特集2017年6月27日更新

「しくじり先生」に学ぶ、失敗しないための教訓

2014年からテレビ朝日系列で放送されているバラエティ番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」。キャスティングと授業の内容の質の高さが、毎回話題を読んでいる人気番組です。その人気の秘密や、過去に神回と呼ばれた回などをまとめました。スケールの大きな有名人の失敗から、普段の生活でしくじらないヒントが学べるかも?

『しくじり先生 俺みたいになるな!!』

どんな番組?

テレビ朝日系列で放送されているバラエティ番組。過去に大きな失敗(=しくじり)を経験した有名人たちが先生に扮し、しくじった経験とそこから学んだ教訓を、生徒たちに向けて授業として語るスタイルで人気を博している番組です。

ディレクターのしくじりから生まれた番組

「僕は入社3年めくらいまで、遅刻や連絡ミスなど、しくじりの連続で怒られてばっかりだったんですよ。それが嫌で、失敗をテーマに企画書を書いてみようと思ったのが、番組が生まれたきっかけです」
 こう言うのは、テレビ朝日の北野貴章ディレクター。失敗談を話す番組だけに、出演オファーは9割が断られる。特に番組開始当初は、しくじりの連続だったという。

2015年には文化基金賞最優秀賞を受賞している

選考理由は「終始笑わせながら、『失敗してもいいんだよ』と挫折体験から教訓を引き出して見る者に勇気を与えるバラエティー番組になっている。生徒役の机に置かれた教科書がうまく作られており、構成作家、演出家の力を評価したい。多くのひな壇番組がある中で、それとは違う方向で新しいバラエティーを作っていこうという制作者の意気込みが感じられる」。

人気の秘密

他にないスタイルの番組から得られる、前向きに生きるヒント

 この番組の方向性が定まったのは、何と言ってもオリエンタルラジオがゲストの、レギュラー放送初回だろう。前後編の2回に分けて放送されたこの企画では、オリラジの2人がデビュー直後の大ブレークから一転して落ちぶれてしまうまでの過程を詳細に語っていた。オリラジの中田敦彦は、スティーブ・ジョブズを彷彿させる熱い語り口で、栄光と挫折の日々をしゃべり尽くした。「なりたくてなる天狗はいない」など、数々の名言も飛び出した。
 芸能人が失敗談を語ったり、挫折した体験をVTRで紹介するような番組はこれまでにも存在していた。ただ、本人が先生役として教壇に立ち、失敗について自らプレゼンしていくというのはこの番組が恐らく初めてだ。
 この番組の面白いところは、芸能界という華やかな世界の裏側で、人知れず悩み苦しんでいる芸能人の本音が覗けるところだ。そして、自分の失敗や苦労を堂々とさらけ出して、それを明るく笑い飛ばそうとする姿を見て、芸能人ではない一般視聴者も、逆境に陥っても前向きに生きるためのヒントを得ることができる。

綿密な打ち合わせで細やかに作られている

「収録前までに、本人との打ち合わせを1回3時間、最低3回はしています。1回めは仲よくなり、2回めは教科書を作っていく。3回めは内容の確認。信頼関係を築きつつ、台本を作り込んでいきます」
金井:これは他のバラエティー番組と比べて、相当時間がかかっています。普段でも、ひとつ授業を作るのに2か月くらいはかかりますね。教科書もあるので、同時並行で打ち合わせしながら作っていきます。
北野:本人が授業をするので、納得してもらっていないと、言わせていることになってしまうので。時間をかけて、言い方なども話し合って作っていきます。やっぱり、先生とスタッフの信頼関係がなければこの番組は成立しませんので。

毎回、ゲストとしくじった過去が話題になる「しくじり先生」ですが、その中でも神回と呼ばれるもの、感動した!と話題になったもの、さすが有名人!と思わせてくれるスケールの大きな失敗などなど、独断と偏見でまとめてみました。

反響の大きかった回

実はあれ、ウソだったんです

Mr.マリック(2015年6月29日放送)

