特集2017年3月16日更新

「逃げ恥」ロスは埋まった?2017冬ドラマ

冬ドラマも中盤から終盤へ。前季、大反響だった『逃げ恥』を超えるドラマは現れたのでしょうか?現時点で反響の多いドラマをピックアップしてみました。

目次

A LIFE~愛しき人~(TBS系・日曜午後9時)

あらすじ

愛、欲望、友情、嫉妬、プライドが渦巻く病院で、木村拓哉演じる外科医・沖田一光と彼を取り巻く医師・看護師たちが繰り広げるヒューマンラブストーリー。物語の舞台である壇上記念病院の院長の娘で沖田のかつての恋人・壇上深冬を竹内結子、沖田の幼なじみで深冬の夫である副院長の壇上壮大を浅野忠信が演じている。

冬ドラマ視聴率トップ

1月スタートの冬の連続ドラマが折り返し地点を迎え、ここまでの平均視聴率トップは、6話平均で14.1%をマークした木村拓哉主演の『A LIFE~愛しき人~』(TBS系、毎週日曜21:00~)となった。 『A LIFE』は初回で14.2%を記録してトップのスタート。その後第4話で12.3%まで下降したが、19日放送の第6話で自己最高の15.3%まで巻き返し、高い水準を維持している。
木村拓哉(44)が自身初の“医師役”に挑んだドラマ『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)の第9話が、3月12日に放送された。この日は同じ時間帯に『ワールド・ベースボール・クラシック 日本対オランダ』(テレビ朝日系)が放送されており、平均視聴率25.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の熱戦が繰り広げられていた。そんな中で、『A LIFE』は平均視聴率14.7%と好成績。自己最高記録を獲得した第8話の15.7%から1ポイント下がってしまったものの、大健闘といえるだろう。

Twitterでも大反響

視聴率14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進を切った第1話。放送中、Twitterでは「アライフ」「ALIFE」「ALIFE愛しき人」などがトレンド入り。一時45万件を超える大量のツイートが投稿されるなど、反響の大きさがうかがえた。

医療ドラマだが、群像劇としての魅力も

この作品は「ヒューマンラブストーリー」とうたっているだけあって、木村拓哉演じる主人公の沖田だけでなく、それ以外のキャラクターにも毎回焦点が当てられていて、組織のしがらみの中で半ばうまく立ち回ることだけに執心していた人々が沖田の存在によって徐々に変化していく姿も見られる。そういう意味では、医療ドラマではあるが、群像劇としても見ることができる。 折り返し地点を過ぎてこのドラマを振り返ると、登場人物それぞれが、傷や悩みを持ちながら生きていて、そこが視聴のポイントになっている。

東京タラレバ娘(日本テレビ系・水曜午後10時)

あらすじ

東村アキコの人気漫画が原作の同ドラマに登場するのは、吉高由里子演じる脚本家の鎌田倫子、榮倉奈々演じるネイルサロンを経営する山川香、大島優子演じる居酒屋の看板娘・鳥居小雪のアラサー3人組。彼女たちは「30歳・独身・彼氏なし」という岐路に立ちながらも「キレイになったら、もっといい男が現れる!」「好きになれれば、結婚できる!!」と“タラレバ話”を肴に女同士で酒を飲む毎日を送る。  そんな3人の前に「30代はもう女の子じゃない」「そうやって一生、女同士でタラレバつまみに酒飲んでろよ」と、罵声を浴びせる謎のイケメンモデル(坂口健太郎)が登場し、アラサー女子たちは厳しい現実に直面していく……というラブコメディだ。

視聴率は冬ドラマ全体で2位と好調

2位は、吉高由里子主演の『東京タラレバ娘』(日本テレビ系、毎週水曜22:00~)。初回で13.8%を記録して以降、第5話まで11%台をキープし、現時点での平均は12.0%となっている。

