【選挙の舞台裏】(中) スタッフが集まらなければお話にならない!?

OVO [オーヴォ] / 2017年7月3日 10時26分


選挙カーから手を振る千葉県議会議員の水野ゆうきさん。

 前回は、選挙というものは、どれだけ努力を積み重ねるかが大切と書いたが、今回は実際に始まるまでの準備についてご説明しよう。
 政治の世界では、俗に「選挙にならない」と言われることがある。ただでさえ、人が必要なのに、スタッフの数がそろわないため、選挙期間中に満足な活動ができないことを指す。いかに、普段の活動量が豊富で、告示日までに「結果が9割決まっている」と言われても、選挙期間中に誰に投票するか決める人も少なくないのが現実で、本番の活動を怠ってはお話にならない。「画竜点睛を欠く」ということわざがあるように、選挙のプロも選挙戦本番を“仕上げ”と位置づけており、どんな選挙であっても、まずはスタッフをいかに集めるかが重要になってくる。
 企業や団体など組織のバックアップがある候補者なら、そんな悩みは少ないものの、そうでない候補者はこれも選挙に臨む上で大きな関門になる。
 地元の我孫子市で精力的に活動していることでも知られる千葉県議会議員の水野ゆうきさんは「SNSでボランティアを募集することもあるし、地域活動をしている中で自然と応援してくれる人が現れる」と話す。やはり、ここでもモノをいうのは普段の活動量。選挙期間中の運動を活発にするためのスタッフも、日頃の努力によって数が決まるようだ。さらに、水野ゆうき県議が活用するSNSも、現代選挙を語る上で強力なツールとなることも見逃せない。


チラシを配るスタッフがいないとなかなか効率よく演説ができないことも・・・。

 さて、選挙スタッフだが、本番中の活動だけではなく、告示までの準備でも必要だ。たとえば、街頭で演説をする際、合わせて政策のチラシを配布しようとすると、1人でも多くスタッフがいれば、それだけ効率良く有権者に手渡すことができる。自分は演説している訳なので、1人ぼっちであればチラシを配ることはできない。
 さらに、選挙当日に選挙管理委員会に立候補の届出をする際の書類は、それこそ山盛りである上、事前審査で何度も打ち合わせをする。これら事務的な作業を1人でこなそうとすると、他のことに手が回らない。手伝ってくれるスタッフがいれば、自分は“票に結びつく”活動をすることができる。届出する際に提出する書類は20以上──それと同時に、届出順を決めるくじ引きや宣伝カーの審査、ポスター貼りなど、とにかくやることは山のようにある。


立候補の届出をする際の書類は山のようにある。

 そのほか、宣伝カーを使う場合はドライバーにウグイス嬢なども必要。これらは、公職選挙法上で報酬を支払うことが可能だが、それ以外の選挙活動に携わるスタッフは、お金で雇うことができない。とにかく、必要なのは人、人、人──。家族や友人に頼むこともできるが、それだけではとても足りるものではなく、お金以上に、いかに“ボランティア”で手伝ってくれる人を確保できるかが、選挙の準備で大きな課題になる。


立候補の届出をする際の書類は山のようにある。

情報提供元: OVO [オーヴォ]

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