教訓:「初心を忘れないこと」

マリック先生は、'80年代後半に“ハンドパワー”を使う超魔術師として登場し、大ブームを巻き起こした。斬新な超魔術を次々と発表し、特番で驚異的な高視聴率を記録するなど一世を風靡(ふうび)した。
だが、もちろん超能力などあるはずもなく、「きてます! きてます!」と言いながらも、心の中で「何がきているんだろう?」と自問自答していたという。そんなマリックは、自分を大きく見せ過ぎたせいで「ただの手品師です」とカミングアウトできず、世間をだましてしまった過去の自分を振り返る。
そして、世間に超能力者のように思われて3年半が経過した後、苦悩の末に単なる手品師であることをカミングアウト。その後、マリックを待ち受けていたのは、世間からの強烈なバッシングだった。
こうしたMr.マリックの激白に、ネット上の視聴者からは、「知ってたwww」「つかこの頃みんなマネしたりしてたよなwww」「たしかに今考えたら異常だわw」「普通にマジシャンとしての腕がいいんだから逆にまた見てみたいよ」といった声が。自らが大ブレイクしたのは、「ハンドパワーではなくテレビのパワー」だと強調したMr.マリック。やはりテレビの持つ力は、かなりのものであるようだ。

大ブレイクからの手品師としてのカミングアウト、そしてバッシング…一時は精神的に追いつめられたものの、初心に帰って復帰したというエピソードを語ってくれた回でした。

木根尚登(2016年1月11日放送)

教訓:「軽い気持ちで嘘をついたら大変なことになる」

今回木根は、「ギターが弾けないのにギターを弾けるフリしちゃった先生」として「安易に嘘をついて、後で地獄を見ないための授業」を展開。この事実にスタジオ中が大きな衝撃に。木根はなんと30年もの間、ギターが弾けるふりをしており、今回教室に入場した際もギターを弾いて登場したのだが、実はギターの音は出ておらず、ずっとエアギターだった事実を伝えた。
「とにかくしゃべりが達者というだけでもう面白かった」「今回は神回!!!」「木根さん、サイコー」「勉強しないでカンニングのテクニックを極めた感じww」「話面白すぎるだろ!もはやお笑いの芸w」ww」「木根さん面白すぎるww」「ギターテクが、もはやカメラから逃げてるの図www」「木根さんの、しくじり先生というよりすべらない話だなw」「木根尚登さんの人柄こそが最高のロックww」「面白すぎて腹痛いww」「大爆笑しまくった」など大きな話題を呼んでいる。

放映後、Twitterで本人が御礼のメッセージを投稿し、ツイートには1000以上のいいね!がつきました。

うまいギタリストランキングにも名を連ねたことのある大物ミュージシャンがエアギターだったという衝撃のカミングアウトに騒然となった回でしたが、軽妙なトークもあり、「今までで一番笑った」という声も多かった回です。深刻にならなかったのは人徳でしょうか。

高橋名人(2017年5月28日放送)

教訓:「会社からの指示に対して常にうなずかない」

 5月28日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に、ファミリーコンピュータがブームになった1980年代、ゲームの達人としてカリスマ的人気を誇った高橋名人(58)が出演。ゲームが下手だったにもかかわらず、名人を名乗っていたことを反省し、オードリーの若林正恭(38)らを驚かせた。
ある日、社長の指示を受け「高橋名人」としての活動をスタートします。本当はゲームが下手でしたが、実演が必要な部分だけピンポイントで練習するなどの工夫で対応。一大ブームが巻き起こり、当時は過労で体を壊してしまうほどの忙しい日々を送っていたものの、給料には反映されなかったそうです。
 これだけ見るとハドソンがまるでブラック会社だったように思えますが、高橋名人はブログで「『しくじり先生』を見て、会社(ハドソンのこと)を悪く言うのは、絶対にヤメていただきたい」と、同社をフォロー。

ファミコン世代には伝説の名人、高橋名人が、子供たちを騙していたなんて…「木根尚登回を思い出す」「衝撃」という声が多くネットに上がっていました。会社からの指示と世の中のあまりに大きな反響に、名人を演じることをやめられなかった高橋名人。ハドソンがブラック企業なのではという声がネットで上がったことを受けて、ブログでフォローしたのも素敵です。

さすが有名人?スケールの大きなしくじり

辺見マリ(2015年9月14日放送)

