すき家に続き松屋も値上げ 牛丼チェーンの動向は

2018年4月13日更新

4月3日に松屋で牛丼の値上げが行われました。去年11月にはすき家の値上げが話題になるなど、庶民に身近な存在だけに、価格改定や新メニュー投入などのたびに世間をにぎわす牛丼チェーン。その「ビッグ3」や「御三家」などと称される大手3社、すき家、吉野家、松屋の最近の動向をまとめてみました。

牛丼チェーン“御三家”の比較

売上高・店舗数ともに首位は「すき家」(ゼンショーHD)

2018年第2四半期の数値で比較

売上高営業利益純利益店舗数
すき家(ゼンショー)2909億8000万円100億2700万円51億600万円1944
吉野家(吉野家HD)976億8900万円21億3600万円12億9000万円1197
松屋(松屋フーズ)456億7287万円19億5212万円11億8873万円953

※ゼンショーHDと松屋フーズは2018年3月期第2四半期決算、吉野家HDは2018年2月期第2四半期決算の数値。「店舗数」は、すき家、吉野家、松屋の2018年3月時点の国内店舗数

正確な順位付けは不可能…

「牛丼チェーン“御三家”を語る前に、すき家、吉野家、松屋の比較をせねば!」と張り切って各チェーンの運営会社のIR資料を漁ったものの、すき家を運営するゼンショーホールディングス(HD)は「牛丼カテゴリー」だけでもすき家と「なか卯」、ほかにもファミレスの「ココス」「華屋与兵衛」「ジョリーパスタ」、回転寿司の「はま寿司」などなど、数えきれないほどのチェーンを展開しています。また、松屋を運営する松屋フーズも、とんかつの「松のや・松乃家・チキン亭」、ラーメンの「松軒中華食堂」など複数の業態を抱え、吉野家ホールディングス(HD)も「はなまるうどん」や持ち帰り寿司の「京樽」などを運営しているため、運営会社の数値を見るだけでは比較は不可能…という結論に。

ただ、各社の有価証券報告書をさらに読み込むと、ゼンショーHDの「牛丼カテゴリー」の売上高は1023億2200万円、吉野家HDの吉野家だけの売上高は485億7400万円と報告されていて、かなりおおまかな推測ですが、「店舗数と同じように、すき家、吉野家、松屋という順なのかな?」と、おぼろげながら見えてきます。

牛丼“御三家”の店舗数は飽和状態か

上の表でもまとめた店舗数については御三家合計で4000店を超えていて、「飽和状態」とする記事も。

吉野家は2017年1月の1206店から1年間で1197店と9店舗減。松屋は期初である昨年4月の943店から今年の2月までで953店と10店舗増えているが、すき家は昨年4月の1963店から今年2月時点で1946店と、17店舗減で店舗数としては全体に頭打ち感が漂う。
2018年2月時点の吉野家、松屋、すき家(以下、牛丼ビック3)の店舗数合計は4099店舗で、実に4000店舗を超えています。
牛丼ビッグ3全体で見れば、2014年5月の4153店舗をピークに、現在の4099店舗まで落ち込んでいます。こうしてみると、新たな出店余地はあまりなく、業界として飽和状態にあるともいえます。

牛丼チェーンは第2の収益源を育てている?

各社が第2の収益源として、すき家(ゼンショーHD)は「はま寿司」、吉野家は「はなまるうどん」、松屋は「松のや(松乃屋)」を育てていると伝える記事もあります。

3社は、第2の収益源を育てることでリスクの分散化を図っている。扱うメニューが牛丼だけだと、例えば2000年代初頭に発生したBSE(牛海綿状脳症)問題のように、牛丼特有のトラブルが発生してしまうと、大打撃を被ってしまう。そこで、メニューを多様化することでリスクを最小限に抑えようとしているのだが、一方でメニューの多様化を牛丼店だけで対応すると効率が悪くなる。食材の配送・保管コストや調理技術の習得のためのコストなどが余計に発生するためだ。この場合、別の業態店で対応したほうが効率と収益性は高まる。そのため、3社は第2の収益源を育てる必要性が高まっていたといえるだろう。

すき家と松屋が値上げ 牛丼価格をめぐる御三家の動向

2018年4月、松屋が「牛めし並盛」を290円から320円に値上げ

牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズは4月3日の午後2時から牛丼やカレーなどを値上げする。首都圏以外の約350店舗(18年3月時点、以下同)で提供する「牛めし並盛」を290円(税込、以下同)から320円に引き上げる。定食やカレーなどのメニューも10~50円値上げする。