同名の大ヒット漫画が原作

原作ファンには「イメージが違う」と不評なキャスティング

「主要キャストは、吉高のほか元AKB48の大島優子(28)、榮倉奈々(28)。モテない設定なのに、実生活でも美形でモテモテだった女優ばかりが出ています。ここにリアリティがない、と」

原作との設定の違いに戸惑うファンも

原作では33歳だったタラレバ娘の設定が、なぜかドラマでは30歳である点。結婚・出産を控えたこの時期の女性の3歳差は、大きすぎるというのだ。  事実、ネット上では原作ファンの「アラサーと30代中盤では気の持ちようが全然違うんだよ!」「33~35歳の女優そろえられなかったのかよ!」と、不満の声が相次いでいる。
「これまで、多くの視聴者から指摘されてきたように、原作とドラマは設定が少し違います。原作で倫子は古いが大きなマンションに住んでいるし、仕事もボチボチこなしている。でもドラマは違う。このような細かい設定変更のせいで、後半にきて辻褄が合わなくなりグダグダになってきた。原作ファンは、困惑しているでしょうね」

視聴率減少は原作ファンが離れたから?

「1話目から2%ほど数字を落としていますが、それがちょうど原作ファンの人数に合致しているんですよ。ニュースで取り上げられる視聴率は関東エリアの数字がほとんど。その関東地区には約4300万人が住んでおり、単純計算で視聴率2%は86万人に相当します。その一方で原作マンガ(既7巻)は累計330万部で、1巻あたり47万部の計算。一部の巻だけ持っている読者もいますから、原作ファンを約80万人と見積もっても大きく外れてはいないでしょう」

主役以外のキャスティングは評価が高い

主題歌はperfume。メンバーの一人は声優として本編にも登場

そして今回、声の出演が決定した加藤さんとあ~ちゃんが演じるのは、倫子だけが見える謎の生き物「タラ」と「レバ」。タラの白子とレバテキがモチーフとなっているこのキャラクターは、「あのとき、あーだったら」「もっと、こーしてれば」と、タラレバ話ばかりしている倫子の前に現れ、心に突き刺さるダメ出しを繰り返すという。原作にも登場する人気キャラクターを、ドラマではCGで表現。声優初挑戦の2人がどんな風に演じるのかこちらも必見だ。

イケメンバーテンダー役の速水もこみちにSNS騒然

毎週水曜日に放送中のドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)。15日放送の第5話では、速水もこみちが映画バーを経営するイケメンバーテンダーの奥田として登場した。
長身でルックスも良いハイスペック男子にドキドキする倫子(吉高由里子)だったが、視聴者はそれどころではなかったようだ。
■もこみちが「完全にMOCO’sキッチンだ」と話題に
料理が得意である奥田は、倫子にさまざまな料理を披露する。まさに完璧すぎる男性の登場に倫子はうっとりしたのだが、違和感を覚える視聴者たち。
もこみちの演技力か、はたまた料理をしている様子を見てか、視聴者たちからは「『MOCO’sキッチン』じゃね?」「完全にただのもこみちだ」という意見が。

連動したネットドラマが原作ファンにも好評

ドラマ「東京タラレバ娘」(日本テレビ系)と連動したネットドラマの「東京ダラダラ娘」が2月22日よりHuluにて配信されることになった。主役の3人娘には小沢真珠、佐藤仁美、そして舞台女優の小林きな子を起用。アラサーをテーマにした地上波版に対し、こちらはアラフォーに焦点を当てた形で、それが原作ファンに好評のようだ。

ネットドラマには東村アキコ氏が企画協力

ちなみに注目すべきは、なんと東村アキコさんが企画協力をしている点です。リアルすぎてむしろ痛みすら感じるかもしれない『東京ダラダラ娘』の放送が、いまから楽しみで仕方がないですねっ。

カルテット(TBS系・火曜午後10時)

