジション外野手
学年3年
身長/体重181cm / 78kg
投/打左投 / 左打

高校No.1の野手の呼び声も高い

春の選抜では4番、春の近畿大会では1番を打ち、北大阪大会では再び4番に座った。北大阪大会では、決勝の大阪学院大戦で本塁打など6安打6打点を叩き出し、守っては9回2死で中堅を襲った大飛球を背走してもぎ取るなど、外野守備の能力も高い。野手としては高校NO1の呼び声も高く、根尾とともにドラフト1巡目での指名は確実と見られている。

「根尾がいたから」高めあってきた二人

入学前は、母・道子さん(42)の「1回は甲子園に連れていってな~」というお願いに「1回でいいん?」と答えた。2年春から4季連続出場。「一番、桐蔭に入ってよかったのは、根尾がいたから」と、類いまれな才能を持つ者同士で高め合ってきた。「まだまだ、こんなもんじゃない。上位でプロに行って、トリプルスリーとか、みんなの印象に残る選手になりたい」と藤原。右膝痛に苦しんだセンバツから一転、万全の状態で甲子園に乗り込む。

柿木蓮(大阪桐蔭)

学校名大阪桐蔭(北大阪)
背番号1
ポジション投手
学年3年
身長/体重181cm / 87kg
投/打右投 / 右打

大阪桐蔭でエースナンバーを背負う右腕

根尾ら優秀な大阪桐蔭の投手陣の中でも、エースナンバーを背負う右腕。MAX148キロの球威あるボールを真っ向から投げ込む。昨年の夏の選手権準々決勝、仙台育英戦でサヨナラ負けした時にマウンドに立っていた。北大阪大会決勝の大阪学院大戦でも完投勝利を収めている。

小園海斗(報徳学園)

学校名報徳学園(東兵庫)
背番号6
ポジション内野手
学年3年
身長/体重178cm / 79kg
投/打右投 / 左打

U-15、U-18と日本代表に選出された遊撃手

U-15、U-18と2世代で日本代表に選出された大型遊撃手。高校通算37本塁打、東兵庫大会4回戦の滝川二戦でバックスクリーンに決勝弾を放り込んだ。昨年の選抜大会、多治見(岐阜)戦でも本塁打を放っており、守備力も根尾より上との評価も。こちらも今秋のNPBドラフトでは上位指名が予想される。

大阪桐蔭・藤原は中学時代のチームメイト

ドラフト1位候補の大阪桐蔭・藤原恭大外野手(3年)とは中学時代のチームメート。甲子園での初対決を夢見て、今夏は同じ赤色のグラブでそろえた。「名前を売りたいし、絶対に日本一を取りたい」。

林晃汰(智弁和歌山)

学校名智弁和歌山(和歌山)
背番号5
ポジション内野手
学年3年
身長/体重181cm / 88kg
投/打右投 / 左打

強打の左打者として注目されるが監督は心配も

夏の高校野球100回大会の地方大会が全国各地で本格化する中、このスラッガーの一挙一動にも注目が集まる。高校通算は49本を数える智弁和歌山の強打の左打者・林晃汰だ。
ここまで本塁打数を順調に伸ばし、いよいよ夏への階段を登る段階に来ているが、高嶋仁監督は最近の林について、こんな本音を吐露した。
「打つ方は問題ないんですけれど、最近の練習試合は歩かされることが多くて、まともに勝負してもらえんのですわ。勝負してもろてたら、また状況も変わるんやろうけどね。打たせてもらえんから、本人もストレスが溜まってるんちゃうかなってねえ」

フォアボールで歩かされることについては?

打ちたくても打てないとなると、高校生では精神的なコントロールができない選手もいる。だが、林はそんな場面に遭遇しても冷静に受け止めている。
「マイナスにばかり考えてしまうと次には生きないと思うんです。フォアボールで歩かされることは悪いことではないし、チームのためにはなると思うので。その結果はきちんと受け止めて、前だけを見ています」

ネットで話題になったマスク姿だが…

7月1日の練習試合で林が捕手のマスクをかぶっている姿がインターネットに掲載され、話題を呼んだ。高嶋監督いわく、手薄な捕手というポジションの緊急事態に備えて、捕手経験のある林にマスクを被らせたとのことだが、本人は「緊急の時以外、被ることはないですよ」と苦笑い。だが、どんな姿であっても、ゲームセット時は笑顔でいたいと強く思う。

野村佑希(花咲徳栄)

