【選挙の舞台裏】(下) 選挙のポスター貼りは活動のバロメーター!?
OVO [オーヴォ] / 2017年7月3日 14時42分
【選挙の舞台裏】(下) 選挙のポスター貼りは活動のバロメーター!?
選挙戦では、とにもかくにも1人でも多くの人が必要と記してきたが、その中でも、最もスタッフを確保しなければならないのが、初日となる告示日だ。立候補の届出や出陣式など、初日ならではの“イベント”が満載。仮に、立候補者が定数と同じになる無投票が予想されても、夕方5時までに“伏兵”が届出をするとも限らないので、どんなケースでも初日は人手が必要となる。とりわけ、各陣営が腐心するのは、街中に設置される掲示板へのポスター貼り。最終回となる今回は、何かと苦労が多い、ポスター貼りについて話を進めてみよう。
とにかくポスター貼りは大変な作業だ。それは公設掲示板の数の多さからもわかるだろう。そのたくさんの掲示板に貼るのは全て手作業。少しでも早く貼ろうとするなら、その分、多くのスタッフを要する。組織、団体の支援を受けた候補者であれば人手に困ることはないものの、そうでない候補者にとって、選挙において大きな難所であるといって間違いない。
選挙区の人口や面積によって、貼るポスターの枚数は異なる。多くは百枚単位で貼ることになり、知事選や参議院の選挙区など全県の選挙においては、その数は1万枚以上に及ぶ。材木など掲示板の素材、ポスターの紙、印刷のほか、単純労働に関しては公職選挙法で報酬の支払いが認められているため、1度の選挙で発生する経済効果は決してバカにならない。選挙は“公共事業”みたいなもの──そう言われる所以である。
このポスター貼り、政治のプロに言わせれば、選挙の情勢を知る手掛かりの1つになるという。先述したように、貼るのはすべて手作業で、人海戦術で臨まざるを得ない。つまり、届出をしてから、かなりの時間が経過してもポスターが貼られていないのであれば、それだけ、スタッフが不足している、あるいはスタッフがいても作業が緩慢で運動が機能的ではない──となる。
次回、何か選挙があったら確認してほしいのだが、夕方になってもポスターが貼られていないような候補者は、運動量不足とみることができ、選挙は苦戦すると判断することも可能。2日目、3日目にやっと──などというのはお話にならない。例外は、急な選挙、立候補などでポスターの印刷が間に合わないなどのケースで、昨年の東京都知事選などがそれに当たる。
さて、ポスターを貼る現場の苦労はいかばかりか、実際にポスター貼りの現場をのぞいてみると・・・。取材に協力してくれたのは、今回の東京都議会選挙で江戸川区から立候補して当選した上田令子さんだ。
江戸川区内にある公設掲示板の数は517カ所。これを漏れなく貼ることになるが、上田さんの陣営では、12チームでエリアごとに貼る態勢を整えた。単純計算で1チームあたりが貼る枚数は40~50枚と大変な数ながら、何とか上田さんを当選させたいという熱心な支援者がボランティアで貼るため、スムーズに作業は進行、当日は午前中にほぼ貼り終えることができた。
実際に、この中の1チームに同行したが、渡された地図をもとに担当エリアをいかに効率的に貼っていくか作戦を立てつつ、最初に貼る掲示板の前で連絡を待つ。届け出順の抽選が終わり、LINEに「3番」と連絡が入り、一斉にスタート。他の陣営も同様にチームごとに貼っており、掲示板に到着するたびに同じ顔と遭遇した。担当エリアの掲示板すべてに貼り、事務所に連絡を入れて作業は終了となる。
上田さんの選対のスタッフである秦智紀さんは「まず、ボランティアさんを募集し、メンバーを確定させ、ミスなく割り振り作業を上田候補のご主人とした」と話す。ダブり、貼り漏れなどあってはならないので、エリア分けなど細心の注意を払ったようだ。また、番号を間違えて貼るなど取り返しのつかないミスが起きないとも限らないので「当日の各担当への番号連絡、掲示終了時の連絡などの“報連相”などの事前報告、連絡先共有など特に注意している」という。
選挙戦は華々しいイメージもあるが、このように、見えないところでは、数多くのスタッフが活動を支えている。選挙で戦っているのは、決して候補者だけではないのだ。
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