松屋の牛めし並盛が320円となり、すき家、吉野家、松屋の牛丼並盛はすべて300円以上になったと記事は伝えています。

すき家は2017年11月に値上げ 並盛の価格は据え置き

値上げは牛丼並盛を291円(税込み、以下同)から350円に引き上げた2015年4月以来、約2年半ぶり。すき家は今回の値上げの理由を「米国産牛肉の牛丼用部位の価格が前年同期比で42%上昇し、米の価格は前年同期比で9%上昇、パート・アルバイトの募集時平均時給は前年同期比で2.2%上昇している」と訴え、理解を求めた。ただ、客足が遠のく影響を考慮し、牛丼並盛の価格は350円で据え置き、大盛りを10円値上げし480円、特盛を50円値上げし630円とし、セットメニューを最大40円値上げするという形をとった。

価格をめぐり駆け引きを繰り返してきた牛丼3社

牛丼価格をめぐっては、すき家、吉野家、松屋の牛丼3社が駆け引きを繰り返してきた。並盛価格で比べてみると3社が280円で横並びだった時期もあるが、2014年4月の消費増税時に吉野家が300円に、松屋が290円に値上げした。一方で、すき家は1982年の創業以来、最安値となる270円に値下げした。
それからわずか4カ月後、すき家は牛肉価格の高騰を理由に並盛価格を291円に値上げ。2015年4月には牛肉やたまねぎを2割増量して、350円へと再値上げした。

吉野家が値上げに慎重な理由は…

吉野家の河村泰貴社長は10月上旬の決算会見の場で「現時点で値上げの計画はない」と断言。吉野家は2014年12月に牛丼を300円から380円に値上げしたところ、15%ほど客数が落ち込んだこともあり、価格改定に対して、慎重になっている面もある。

と、ここまで牛丼大手3社の全体的な動向を見てきたところで、次のパートからは御三家それぞれの最近の動向を見ていきます。

すき家(ゼンショーHD)

既存店の売上高と客単価は堅調に推移

すき家ですが、既存店売上高は足元では2017年11月以降100%を超えており、堅調といえます。客数は11月は100%を割れていましたが、12月に入り100%を超え、その傾向は続いています。客単価については、2018年3月期の2017年4月から2018年2月まで、毎月100%を超える状況となっています。

ただ客数については、最新のデータを見ると2018年3月は99.8%と、わずかながら100%を切ってしまいました。

定番商品「ポークカレー」をリニューアル

4月18日からリニューアル 40円値上げ

すき家は4月10日、定番商品である「ポークカレー」をリニューアルすると発表した。4月18日から提供して、価格は並盛で490円(税込、以下同)。リニューアル前から40円値上げする。
リニューアルのポイントは「スパイシーさを増すこと」と「ごはんを増量すること」の2点だ。クミンなどのスパイスを増やし、ブラックペッパーを加えることでスパイシーさを強調させる。ごはんは15%増量させる。すき家を運営するすき家本部の広報担当者は「カレーを単品で注文するお客さまには、がっつり食べたいというニーズがある。満足度を高めるためにごはんを増量した。今回のリニューアルで、ごはんにからみやすいようにルーをサラッとさせた」と説明する。

吉野家に続き「ちょい飲み」参戦

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「呑みすき」を実験導入

吉野家に遅れること2016年。外食産業の雄であるすき家がちょい飲み需要取り込みの実験を開始した。その名も「呑みすき」。まだ実験中のため、ほとんどお目にかからないかも知れない。
「すき家」では、幅広いジャンルのつまみがそろう「呑みすき」でぜひ一杯。バルで出されるようなチョリソーや、ビールと合わせて食べたい焼鳥など多彩な品そろえが自慢だ。また、好きな酒を選べる2種の呑みすきセットも。

牛丼値上げの理由とは

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人件費と食材価格の高騰

理由の1つが人件費の高騰だ。アルバイトの時給は右肩上がりが続いている。東京都の最低時給は2002年に708円だったが、2016年には932円に上昇。この10月には958円に引き上げられた。こうした人件費の高騰に加え、牛肉価格やコメといった食材価格の上昇も追い打ちとなっている。
丹羽本部長は「(当初は中間期が)営業増益予想であったにもかかわらず、減益となった要因は原材料の高騰、人件費の上昇だ。ある程度お客様にご負担いただくときになりつつある」と値上げへの理解を求めた。

「牛丼並盛」のみ価格据え置きの理由は?

