いま人気の作品は? 2018年夏ドラマ中間チェック

2018年8月22日更新

早くも後半戦に突入した2018年夏ドラマ。過去の大ヒット作“逃げ恥”並みの視聴率を叩き出している『義母と娘のブルース』や、フジテレビ“木10”枠としては4年ぶりとなる6週連続2ケタの視聴率を記録している『グッド・ドクター』など、現時点で視聴率が良好で、かつ視聴者などから話題を集めているドラマを紹介していきます!

『義母と娘のブルース』(TBS系)

このドラマは、バリバリのキャリアウーマンだった岩木亜希子(綾瀬)が子持ちのサラリーマン・宮本良一(竹野内豊)と結婚し、良一の娘・みゆき(横溝菜帆/上白石萌歌)の母として奮闘する物語。

右肩上がりの視聴率 第7話は15%超え

今期民放連ドラ1位 3週連続で自己最高を更新

第7話が21日に放送され、平均視聴率は15・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが22日、分かった。15%超えは今期民放連続ドラマでは初めて。
初回は11・5%で同枠で大ヒットした新垣結衣(30)主演の「逃げるは恥だが役に立つ」(16年10月)の初回視聴率10・2%を上回る好発進。第2話=11・3%、第3話=12・4%、第4話=12・2%、第5話=13・1%、第6話=13・9%と好調に推移していたが、3週連続で番組最高を更新した。

“逃げ恥”と視聴率で伯仲

第6話(14日放送)では番組最高13・9%を記録。第6話までの視聴率は同局同枠で大ヒットした新垣結衣(30)主演の「逃げるは恥だが役に立つ」(16年10月)と伯仲している。
社会現象を巻き起こした「逃げ恥」は、第1話=10・2%、第2話=12・1%、第3話=12・5%、第4話=13・0%、第5話=13・3%、第6話=13・6%と推移しており、第6話までの数字ではまさに伯仲しているといえる。

ファンの間では「ぎぼむす」の呼び名が定着

「すでにドラマの呼び名として『ぎぼむす』がファンの間では定着。口コミやネット上の高評価で視聴者が徐々に増えています。第6話では良一の死が描かれましたが、視聴者からは、SNSを中心に『竹野内豊ロス』『良一ロス』の声が多くあがっているほど。今後、どこまで視聴率を伸ばすかが注目されます」(放送担当記者)

身近な社会問題を取り込んだ現代のホームドラマ

取り上げるテーマ性の身近さにも、現代らしいアプローチがある。例えば、PTA活動のゴタゴタや闇を、PTAの重要性の再認識と改革というかたちに収束させた回には、共感の声が多数あがった。さらに、敵対関係として描かれてきたPTA会長に、媚びるでも屈するでもなく、かといって力でねじ伏せるでもなく、和解した後には主婦としての家事スキルを学ぶ亜希子のニュートラルさ。脚本を担当している森下佳子の確かな手腕を感じる、優しい結末はSNSで「落とし所が見事」などと、絶賛の声が多数あがった。
このように、ガチガチに見える亜希子が、社会問題に斬り込みながら、家族や周囲の問題を解決し、と同時に徐々に人とのつながりを構築していくストーリーは、不思議と心を温かくしてくれる。現代のホームドラマの一つのかたちともいえるだろう。

好調の秘密は過去の大ヒット作を彷彿とさせるところ?

スポニチアネックスの記事では、本作が多くの視聴者を満足させている理由について、「過去の大ヒットドラマを彷彿とさせる要素が隠れていた」と分析しています。

『家政婦のミタ』を彷彿とさせる“ロボットのようなキャラクター”

主人公は誰もが認めるキャリアウーマンだが、恋愛や子供との接し方には疎く、ビジネス用語を多用する堅苦しい口調で機械的に接してしまう。これは2011年に大ヒットした日本テレビ「家政婦のミタ」を彷彿とさせるもので、そんなロボットのような主人公が介入して荒療治を施すことで家族が再生していくという流れも “ミタ”を想起させる。だが、今作は“ミタ”ではダークに描かれた“崩壊からの再生”ではなく、あくまでもハートウォーミングな展開で家族の再生を描き、回を追うごとに主人公の表情が人間味を帯びていくのも、このドラマの見どころとなっている。

