「批判ばかりでは負の感情しか生まれない」―主権者教育で各党の政策比較
政治山 / 2016年7月7日 7時30分
東京都町田市にある玉川学園中学部・高等部で5日から6日にかけて、現在行われている参議院議員選挙にともなう主権者教育として模擬選挙授業が実施されました。
担当教諭から資料の説明を受ける生徒たち
選管も協力して、“実物”で体験
この授業は、同学園父母会や町田市選挙管理委員会、模擬選挙推進ネットワークなどの協力を得て、実際の選挙さながらに各党の政策集やポスター、選挙公報が用いられていますが、政治山の「重点政策・公約比較表」(以下比較表)も配布され、いくつかのグループに分かれて議論を交わしました。
比較表を見て気づいた点に印をつけ、書き込んでいく
討議の後は、資料を見た感想や疑問点をグループごとに発表し、先生は生徒が自分たちで考えを深めていけるようサポートして、投票する政党を決めていきます。そして模擬投票へと移りますが、ここでも実際の投票記載台と投票箱が用いられ、有権者名簿の確認から投票用紙の交付を受け、政党名を記入して投票します。
初めての「有権者名簿確認」
隣が気になる?投票用紙への記入
貴重な1票だから、慎重に投票
「いろいろな角度から比べてみることが大切」
今回の参院選は選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めての選挙ということもあって、若者の政治参加がクローズアップされていますが、実際に子どもたちの目にはどのように映っているのでしょうか。
授業に参加した生徒たちは、「消費税は低い方が良いけどお金(税収)は必要。増税に反対するならお金(財源)をどうするのか明らかにしてほしい」「公務員ではない保育士の給料を国が決めるのはおかしい。経営する側も大変かもしれない」「環境や安全も大事だけど、原発をやめるわけにはいかない」など、様々な意見を交わしていました。
取材に対して14歳の女子生徒は、「批判ばかりでは負の感情しか生まれない。未来を語ってほしい」と語り、18歳選挙権と各党が掲げている被選挙年齢の引き下げに期待をにじませました。また、「比較表のようなものをしっかり読んで、いろいろな角度から比べてみることが大切と感じた」とも。
2014年の衆院選時に行われた模擬選挙でも実際の選挙結果と模擬選挙の結果は似通っていたそうですが、話す内容も大人と大差ないようです。およそ300人分の投票結果は、参院選終了後の11日に開票されます。
<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー 市ノ澤充>
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情報提供元:政治山