2017年11月の牛丼の値上げの際、「牛丼並盛」(税込350円)のみ価格は据え置きとなりました。その理由をゼンショーHDの小川賢太郎会長は次のように語っています。

すき家の牛丼並盛は「国民食」で、その値段は「衆知の価格」といえる。これまで説明したように牛肉とコメの値上がりで事業環境は厳しくなっているものの、牛丼並盛だけはギリギリの企業努力で350円を維持した。

2014年に“ワンオペ”で叩かれたすき家だったが…

「ワンオペ」が2014年の流行語大賞にノミネートされるなど、ブラック企業としてのイメージが定着してしまった“すき家”。その最大の要因ともいえるのが、ワンオペが問題視されていた今年2月にメニューに追加された「牛すき鍋定食」である。仕込みと提供に時間のかかるこの商品により、アルバイトが一斉に逃亡。人員不足により、“パワーアップ工事中”として一時閉店する店舗が相次いだのだ。

過酷な労働状況に世間は驚愕 客離れにつながる

「ワンオペ」問題発覚を受けて第三者委員会による調査報告書が14年7月にが公表されましたが、過酷な労働実態が明らかになったことで客離れが進みました。

調査報告書には店舗での加重労働の実態が詳細に記されていました。「意欲も低下、慢性的人員不足でおかしくなりそうです」「正直言わせていただくと、労働環境かなり悪すぎです」「ハードワーク、睡眠不足・ストレスで倒れた。車で事故が2回、体力の限界」 といった過酷な労働状況に対する従業員の悲痛な叫びを見ることができます。
こうした実態に世間は驚愕し、すき家のイメージは悪化し、客離れにつながりました。調査報告書発表翌月の8月から翌年9月まで14カ月連続ですき家の客数(既存店)は前年割れとなるほどです。

職場環境改善への取り組みを推進

現在、ゼンショーHDでは公式サイト内に「職場環境改善への取り組み」というページを設けていて、この中で分社化や時間管理委員会、クルー(パート・アルバイト)の待遇改善などの取り組みを紹介しています。
待遇改善策のおかげか、東京・渋谷区でのアルバイトの時給を、すき家、吉野家、松屋で比較したところ、すき家の時給が頭ひとつ抜き出ていたといいます。

現在は売上高・客数ともに持ち直す

すっかりマイナスイメージがついてしまったすき家ですが、「ワンオペ」解消など施策を早めに実行するなどしたことで、上でも触れたように、最近の売上高や客数は堅調に推移しています。

すき家の2017年3月の営業成績(既存店)を見ると、前年同月比で客数こそ2.4%減だが、売上高は0.2%増、客単価は2.7%増という結果になっている。近年、いわゆる「ワンオペ問題」に端を発する労働環境の悪化が伝えられ、売上高や客数の面でダメージを受けていたが、徐々に持ち直している印象だ。

吉野家(吉野家HD)

既存店の売上高は好調

既存店売上高自体は2017年11月から100%を大きく上回っており、こちらも堅調です。客数は2017年4月から8月まで100%を割れる状況でしたが、2017年11月以降は100%を超えています。客単価についても2018年2月期の2017年3月から2018年1月までは100%を超えていました。ただ、2018年2月には88.5%と100%を大きく割り込んでいます。

好きな牛丼店アンケートで断トツ1位

全国の男女1万5000人を対象とした牛丼に関するアンケートで、一番好きな牛丼店として吉野家が選ばれたそうです。

「特になし」とあまり店舗にこだわりのない方もいる中、吉野家は15ポイントほど差をつけて1位に選ばれました。

吉野家の新しい取り組み

宅配事業に力を入れる吉野家

吉野家は2017年6月から宅配ポータルサイト「出前館」を介した宅配サービスをスタートさせた。吉野家本体はデリバリー機能を持たないが、「出前館」へと宅配機能をアウトソーシングすることで自前のデリバリー機能がなくても、宅配が可能になる仕組みだ。例えば、恵比寿駅前店なら最低購入金額は1800円から、「送料」300円はかかるものの、3名程度の注文をまとめれば注文ができる。
同年11月には法人向けの弁当配達サービス「ごちクル」を導入。現在、港区、渋谷区、品川区など東京23区の一部で配達を行っている。こちらは価格が注文金額に応じて、配達料が変わる仕組みで、1万円以上の注文は配達無料となっている。