あらすじ

同作は、カルテットを組んだ30代の4人が、冬の軽井沢を舞台に共同生活を送る大人のラブストーリーかつヒューマンサスペンス。巻真紀(松)、世吹すずめ(満島)、家森諭高(高橋)、別府司(松田)の4人が都内のカラオケボックスで偶然出会い、週末をメインに軽井沢の別荘で弦楽四重奏団「カルテットドーナツホール」として活動するというストーリーで、「全員片思い 全員嘘つき」というキャッチフレーズの元、少しずつ4人の思惑や素性が明らかとなっていく。

視聴率は低迷、しかし満足度は高くSNSでも話題

松たか子(39)が主演を務める火曜ドラマ『カルテット』(TBS系)が、じわじわと人気を集めている。初回放送の9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が現在のところ最高の視聴率で、回を重ねるごとに視聴率はやや下降気味になっている。しかし、緻密な演出と胸にグッとくるセリフの数々に、ネットを中心にファンを増やしているようだ。

じっくり見たくなる、見返して考察したくなる仕掛け

一見ただダジャレを家森が繰り返したように見えるこのシーンに視聴者は注目。実はこれまでの放送で、真紀の家に飾られた結婚写真が2種類あることや、スマートフォンの時間表示など数々のシーンを根拠に、時間の流れの矛盾点が指摘されてきており、時間軸の交錯、または逆再生(初回に“巻き戻っている”)説が浮上。放送回を丁寧に見直し、考察する視聴者が続出していた。

考察が盛り上がりすぎて公式Twitterでプロデューサーが謝罪する事態も

視聴者の中には毎週の放送を楽しむだけでなく、“ミゾミゾ”する気持ちを抑えきれず、伏線を回収し自分なりに考察を重ねることを楽しんでいる視聴者の声も多く見られる。本来、物語の本筋とは関係ないところまで視聴者が注目してしまったのは、こうした視聴者が先の読めないストーリー展開やリアルな会話劇に惹き込まれた結果ともいえる。
公式Twitterには「こっちが勝手に“行間”読んだだけなんで気にしないでください!」「最終回まで黙っていることもできたでしょうに、丁寧にありがとうございます」「深読みしたくなっちゃうほど面白いドラマってことです」「最終回までミゾミゾさせて」などの声が寄せられている。

アドリブにも見える作り込まれたセリフ

“どこまでがアドリブですか?”とよく聞かれます。一言もアドリブはないんです。それがアドリブに見えるというのは作られた生感というか、エセ・リアリティーがリアリティーを凌駕しているんでしょう。カラオケやカーリングのシーンもお芝居です。カットがかかれば、みんな我に返っていますから。そういう意味でも新しい脚本なんだと思います

高橋一生の人気は『逃げ恥』ロスを埋める勢い

2017年冬ドラマでF2、F3層(35才以上の女性)の潜在人気ダントツ1位といわれるのが『カルテット』(TBS系)。松たか子(39才)、満島ひかり(31才)、松田龍平(33才)と高橋という4人の実力派が絡むラブサスペンスで、脚本は『東京ラブストーリー』や『最高の離婚』の坂元裕二氏が担当。その中で大注目なのが家森諭高役を演じる高橋だ。

ドラマの公式Twitterに投稿された動画が可愛いと評判

『カルテット』(TBS系)。ドラマの人気もさることながら、公式ツイッターなどで更新されている出演者同士の仲睦まじそうな舞台裏のオフショットが好評のようだ。 これに関して、18日に更新された動画が「かわいい」と話題を呼んでいる。

嘘の戦争(フジテレビ系・火曜午後9時)

あらすじ

幼い頃、一家心中としてもみ消された殺人事件で家族を亡くした少年・一ノ瀬浩一(草なぎ)が、最大の敵・二科興三(市村正親)に復讐を果たすため、名うての詐欺師となって戦いに挑むサスペンスドラマ。

