特集2017年8月21日更新

「インスタ映え」流行の影では問題も

最近よく聞く『インスタ映え』という言葉。流行のスポットやオシャレなスイーツにつきものの言葉として、一般的に使われるようになりました。ですが、その加熱するインスタ人気のせいでトラブルも相次いでいる模様。『インスタ映え』ってそもそも何?どんなトラブルがあるの?等々をまとめてみました。

目次

「インスタ映え」が大流行

インスタ映えって何?

最近情報番組などでよく耳にする言葉に、「インスタ映え」というものがあります。一応これは「Instagram」に投稿する写真として、見栄えがいいものが撮影できるという意味ですが、最近ではインスタ以外のSNSに投稿する写真にもよく使われるようです。
インスタグラムは画像メインの投稿SNSで、まず画像ありきでテキストコメントをつけるというスタイル。画像勝負なのですから、人目を引くような綺麗でかわいい写真、人の涙腺や唾液腺を直撃するようなインパクトのある写真が好まれるのは当たり前です。でもなぁ。そういうインスタ映えする写真を撮ることを最終的な目的にして出かけたり集まったりとか、場合によってはインスタ映えを保証しますなんてイベント業者を使ってまで写真を撮る人までいるそうで。それ、目的と手段が逆になってない……?

写真を撮る=インスタ?

最近、こんなツイートが話題になりました。『写メ』はもう死語なんです。

この「インスタ」という言葉、『Instagram』にアップすることを指すだけでなく、スマートフォンで写真を撮ること全般に使われている模様。
これに対して「写メ」世代からは、「ほんとなの?」「時の流れを感じる」「違和感がある」といった声が続出していたほか、「『Instagram』の“インスタ”と、写真を撮る“インスタ”で話がごっちゃにならないの?」といった疑問、「普通に写真撮る、と言う」「“写メ”も“インスタ”も分からない」といったジェネレーションギャップを感じさせるユーザーが多数見られました。

他のSNS映えとの違いは?

「インスタ映え」と「ツイッター映え」は一体、どう違うのか。明確な基準があるわけではない。ただ、記者(20代男性)の感覚では、「インスタ映え」の写真はオシャレで洗練されたもの、カルチャー性があるもの、「ツイッター映え」はひねりのきいたものやニュース性のあるもの、という傾向があるように思う。

何かあると大喜利大会になってしまうことでお馴染みのTwitter、さっそくFacebook映えとインスタ映えとTwitter映えを比較した写真を投稿する人が続出しました。一言で言うと、Facebookはいわゆる『意識高い系』、Instagramは『オシャレ』、Twitterは『ネタ』もしくは『炎上』でしょうか。大喜利でもTwitter映えがオチになっていますね。

商品の売り上げにもかかわる『インスタ映え』

『インスタ映え』パッケージで大ヒット

2016年秋に発売され、現在“爆売れ”中の明治「THE Chocolate」(ザ・チョコレート)。100円前後のものが多かった従来の板チョコの約2倍(希望小売価格220円)という価格設定ながら、発売8か月で2000万個を超える売り上げを見せ、一躍大ヒット商品となっている。
品質もさることながら、「THE Chocolate」が注目を集めている要素のひとつとして、パッケージのデザイン性の高さも見逃せない。クラフト用紙風の茶色いケースに、シンプルなロゴとカカオのマークは、コンビニやスーパーチョコレートコーナーでもひときわ目を引く。若い女性のなかには、SNSでパッケージ画像をアップする人も多いという。

「THE Chocolate」に関連するハッシュタグの検索結果は2万5千件以上あり、中にはチョコレートのパッケージのアレンジやオリジナルのグッズを披露する人も。

流行りらしいね🌸🌸 ハッシュタグいっぱい投稿ある💓 #明治ザチョコレート

misakiさん(@color_trip)がシェアした投稿 -

カラフルさは『インスタ映え』の条件の一つ

あまりの人気にバリスタが悲鳴を上げていると話題の、米スターバックスコーヒーの「ユニコーンフラペチーノ」。 インスタ映え する鮮やかなピンクとブルーの飲み物はSNSで爆発的に広まり、提供されていない日本でも発売を希望する声が多く聞こえてくる。

写真メインのSNSだから見た目のインパクト重視

一心堂本舗株式会社から発売されているデザインフェイスパックシリーズは、なんと累計約110万個を売り上げていて、海外の方がお土産として買っていくことも多いんだとか。

まさかの、歌舞伎役者が歌舞伎フェイスパックという投稿までありました。画像アプリで盛らなくてもアナログで盛れるグッズですね。

加熱する『インスタ映え』商戦

『インスタ映え』する!と評判になれば人が集まってくるということで、色々な業界がインスタ向けのプランを作っているようです。

インスタ映えする写真を撮りたい人向けのイベントも

■インスタフォトツアーとは?
インスタグラマーと一緒にインスタにあげる写真を撮るだけに特化したツアー
SNSに強い発信力のあるインスタグラマーがあげている旅先や飲食店などを参考にしていくのが今どきの女子の価値観です。
しかし、旅先がわかってもそのベストな時間やスポットや撮影技術など分からないことが多々あります。
そこでインスタグラマーと女子たちが一緒にリゾート地などで様々なアクティビティを体験し、インスタグラマーの行動や価値観を学ぶためのイベントです。
本ツアーは、Instagramの月間アクティブユーザー数の増加が今後も予想される状況において、約80%の女性が、旅行計画を立てる際にInstagramを参考にするという調査データ(※1)を基にして企画されました。オーストリア政府観光局は、本ツアーを通じ、ツアー参加者がより旅行中の写真撮影とInstagramへの投稿を楽しんでいただくことを目指します。
本ツアーでは、オーストリアの様々な観光地を巡るとともに、3人のインスタグラマーがSNSに映える写真の撮り方をツアー参加者にレクチャーします。