出前館とLINEが運営するデリバリーサービス「LINEデリマ」が業務提携を行ったことで、スマホで吉野家の牛丼を注文することができるようになっています。

LINEは7月26日、LINEアプリ上でフードメニューの注文ができるデリバリーサービス「LINEデリマ」を開始しました。
LINEデリマには、吉野家やKFC、銀のさら、バーミヤンなど、和洋中さまざまな企業が参加しており、全国約14000店舗からあらゆるジャンルのメニューが注文できます。

ショッピングサイトで調理済みの冷凍牛丼の具を販売

この数年、吉野家はもうひとつ力を入れている宅配事業がある。調理済みの冷凍牛丼の具だ。AmazonやYahoo!などさまざまなショッピングサイトで売られている「牛丼の具」に加えて、昨年から「食後血糖値の上昇をおだやかにする」というサラシア入りの「冷凍サラシア入り牛丼の具」を発売した。糖質制限ブームが牛丼店のメニューづくりさえも、動かした形だ。
今年の2月には、機能性表示食品第2弾として、「中性脂肪が気になる」人向けの「ペプ牛」「血圧が高め」の人向けの「GABA 牛」をそれぞれ通販専用で発売した。外食、中食、内食といった喫食スタイルの多様化に対応すべく、サービスを展開している。

はなまるうどんと吉野家のコラボ「天ぷら定期券」

2017年秋に実施され好評を呼んでいた吉野家とはなまるうどんの「定期券」が、再び発売されています。

吉野家は近年、面白い取り組みが目立つ。「牛丼一筋」をうたうなど、販促には頼らないで商品力だけで勝負するという頑固なイメージが強いが、それが変わってきているように思える。そして、そのことが好調な業績を支えていそうだ。たとえば、9月に数量限定で発売した「吉野家⇔はなまる『はしご定期券』」がそのひとつだ。
「定期券」は4月1日から5月7日までの間、全国の「吉野家」と「はなまるうどん」でお得な特典が受けられるというスペシャルなチケット。17年秋に実施された際にも好評を呼びました。
300円(税込)で定期券を購入すると、キャンペーン期間中は吉野家の丼、定食、皿、カレーが1食ごとに80円引きで食べられるほか、はなまるうどんではうどん1杯ごとに好きな天ぷら1品が無料になります。

斬新な新メニューと「無料クーポン」騒動

見た目のインパクト抜群 「白カレー」発売

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牛丼チェーンの吉野家は、1月11日(木)10時より全国の店舗にて、新商品「白カレー」(並350円)を期間限定で発売する。
見た目はクリームシチューを思わせるが、実は本格的でスパイシーなカレーだ。ブラック・ホワイトペッパーなど12種のスパイスを使った、カレー本来の香りと辛さを味わえつつ、見た目にインパクトのあるカレーとなっている。 牛肉、チーズ、半熟玉子などのトッピングと組み合せるとおいしさのバラエティも一層広がる。

スマホ「無料クーポン」配布で大行列

2月2日、全国各地で牛丼の吉野家に大行列ができた。店舗によっては牛丼一杯食べるのに1時間待ちとなったほか、郊外でも駐車場待ちで店舗周辺の道路で渋滞が発生したほどだ。背景にはソフトバンクが自社のスマホユーザーに、吉野家の牛丼並盛が1杯もらえる「無料クーポン」を配布したことにある。
前述の大行列や道路の渋滞は来店客だけでなく、地域住民にも迷惑をかけた一面もあったようだ。これを受けて、吉野家HDは公式Webサイト等で『「SUPER! FRIDAY」に関するお詫びとお願い』をリリース。混雑や渋滞について謝罪するとともに、対策も発表した。

松屋(松屋フーズ)

客数はイマイチでも客単価は上昇傾向

松屋の足元の既存店売上高は、ほぼ100%水準といえます。100%を若干超えたり、割れたりという状況です。その内容を見ると、客数が2017年9月以降2018年2月まで連続して100%を割り続けています。一方、客単価は2018年3月期の2017年4月から連続して100%を超えています。