視聴者を飽きさせない展開が高い満足度につながっている

・「恨みによる逆襲がすごいから」(30歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「第1話から『これぞ心理戦』と言えるような駆け引きがなされていて、先の展開がとても気になる作品。ミステリーや推理ものが好き、という方はきっと好きになると思うので、おススメしたいです」(22歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「草なぎの嘘のつき方が楽しみ」(54歳男性/専門商社/事務・企画・経営関連)
・「華麗に詐欺で悪人を騙していくのが痛快で面白い」(32歳女性/その他/その他・専業主婦等)

ドラマに散りばめられた“愛ある小ネタ”も好評

<第7話>
二科晃(安田顕)に復讐する際に使った嘘の銀行口座が「店番号244 (つ・よ・し)/口座番号19740709(草なぎの生年月日)」だった。

<第9話>
浩一が弁護士を名乗る際に使ったのが「青池法律事務所」と書かれた名刺。“青池”は『銭の戦争』で出てきた「青池ファイナンス」から持ってきている。

<第10話(最終回)>
タイ・バンコクに向かう便が「JA244(つ・よ・し)」。

突然ですが、明日結婚します(フジテレビ系・月曜午後9時)

あらすじ

「結婚したい」と夢見る主人公・高梨あすか(西内)と、「結婚したくない」という考えを持つアナウンサー・名波竜(flumpool・山村隆太)が、価値観の違いに戸惑いつつも惹かれ合っていくストーリー。

視聴率は月9史上最低記録を更新

フジテレビ「突然ですが、明日結婚します」(月曜後9・00)の第8話が13日に放送され、平均視聴率は6・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが14日、分かった。
2月13日の第4話で6・6%とし、昨年4月クール「ラヴソング」が記録した月9ワーストの6・8%(第6話=5月16日、第7話=5月23日)を下回ると、第5話(20日)=6・2%、第6話(27日)=5・0%と3週連続で月9史上最低を更新。第7は6・4%と上昇したが、今回は0・3ポイント数字を落とした。

SNSで話題作りも逆効果か

また今回はドラマの放送前、フジテレビの公式ツイッターで「月9史上最も××な入浴シーンは必見!」という宣伝ツイートが流れていた。そのため出演者のファンの間では、西内とflumpool・山村隆太の混浴が見られるのではないかと話題に。
しかし実際に放送されたのは、視聴者が期待したものとは全く違うシーンだったという。
「ドラマでは、ファンが期待したヒロインたちの入浴映像は一切なし。実際に放送された映像は、ドラム缶のような体型をした個性派俳優・森田甘路と、ヒロインの父親役として出演している古舘寛治が、マッパのまま狭い浴槽で密着して入浴するという衝撃的なものでした。
ファンとのやりとりでは、不思議な返答を連発。「こんばんは」というツイートに「こんばんは」とだけ返し、「最近すぐ眠くなるんですけどなんでですかね?」という質問には「何なんですかね。。」とコメント。また、「山村(隆太)さんの声どうしてあんなにいい声なんですかね。」という質問にも同じく「何なんですかね。」と返答し、「今なにしてますかー?」という質問には「えっ 教えられない…」とツイートした。
西内のこうしたやりとりはツイッターで拡散され、あまりにもそっけない返答に疑問を抱く人が続出。お笑いタレントの有吉弘行(42)からも「なぜそれを選び なぜそんな答えをした。。。」と、ツッコミのツイートが寄せられた。そんな有吉に対しても、西内は「特に理由はありません」とひと言だけ返している。

同じくフジテレビ「嫌われる勇気」「大貧乏」も低視聴率

1月(2017年)スタートのドラマ12作品のうち、視聴率ワースト3をフジテレビが「独占」するという異例の事態が起きている。
全話平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で見ると、ワースト1(12位)は「大貧乏」(日曜よる9時、小雪主演)の5.0%、11位は「嫌われる勇気」(木曜よる10時、香里奈主演)の6.7%、10位は「突然ですが、明日結婚します」(月曜よる9時、西内まりや主演)の6.8%という数字が並ぶ。

「嫌われる勇気」はアドラー心理学会から抗議、放送中止要求も

同学会からの抗議文は、第5話放送翌日となる2月10日に、ホームページ上で公開された。香里奈演じる主人公が、「私はただ、感じたことを口にしているだけ」と描かれていることに対して、アドラー心理学における「相互理解のための努力」を放棄しているとの問題点を指摘し、「テレビのような公共的な場で、普及宣伝されるのは、日本のアドラー心理学の啓発・普及に対して大きな妨げになる」と主張。同学会からは、放送中止か、あるいは脚本の大幅な見直しを求められた。

敗因は?