学校名花咲徳栄(北埼玉)
背番号1
ポジション投手(内野手・外野手)
学年3年
身長/体重185cm / 90kg
投/打右投 / 右打

エースで4番、高校通算56本塁打のスラッガー

全国制覇した昨年のチームでも4番に座り、高校通算56本塁打のスラッガー。投手としても北埼玉大会決勝で1失点完投するなど非凡で、典型的な「エースで4番」としてチームの柱となった。野手としても三塁や左翼に入り、内外野どこでも守れるセンスのよさを持つ。

大谷拓海(中央学院)

学校名中央学院(西千葉)
背番号1
ポジション投手(外野手)
学年3年
身長/体重180cm / 70kg
投/打右投 / 左打

準々決勝では投手としても登板、決勝では本塁打

投手としてはスリークォーターから140キロ台を計測し、昨秋の関東大会制覇に大きく貢献。春の選抜大会出場後、練習試合中のアクシデントで夏の出場が危ぶまれたが、主に「4番・右翼」として出場し、西千葉大会決勝の東京学館浦安戦ではZOZOマリンスタジアム右翼席に痛烈な本塁打をたたき込んだ。準々決勝の八千代戦では投手としても登板しており、甲子園でどこまで復調をアピールできるか。

練習試合中のケガから奇跡のカムバック

5月末の練習試合で、登板中にライナーを頭に受けた。救急車で緊急搬送。診断は悪魔の声に聞こえた。頭蓋骨骨折に脳挫傷。軽い外傷性くも膜下出血まであった。
まずは食べて、76キロから69キロまで減った体重を戻すことに集中した。6月27日に練習復帰。バイクをこいでの体力づくりに腐心した。
打撃練習を再開しても、感覚がおかしく球が芯に当たらない。焦りが募った。励みは、仲間の「急がないでやっていけ」という言葉。ティー打撃でバットに当てることから始めた。大会前はマシン打撃まで。医師から試合出場許可が出たのは19日の4回戦だった。
「仲間や両親、支えてくれた人みんなに感謝したい」と涙を見せた。

100回記念大会こぼれ話

史上最多の56校が参加する100回記念大会

常連校や数十年ぶりの出場校、初出場校は?

100回の記念大会となる今大会は史上最多の56校が聖地の土を踏む。12年連続の聖光学院や8年連続の作新学院、夏連覇を目指す花咲徳栄、横浜や八戸学院光星、仙台育英、広陵といった常連校が甲子園出場を決める一方で、35年ぶりの東海大星翔や28年ぶりの藤蔭、22年ぶりの愛産大三河、18年ぶりの益田東も久々に代表校に名を連ねた。
その56代表校のうち、初出場は6校。西千葉の中央学院、三重の白山、西兵庫の明石商、奈良の奈良大付、北福岡の折尾愛真、南福岡の沖学園だ。

福山雅治によるNHK高校野球テーマソング

その名もズバリ『甲子園』

『全国高校野球選手権大会』が今夏で第100回を迎えるに当たり、試合中継を行なうNHKが初めてテーマソングを制作。その楽曲を福山雅治が書き下ろすことが発表されていたが、そのテーマソング「甲子園」のNHKオフィシャルMVがこのたび完成した。

暑すぎる2018年の夏は熱中症対策も話題に

日本高野連は7月19日に熱中症対策についての文書を各県の高野連に送りました。

「各県の高野連には19日に、熱中症対策に万全を期すよう文書を出しました。甲子園でも対策はきちんと取っています。理学療法士が常にベンチ裏に待機し、スポーツドリンクも用意している。ベンチの中はエアコンが効いており、空気が循環するようにスポットクーラーも置いてあります。観客にも常に熱中症の注意喚起を呼びかけるようにしている。スケジュールの見直し? それはやっていません。夏以外に長期休暇はないので、この時期以外に大会はできませんから。ドーム球場でやるべきという声もありますが、果たして球児たちも甲子園以外で納得するのかという問題もある。甲子園イコール高校野球ですからね」(日本高野連本部)

記事では、暑さのピークが過ぎた8月下旬に本大会を行うなど方法はあるのではないか、と伝えています。

今年の応援歌は『ダイナミック琉球』に注目

演奏のない独唱から始まる独特のスタイル

第100回全国高校野球選手権記念大会の開幕が来月5日に迫る中、応援の新たな定番として熱視線を集める歌がある。「ダイナミック琉球」という曲。
応援席にいる1人が立ち上がり、静まり返った球場で♪海よ~祈りの海よ~と歌いだす。ブラスバンドと一体となった大合唱が定番の応援の中で、演奏もない独唱から始まるスタイルは異例。

少なくとも10校が使用

28日までに甲子園出場を決めた50校のうち、少なくとも10校が「ダイナミック琉球」を使用。100回目の夏。応援席の“熱唱甲子園”にも大きな注目が集まりそうだ。

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