4月3日に一部商品を値上げ

2017年10月には社長が「値上げの計画はない」と述べていたが…

松屋フーズの瓦葺一利社長も10月末の決算会見で「(当面は)現状維持。現段階では値上げの計画はない」と述べた。

今回の値上げの概要

牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズは、「牛めし」や「プレミアム牛めし」の一部商品を、2018年4月3日14時から値上げする。3月20日に発表した。値上げは、消費税を引き上げた14年以来4年ぶり。
主力の「プレミアム牛めし」は、並盛は380円に据え置き。大盛を520円から530円に、特盛を630円から650円に値上げする。
首都圏以外の店舗などで販売している「牛めし」は、並盛を現行の290円から320円に値上げ。ミニ盛は240円を280円に、大盛を390円から430円、特盛を500円から550円に引き上げる。

プレミアム牛めし並盛は対象外に

今回、価格改訂の対象外となった商品がある。それは「プレミアム牛めし並盛」(380円)だ。大盛や特盛は10~20円値上げする。同商品は首都圏を中心に約580店舗で提供されている。プレミアム牛めしは牛肉をチルドの状態で店舗まで運ぶ必要がある。現時点で首都圏を中心に販売されているのは物流の制限があるためだ。現在、大阪や名古屋の一部店舗でプレミアム牛めしを試験的に販売している。今後も導入店舗は広げる方針だという。
プレミアム牛めし並盛を値上げしなかった理由について、「松屋で一番売れている商品であり、お客さまへの影響を少なくするため」(広報担当者)と説明する。

松屋の最近の取り組み

セルフ店舗を実験的に導入

松屋は最近、セルフ店舗の実験を行っています。どのように商品を購入し、提供されるのでしょうか?

店舗に入ると、まず自動販売機にて食券を購入して着席する。ここまでは従来型店舗と同様の流れ。ここからがセルフ店舗の特徴だ。
一般店舗であればカウンター席に座るとスタッフが水を運び、食券を受け取りに来る。その後キッチンで注文品が作られ、客の座席に運ばれるが、セルフ店舗では、お水やお茶もセルフサービスとなっている。
席で待つこと数分。お渡し口上部にあるディスプレイ(表示板)に自分の番号が表示される。ディスプレイに作り中→受け取りごとに番号が表示され、呼び出しが行われる。そして、窓口にて食券を従業員に渡し、注文した商品が提供されるという流れだ。
食後は下膳コーナーにトレイを持ち運ぶ。お茶などの紙コップは高速道路にあるSAのように専用ボックスに廃棄することで完了する仕組み。廃棄するゴミの軽量化という観点からみると、エコに配慮した取り組みといえる。

セルフ店舗では料理が10円安い

セルフスタイルで客の負担が増す分、通常店舗に比べて料理が10円安く提供されるのも特徴的だ。中には丁寧な接客やフルサービスを求める客層もいるだろうが、安さや早さのニーズも高いだけに、素早く入店できて10円でも安く食べられるセルフ式を選択する客は増えるだろう。

ビールを気軽に飲めるちょい飲みメニュー

プレミアム牛めしなどで人気の「松屋」では、もともとメニューにある生ビールを気軽に飲めると評判に。旨味たっぷりでジューシーなカルビや豚バラの焼肉皿など、肉のおかずと、ちょい飲みサイズの生小で一杯!
■ちょい飲みメニュー:「瓶ビール」(480円)、「プレミアム牛皿(並)」(300円)、「豚バラ焼肉定食(単品)」(350円)、「プラスソーセージ半熟玉子」(110円)、「ポテト」(50円)、「キムチ」(80円)、「お新香」(80円)など

人気メニュー「ごろごろ煮込みチキンカレー」が復活

同商品は2017年に発売し、人気だったメニュー。販売終了後も復活を望む声が高かったことから、このほど新メニューとして発売することになったとのこと。
なにはともあれ、この鶏もも肉のごろごろ感です。まるで鶏もも肉1枚分を使ったかのような壮大な量です。気になるカレーの味は、スパイシーで意外にもやや刺激的。数種類のスパイスが配合された味わい深い松屋オリジナルカレーがベースとなっています。

松屋監修の商品をミニストップで展開

松屋は監修商品をミニストップ店頭で展開。1月には期間限定メニューを再現した「うまトマハンバーグ丼」を販売し、2月20日からは「ごろごろチキンカレー」のほか、人気メニューをアレンジした「うまトマバーガー」「牛めしむすび」といった独自のアイテムの販売もスタートさせた。