結局のところ、ヒットするドラマとは脚本と配役がしっかりした作品です。今のフジのドラマを見ていると、ただ人気があるタレントを使えばいいと考えているように感じてしまう。つまりは、基本がまったく出来ていないんですよ」
と批判する。「フジテレビはもっと危機感を抱く必要がある」としたうえで、
「もう『月9』ブランドは完全に崩壊したということを、きちんと受け止めないと。思い上がりを捨てて、もう一度基本に忠実で丁寧なドラマを作っていかないと」 と厳しく指摘した。

その他の気になるドラマ

山田孝之のカンヌ映画祭(テレビ東京・金曜深夜0時52分)

山田孝之が本気で“カンヌ映画祭”に挑戦するドキュメンタリー

山田は、世界最高峰のカンヌ映画祭で賞を獲りたりとの思いを映画監督・山下敦弘氏に告白したことから、2人は「カンヌ映画祭」に向けた映画制作をスタート。山下氏と友人のドキュメンタリー監督・松江哲明氏が、映画制作に奔走した山田の2016年夏の記録として同番組を作品化する。

山田の「本気」に振り回される大人たち

いちばん笑ったのは、映画の製作資金を集めるために東宝へ、芦田愛菜と山下監督を連れて出かけたときのこと。1億円という高額な出資を簡単に承諾してもらえるわけがない。でも彼はめげない。そこで彼が持ち出したのが、今まで自分が東宝で出演した作品の興行収入額の話(笑)。自分が俳優として演じたことでとんでもない額を叩き出しているのだから、1億円くらいいいじゃないかと担当者に詰め寄るのだ。ちなみに突然呼び出された山下監督は「1億!?」と初めてその場で金額を知る。

バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~(テレビ東京・金曜深夜0時12分)

名脇役6人による「おっさん版テラスハウス」!?

日本を代表する名脇役、遠藤憲一(55才)、大杉漣(65才)、田口トモロヲ(59才)、寺島進(53才)、松重豊(54才)、光石研(55才)のもとに、役所広司(61才)主演でリメイクする映画『七人の侍』への出演依頼が届くところから、物語は始まる。
メガホンをとるのは中国を代表する名監督チャン・イーモウ(65才)。撮影前に結束を固めるため、彼らはひとつ屋根の下での共同生活を命じられる。しかし、そこにはある事件が隠されていた…。

かわいいおっさんたちに女性ファンがキュンキュン!

「みんな強面で、刑事モノや任侠モノなどのハードボイルドな作品の、しかも悪人役でおなじみのオジさん俳優たちが、シェアハウスしながらまるで乙女のようにじゃれ合ったりする。そんなキュートさがこの番組の魅力です」
と言うのは、テレビウオッチャーでイラストレーターの北村ヂンさん。確かに、見た目の渋さと中学生のような行動のギャップがたまらないと、番組を見た多くの視聴者がSNSで絶賛している。

LINEスタンプやアニメとのコラボも

おっさん6人がひとつ屋根の下でワイワイやってる姿に萌える女性ファン急増で、急遽LINEAスタンプの発売が決定したり、6人つながり?で人気アニメ「おそ松さん」とコラボしたりしています。