『逃げ恥』同様の“偽りの関係から本当の絆に気づいていく”というテーマ

2つ目は“偽りの関係から本当の絆に気づいていく”というテーマ。これは16年に大ヒットしたTBS「逃げるは恥だが役に立つ」と同様のテーマと言っていいだろう。“逃げ恥”は契約結婚をきっかけに本当の恋へと発展していくラブコメディーだったが、今回はそれを家族に換え、偽装結婚をきっかけに本物以上の家族へと成長していくという“逃げ恥”と同じ導入部でありながら全く違う、新しいホームドラマに仕上げている。

『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)

シーズン1ではコールド・ケースと呼ばれる“未解決事件”を、シーズン2では“特殊犯罪潜入捜査”をテーマに、新米女性刑事・桜木泉(上戸彩)の活躍と成長を描いてきた「絶対零度」シリーズ。新シリーズでは、“未来の犯罪を予測して捜査する”ことをテーマに、潜入捜査やアクション、予期せぬ展開とエンターテインメント性をパワーアップして展開。
主人公となる元公安のエリート刑事・井沢範人を沢村が演じ、“ミハン”のメンバーである山内徹役で横山裕、小田切唯役で本田翼、“ミハンシステム”を推進するキャリア・東堂定春役で伊藤淳史らが出演する。

“月9”として1年ぶりに初回視聴率10%超

5週連続2ケタをキープ中

20日に放送された沢村一樹(51)主演のフジテレビ系「月9」ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(月曜・後9時)第7話の平均視聴率が10・3%だったことが21日分かった。前回の10・6%から0・3ポイントのダウンも5回連続の2ケタを記録した。
「絶対零度~」は初回10・6%を記録。「月9」の初回視聴率2ケタ超えは昨年7月期の「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」の16・8%以来、4作ぶりだった。第4話では11・7%の最高視聴率を記録している。

役者の演技とストーリー展開から目が離せない

本作は序盤こそ軽いタッチのドラマに見えたが、次第にテーマが重くなってきており、それに伴って役者の演技で魅せる場面も増えている。
普通のドラマなら最終話かその1話前まで引っ張るような話を第6話の時点で終わらせ、しかも主要キャストが自殺して退場するという展開はかなり異例だ。裏を返すと、この先もうひとつ山場があるに違いない。

第1章が完結する第6話に視聴者から多数のSNS投稿

これまでドラマに度々登場してきた“闇の仕置人”の正体が明かされた。視聴者からは「最終回なみのどんでん返し」「衝撃」などの声がSNSに殺到した。
容疑者が二転三転し、たどり着いた意外な結末にネット上は「衝撃」「最終回なみのどんでん返しで...ヤバかった...」「やられました~!!」といった反響が。
またこれまで井沢が真犯人では? と感じていた視聴者からは「疑ってごめんなさい」「井沢さんじゃなくて良かった」などのツイートも寄せられた。

『グッド・ドクター』(フジテレビ系)

「グッド・ドクター」は、自閉症スペクトラム障がいでコミュニケーションに難しさを抱える一方、驚異的な記憶力を持つサヴァン症候群の青年・湊が主人公。さまざまな偏見や困難にも負けず、「一人でも多くの子どもを大人にしたい」という熱意を胸に、医師として成長していく姿を描く。

視聴率は“木10”枠で2年ぶりの初回2ケタ発進

6話連続2ケタ台を記録

ドラマ「グッド・ドクター」(フジテレビ系)の第6話が16日に放送され、平均視聴率10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマーク。初回から6話連続で2ケタ視聴率をキープする好調ぶりを見せている。
湊がレジデントとして病院にやってきた初回は平均視聴率11.5%。「木10」枠としては2年ぶりの2ケタ発進となった。その後も第2話10.6%、第3話11.6%、第4話10.6%と2ケタ視聴率を継続。第5話では12.2%と自己最高を記録した(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)。
第6話では、湊が実の父・航(遠山俊也)と再会するエピソードに注目が集まった。

ドラマ設定の「わかりやすさ」が好調の理由か

『グッド・ドクター』の好調は、設定のわかりやすさによるところが大きい。コミュニケーションに障害がありながらも純粋な心を持つサヴァン症候群の主人公・新堂湊(山崎賢人)。幼くかわいらしい子どもの命を救う物語。その両者を追い込むために暗躍する、猪口隆之介(板尾創路)や間宮啓介(戸次重幸)らの悪役たち。パッと見ただけで人物相関図がわかる上に、子どもの命を扱う医療ドラマであるため、感情移入しやすいのだ。