その影でとある「問題」

マナーに問題がある人たちも…

買わずに写真を撮るだけで退店

最近「インスタ映えを狙った一部ヤング女子たちあいだで、レコードを選ぶ写真“だけ”を撮って、買わずにお店から出て行く」のが流行っている……のだそう。
一連のツイートを受けて、インターネット上では、CDやレコードを購入せずに写真だけを撮る行為について賛否の分かれた意見が出ている。ツイッターやネット掲示板には、
「なんのためにやっているのか理解できん・・・」
「レコードやCDの写真を買ってもいないのにインスタにあげて何のメリットがあるの」
「レコード選ぶのがオシャレなのかな。レコードを触ってるのがオシャレなのかな。そんなブームだったら要らないな」
といった反発の声が目立つ。ただ一方で、「広告費用かけずに宣伝してくれてる」「どう考えてもビジネスチャンス」など、店側はこうしたブームを活かすべきと前向きに捉える意見もあった。

買っても写真を撮ってすぐ捨ててしまう

そうです、このように捨てられていくという何とも残酷な光景があるようです。これがインスタグラムの闇・・・。たしかに写真だけ撮って「食べた気」になればいいのかもしれません。しかし最後の「コーン」も食べて欲しい・・・はずです。

写真を撮るのに夢中になって思わぬ事故も

アメリカ・ロサンゼルスの美術館で、女性が自撮りをしようとした際に展示台にぶつかり、展示品が次々とドミノ倒しのように倒れるハプニングが起きた。総額20万ドル(約2200万円)相当の損害が出た。

それは乗り物ではありません

SNS上では、IKEA店内でショッピングカートに乗りながら「はっちゃける」若い女性たちが、写真とともにこんな感想を投稿している。商品のぬいぐるみと一緒に乗っていたり、2人で小さくなって乗りこんでいたり、セルカ(自撮り)棒を駆使しながらカート内におさまってみたりと写り方はさまざまで、各々「SNS映え」するベストショットを模索しているようだ。

ディズニーランドでもマナー違反

ディズニーランドのアトラクション『アラビアンコースト』でも、インスタ映えを求める客が窓穴に入るなどして撮影を行い、Twitterで危険ではないか?との指摘が相次ぎました。現在は対策されており、入ることができなくなっているとか。その他のアトラクションでも危険行為に及ぶ人が後を絶たず、ディズニーランドも対策を講じているようです。

トゥーンタウンでは、フタを開けて音を楽しむ10個前後の木箱の上に座ったり、立ったりして写真撮影をする人がいると訴えがあった。中には、集団で座ってポーズを取る人たちもいるらしい。ここは、17年に入って、フタの上に「NO STEP」と書かれ、乗ることを禁止するマークも描かれたが、それでも乗る人がいるとの情報も流れている。
また、シンデレラ城の周りの塀に登って撮影する人もいるといい、安全対策のためか、4月ごろに塀の上にトゲがあるような装飾物が置かれてしまったという。

マナー違反が多く見られ、『インスタ映え』を揶揄する向きも

「インスタ映えうざい」「気持ち悪い」などの否定的な意見も寄せられているようです。たしかに最近何でもかんでもインスタという風潮が多く聞かれます。

新種の虫、インスタバエ?

インスタ上で「おしゃれ」と話題を集めた店が一気に行列店になることも良くあるケース。また、インスタに投稿する写真を撮影するためだけに長蛇の列に並んで1日を費やす、そんな過ごし方をする若者も少なくない。
こうした若者を揶揄する言葉として生まれたのが、「インスタバエ」という言葉だ。

芸能人の反応

以前、 ナイトプール特集 でも芸能人の反応を取り上げましたが、ナイトプール自体よりもインスタ女子への苦言が多く見られました。下記の爆笑問題のコメントはナイトプール特集でも取り上げたものです。インスタ映えを求める傾向に首を傾げるのは、男性芸能人だけではなく女性芸能人も同じのようで…

爆笑問題

お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんが、2017年8月1日放送のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で、インスタグラムの写真を撮影するためにナイトプールを訪れる人は「バカじゃねえかと思うんだよな」と話した。
相方の田中裕二さんもこれに、「インスタのためだから、全部が」と共感。「インスタ映え」に特段の魅力を感じないおじさん2人の辛辣なトークが繰り広げられた。

熊田曜子

「友人とイタリア料理店へ食事に行き、注文したピザが出てくると『ちょっとまって』と言って、ピザの写真を撮る。時間としては長くないが、できるだけ熱い状態で食べたい」
スタジオでは、ほとんどの出演者がテンションが下がると回答。出演者たちの意見は…
熊田曜子:SNSにこだわる人がたくさんいると、ご飯をみんなが撮るからすごい時間がかかる。そんなに宣伝したいなら、「お店のメニューの写真借りたら?」って思う。自分のなら、どうぞって思うけど、ピザはシェアするものだから良くない。

最近はマナー違反ばかり取り沙汰されるインスタ映えですが、商品の売り上げが上がったり、今まで知られていなかった素敵な場所に注目が集まったり、悪いことばかりではありません。SNSを楽しむのは個人の自由ですし、友人とわいわい写真を撮るのはとても楽しいことです。どうせ撮るなら写真のクオリティを上げたいのは理解できますが、あくまでも私たちが生きているのは現実世界ということを踏まえて、現実の世界のマナーに従って楽しみたいものですね。