スタンプでは、同作の名場面が使いやすいデザインとなって登場する。ドラマ内でも、6人のグループLINEで使用されており、作品ファンからは「本当にあるのかと思って探しちゃった」「バイプレイヤーズのスタンプ欲しい」「LINEスタンプいつ発売するの?」と話題になっていた。価格は税込240円、または100コイン。
「おそ松さん」は2015年10月から半年間、同局の深夜枠で放送。ギャグ漫画の巨匠・赤塚不二夫氏の生誕80周年を記念し、代表作「おそ松くん」を27年ぶりにアニメ化。六つ子が成長し、大人になった姿を描き、それぞれ異なるキャラクターの1人に心を奪われ「推し松」と応援する女性ファンが続出した。
松野家6兄弟は「6人の成人男性が、ひとつ屋根の下暮らし」という共通点を発見。

冬ドラマ注目度は?

視聴率トップは『A LIFE』、フジのドラマは下位を独占

1月スタートのドラマ12作品のうち、視聴率ワースト3がフジテレビという結果になりました。

【2017年冬ドラマ(午後8~10時台、民放5局)初回視聴率一覧】

1位『A LIFE~愛しき人~』(TBS系・日曜午後9時) 14.2%
2位『東京タラレバ娘』(日本テレビ系・水曜午後10時) 13.8%
3位『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系・土曜午後9時) 12.9%
4位『嘘の戦争』(フジテレビ系・火曜午後9時) 11.8%
5位『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系、日曜午後10時30分) 11.2%
6位『就活家族 ~きっと、うまくいく~』(テレビ朝日系・木曜午後9時) 11.0%
7位『下剋上受験』(TBS系・金曜午後10時) 10.9%
8位『カルテット』(TBS系・火曜午後10時) 9.8%
9位『三匹のおっさん3~正義の味方、みたび!!~』(テレビ東京・金曜午後8時) 8.9%
10位『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系・月曜午後9時) 8.5%
11位『嫌われる勇気』(フジテレビ系・木曜午後10時) 8.1%
12位『大貧乏』(フジテレビ系・日曜午後9時) 7.7%

視聴率ランキングとネット上の注目度は全く違うという意見も

「ドラマの注目度を示す指標の一つが、番組公式ツイッターのフォロワー数です。これが『A LIFE』では3万5000人台に留まり、『嘘の戦争』の4万4000人に負けています。さらに西内の『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)でも5万3000人と多く、吉高の『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)に至っては7万3000人で『A LIFE』の2倍以上という圧勝なんです」  しかも別の観点で調べると、木村の「A LIFE」は草なぎの「嘘の戦争」にボロ負けしているというのである。

タイムシフト試聴率は活用できるところまで至らず

昨秋から新たな指標として、タイムシフト(録画)視聴率の測定をはじめましたが、発表まで2週間超のタイムラグがあるほか、スポンサーの手前「堂々と録画視聴率はこんなにいいんですよ」と発表できない事情を引きずるなど、世間の人々に対するフォローとしては不十分。その他、民間のツイッター指標や視聴満足度、見逃し配信や関連動画の再生回数など、「こんなに見られています」というデータは存在し、どれもフォロー要素になりうるのに活用できていないのです。

今期冬ドラマの傾向

自己啓発本や成功哲学本が原作のドラマが2作品

これまでは、そうした自己啓発本や成功哲学の本はあくまで書籍として読まれていた。しかし2007年、さえないサラリーマンがゾウの姿をしたインドの神様ガネーシャに、自分の夢や目的の叶え方を指南されるという内容の『夢をかなえるゾウ』(水野敬也著)が出版され、200万部を超える大ベストセラーとなると、翌年には小栗旬主演でTVドラマ化され、続いて舞台化、翌2009年にはアニメにもなった。
さらに、2009年に出版され200万部を超えるミリオンセラーとなった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海著)、通称「もしドラ」も翌2010年に漫画化、11年にTVアニメ化、そして同年に前田敦子主演で映画化までされるという展開を見せたほか、『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵著/2010年)が2013年に単発ながら仲間由紀恵主演でドラマ化されるなど、ここにきて自己啓発本は単なる売れる書籍から、ドラマ、映画、アニメなどの映像作品へとメディアミックスされる流れが形成された。

役者が自分を演じるドラマが3作品

冬ドラマがおもしろい。今クールの特徴は役者本人が自分を演じるパターンが多いこと。「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(テレビ東京)、「山田孝之のカンヌ映画祭」(テレビ東京)と「住住(すむすむ)」(日本テレビ)だ。

SNS活用も目立つが、裏目に出るパターンも?