「わかっているのに号泣」するドラマ

医療ドラマである以上、「子どもが病気になり、それを救う」または「子どもの病気をめぐる家族の物語」という展開が多くマンネリ化しがちだが、『グッド・ドクター』では「わかっているのに号泣」する視聴者が続出しているようだ。
特に、子どもたちが発するセリフは、大人が忘れてしまった大事なことを思い出させてくれるものが多い。まるで、視聴者の心のケアまでしてくれているようだ。見るだけで癒やし効果がある上、号泣すればストレス発散にもなる。『グッド・ドクター』は、そんな稀有なドラマのようだ。

『遺留捜査』(テレビ朝日系)

『遺留捜査』(毎週水曜21:00~)は、事件現場に残された「遺留品」が持つ意味を徹底的に探り、声なき遺体が訴えたかったメッセージを代弁する刑事・糸村聡(上川)の活躍を描くもので、今作で第5シーズンに突入した人気シリーズ。

折り返し地点で民放夏ドラマ視聴率1位

7月スタートの民放連続ドラマが概ね折り返し地点を迎えた。ここまでの全話平均視聴率トップは、4話平均で12.6%をマークしている上川隆也主演の『遺留捜査』(テレビ朝日系、毎週木曜20:00~)だ
初回視聴率は14.7%とダントツのスタートを切り、その後も2ケタをキープしている。

ちなみに第5話の視聴率は10.7%と、第4話の11.8%から1.1ポイントダウンしたものの、2ケタ台を維持しています。

科捜研研究員・村木繁の恋事情にも注目

ちなみに初回放送時に甲本演じる科捜研の村木に“思い人”がいる、という描写がされていて、警察関係者なのか、通っているという歯科医なのか?といろいろと憶測を呼んでいたが、今回登場した美人過ぎる歯科医・真里ではないことが発覚。
果たして今後、村木の恋のてん末が描かれることはあるのか? 本編とはちょっぴり外れてしまうものの、「遺留捜査」ファンにとっては気になるところだろう。
もしかしたら思い人は女性ではなく、上川のスタッフ公式Twitterがツイートしていた「見処は糸村さんと村木さんの“おっさ◯ず◯ブ”」が現実のものになったら…またいろいろな層のファンが大騒ぎしそうだ。

『ハゲタカ』(テレビ朝日系)

同ドラマは04年に刊行され、ベストセラーになった真山仁氏の同名小説が原作。主人公の鷲津政彦(綾野)が、"ハゲタカ"と激しいバッシングを受けながら、不良債権を抱えた銀行や経営不振の名門企業へ買収劇を仕掛け、鮮やかに勝利していく姿を描く。

視聴率は第3話まで2ケタキープも…

第4話で1ケタ台に

木曜日に放送されているドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系)は、9日に放送された第4話の平均視聴率が9.6%だった。初回の11.9%から、11.3%、10.4%と数字を落とし、ついに1ケタ台に転落した。

ちなみに、第5話では9.9%と2ケタ寸前まで持ち直しています。

過去作品との比較が視聴率に影響?

「ハゲタカ」の連ドラは日本での放送が2回目であり、11年前に放送されたNHK版との比較は避けられません。
NHK版は、主人公の鷲津政彦を演じた大森南朋さんを筆頭に、柴田恭兵さん、松田龍平さんらの演技が絶賛を集めたほか、後に「龍馬伝」(NHK)や映画「るろうに剣心」などを手がけた大友啓史さんと、後に「あまちゃん」(NHK)や「トットてれび」(NHK)などを手がけた井上剛さんの演出、「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ系)や「スニッファー 嗅覚捜査官」(NHK)などを手がけた林宏司さんの脚本。
すべてのクオリティーが高かったため、今回のテレビ朝日版に物足りなさを感じる人がいるようです。

第4話では急展開と高嶋政伸の演技に大きな反響

アランの裏切りから物語が急展開した第2章。綾野演じる鷲津がホライズンを解雇されるという流れに、放送終了後にはSNSで「衝撃的な展開だ」「更に面白くなってきた~~~!」というコメントが多数寄せられるとともに、綾野の演技に「かっこよすぎて魅了された」「ここへきて綾野剛の凄みをめちゃくちゃ感じる」と高評価が寄せられた。
また、高嶋の怪演っぷりも話題に。「高嶋政伸さんの演技が最高!いつの日からか、奇人変人悪人は高嶋政伸が一手に引き受けてる感ありますよね。だって面白いもんなぁ~」「もう出てきた瞬間から面白かった」「高嶋政伸さんはほんとピッタリ」という声も相次いだ。