『タラレバ』はSNSアカウントも大人気

今はドラマのSNSアカウントが定番になっています。たとえば現在放送中の『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)のインスタには、ドラマに出演する鈴木亮平(33)が、同局で2月10日に放送された『銭形警部』の衣装のまま登場したりと、現場の楽しい雰囲気が伝わる写真がたびたびアップされるんですよね。そのたびにファンのコメントが殺到しますから、出演者やスタッフも反応を見て楽しんでいるようです
放送中のドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系/毎週水曜22時)の公式インスタグラムにて20日、出演している鈴木亮平と坂口健太郎が“顔交換”ならぬ「キャラ交換」した姿を収めた写真が公開された。二人の姿にファンからは「かわいすぎでしょ」「違和感があんまりない」「ちょっとしたオネエ感」などの反響があがっている。

『ALIFE』インスタアカウントはギャップ萌えで好評

この日の写真には、和やかな雰囲気で二人がじゃれあう様子が写っている。竹内の額に手を置いて近づけないようにしている菜々緒に対し、竹内は抵抗しようと両手をばたつかせるように伸ばしていて、ハッシュタグには「#ネコパンチ #届かない…笑」とコメントがつけられた。

『嘘の戦争』Twitterは個性豊かな差し入れが話題

フジテレビ系で放送中のドラマ『嘘の戦争』。草彅剛演じる主人公・一ノ瀬浩一の復讐を描く本作は、緊迫感MAX。一瞬も見逃せないような濃厚さだ。 しかしながら現場はなかなかいい雰囲気のよう。公式ツイッターがあげた「差し入れ集」が反響を集めている。

『あすこん』はSNS活用も逆効果?

西内が、「フォローしたつもりだったのに、逆にされちゃった。笑 名波さん。アナウンサーなら気にした方がいいんじゃないですか?」と、山村の役名でからかった。こうしたやりとりが続いた末、最後は山村がドラマ中のセリフを用いて「嫌いになってもいい、、、?」とツイートしたことで完結した。 こうした二人のやりとりはネット上でも注目を集め、「ツイッター上で喧嘩しないでほしい」「見ていて嫌な気分になる」といった声が多数あがっている。こうしたやりとりに関して関係者は、仕掛けられた演出だと指摘する。
フジテレビの公式ツイッターが『月9史上最も××な入浴シーンは必見!』と煽りまくったものの、実際に放送されたのは脇役俳優2人が入浴するシーン。西内やflumpool・山村隆太の素肌を期待していた視聴者からは『ダマされた!』と怒りの声が続出

『逃げ恥』ヒットを意識してか、エンディングに凝る傾向も見られた

昨年秋、『逃げ恥』の“恋ダンス”がブームになったことで、今期のドラマもエンディングに注目が集まっています。  ドラマのエンディングは1980年代ごろから、制作サイドが明確な狙いを持って作られてきましたが、ダンス、キャストの歌、フリートーク、マネキン・チャレンジなど、今期ほど多彩な演出が見られるのは異例であり、明らかな変化と言っていいでしょう。

『逃げ恥』ほどの社会現象は見られなかったものの、今季もなかなかの注目作品が集まっています。SNS公式アカウントの活用はもはや普通になりつつありますし、ネット上の人気と視聴率が必ずしも一致しないのも興味深いところです。タイムシフト視聴率がもっと活用できるようになれば、人気ランキングもまた変わってくるのでしょうか。