『dele(ディーリー)』(テレビ朝日系)

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作家の本多孝好氏が原案&初めて脚本を手がける『dele』は、現代社会において人々の懸念材料となっている「デジタル遺品」をテーマにした1話完結のオリジナルストーリー(脚本には本多氏のほか、金城一紀氏、瀧本智行氏、青島武氏、渡辺雄介氏、徳永富彦氏が参加)。
パソコンやスマホ等に残された不都合なデータを内密に抹消する秘密裏の仕事を生業とする主人公の坂上圭司(山田)と真柴祐太郎(菅田)が、任務を遂行しようとするたびにクライアントの“人生の渦”に巻き込まれていく、ハラハラドキドキの物語が展開されている。

エンタメ業界誌『コンフィデンス』の満足度調査で1位獲得

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7月期ドラマの放送前の期待度調査(プライムと深夜で別に調査)では、深夜枠でダントツの1位を獲得していたが、初回放送後の満足度調査でも俳優の演技、ストーリーなどで高い評価を受けて1位にランクイン。この結果を受けて山田プロデューサーは、「長い時間をかけ、原案脚本の本多孝好さん、主演の山田孝之さん、菅田将暉さんを中心に100名以上のキャストスタッフで挑戦してきた作品。1話1話の物語を丁寧に心を込めて、皆で最後まで仕上げていきたい」と喜びながらも、改めて気を引き締める。

企画の段階で上がった「多様なストーリー展開」

本作のウリは、複数の脚本家が名を連ねている点。これにより、視聴者が毎回パターンの異なるストーリー展開を楽しめるようになっています。

毎回パターンを変えていくことで、視聴者の皆様に純粋に多様なストーリーを楽しんでいただきたいという思いがありました。
企画の段階で、『dele』という作品の良さは“どんなエピソードでも作れる”ことだと思いました。デジタル遺品のモチーフと、ぶれないキャラクター。せっかくなので、その中で、色々な作家性を持つ脚本家の方にいろんなエピソードに挑戦していただいて、『dele』という作品の多様さを味わってもらえれば面白くなるのではと考えました。

ドラマでは滅多に見られない顔ぶれをキャスティング

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毎話のゲストも般若やコムアイ(水曜日のカンパネラ)、野田洋次郎(RADWIMPS)といったミュージシャンから、監督の塚本晋也氏、文学者の高橋源一郎氏など、ドラマでは滅多に見られない顔ぶれが揃った。
「その役をもっともおもしろくしてくれる方をキャスティングした結果です。近年のドラマはゲストも含めて出演者がパターン化している傾向も強い。それはある種の安定化でもありますが、ドラマシーンを前に推し進めるためには、キャスティングで常に新たな発明をしていく必要もあるのではと思います」

『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)

ドラマの原作は、大橋弘祐氏の小説「SURVIVAL・WEDDING」。主人公・黒木さやか(波瑠)は、勤めていた出版社を寿退社した日に、恋人に婚約破棄されてしまう。そんな残念な彼女を「半年以内に結婚しないとクビ!」という無茶な条件で復職させる人気雑誌の毒舌・ナルシストな敏腕編集長・宇佐美博人を伊勢谷友介が演じる。

視聴率はV字回復傾向

10%台から7%台に下がるも…9%台に上昇

8月11日に放送された連続テレビドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)第5話は、平均視聴率が9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。当初記録していた10%台から第3話で7%台に落ち、第4話も7.8%と苦戦していたが、今回は一気に1.3ポイント上昇した。

最新の第6話は9.1%と前回から横ばいとなっています。

第6回の平均視聴率が9・1%だったことが20日、分かった。
初回は10・4%で好スタート。第2回は10・8%、第3回は7・6%、第4回は7・8%、第5回は9・1%となり、今回は横ばいの数字となった。

宇佐美が語る知識に「勉強になる!」の声

同ドラマでは毎回、宇佐美が恋愛や美意識、さまざまな知識を語るシーンがあり、インターネット上の女性視聴者たちの間でも「勉強になる!」と話題だが、今回の「ウェスト7:ヒップ10のメリハリボディ」の話も好評だった模様。また、さやかと祐一がトラブルを経て距離を縮めていく様子や、それ以外の「ラブコメディ」としての笑いどころも、視聴者の満足度につながっているとみられる。