教訓:「神様の言葉より家族の言葉を信じること」

 辺見マリ(64才)が9月14日の放送『しくじり先生』(テレビ朝日系)で、13年にも及ぶ洗脳による詐欺を告白した。詐欺によって奪われたのは、5億円。いまだ1円もかえってきていないという。
 出会って1年が過ぎた頃、Kは「神様が仕事をやめるよう言っている」と告げて、辺見を芸能界から引退させた。辺見は番組内で、「これは洗脳の非常に大事なポイント」と強調し、こう続けている。
「仕事をやめさせることで社会から断絶し、完全に自分たちで囲い込む。こうして私は100%洗脳されました」
 洗脳が完成した辺見はそれからたった半年で1000万円をだまし取られた。その後、Kは突然姿を消す。だが、辺見はもはや「神の言葉」抜きには生活ができなくなっていた。私はこれから何にすがればいいのか…絶望する辺見の前に、新たな拝み屋が現れる。一緒に修行していたAだ。
ネット上では、
「知っておくだけで予防になるよね。若年層は見ておいて損はない。学校では教われない。しくじり先生の製作陣の勇気。よく踏み切った。」 「辺見マリが洗脳されてた過去を話してるけどむちゃくちゃ勉強になる…インチキ医療とかにひっかかるのとすごく共通してる気がする…」
 などと、辺見マリの告白が勉強になったとの声があがっている。

洗脳されていた、という驚きの事実が話題になったこの回。洗脳されやすい人間の特徴や、洗脳の具体的な手口が明かされたのも衝撃的でした。

新庄剛志(2017年2月28日放送)

教訓:「失くしたものは戻らない、気持ちを切り替えまた稼ごう」

 新庄は「リストバンドつけてくださいって言われて、いっぱい送られてくる。スポンサー料4000万円。アンダーシャツ2000万円。スパイクはウン千万円。スゴくない?」と詳細まで語り、CMやテレビ出演などを含め「1年で7~8億」稼いでいたと告白。さらには「野球なんてマジ、バイト」と名言まで残すあたり「さすが新庄!」と言わずにはいられない。
 新庄は「(A氏を)問い詰めたら、会社の資金に使っていました。“エーッ!!”じゃない?」と笑いながらスタジオに同意を求めるなど、底抜けの明るさを発揮。そんな新庄の様子に、スタジオは笑いながらも感嘆していた。その後、「返してほしいと言っても拒否」された新庄はA氏相手に裁判を起こしたものの、2012年にA氏が自己破産したため、結局8000万円しか返ってこなかったと明かした。
 新庄はこの結果について「ヤバいね!」と明るく言った後、「他人に任せた僕が一番悪いし、責任は僕にものすごくあると思うんですよ」とキッパリ。視聴者への教訓として「貯金や資産は定期的にチェックしよう」と伝えた。
「つらいけど、今は“また稼ごう!”と思える。これからは毎日楽しく生きるだけ」と語る彼の笑顔は、幸せが満ちあふれていた。

野球よりもスポンサー料で稼いでいたという新庄。その高額なギャラに「野球なんてマジ、バイト」という名言(迷言)が飛び出した回でした。44億円という桁の違う被害額にもかかわらず、明るく「責任は自分にある」と言い切る潔さに好感を持った人も多かったようです。

アンミカ(2017年5月7日放送)

教訓:「少しでも怪しいと感じたら考え直す」

 今回の放送で、アンミカが“34歳から36歳の結婚適齢期の2年間、交際していた元カレが国際スパイだった”と明かすと、生徒役の橋本マナミ(32)は「そんなことあるの!?」と仰天。これにアンミカは「つきあっているときはスパイと気づかず、別れた後に素性を知った」と語り、さらに、もっと大きいしくじりとして“元カレに1000万円をだまし取られた”、“暗殺されかけた”と告白し、生徒たちは驚きのあまり絶叫していた。
そのだましのやり口は結婚詐欺と酷似していて、「1.やたらと運命を感じさせてくる、2.家族に会わせてくれる、3.彼女側の女友達に会いたがらない、4.仕事内容が謎過ぎる、5.眠りが浅い」など5つの特徴があったという。
さらにアンミカは、“彼がスパイかもしれない特徴”として「逃げやすい部屋に泊まる、よく考えたら本当の名前を知らない、本当の出張先を教えない、わき腹を刺されて帰ってくる、背後に立たれることをやけに嫌がる」などを挙げ、怪しさ満点であるにも関わらず、彼に1000万円もの大金をだまし盗られてしまったと告白。

元カレが国際スパイだったという、これもなかなか体験できないような過去を持つアンミカ。「脇腹を刺されて帰ってくる彼」とつき合う機会はなかなかない気がしますが、スパイの騙しのテクニックは結婚詐欺と似ている、というのは一般人にも参考になる情報かもしれませんね。

感動した!泣けた!の声が上がったしくじり

荻原次晴(2017年6月11日放送)

教訓:「比べられるのは期待されているから」

兄・健司さんは世界に挑戦しようと奮起し、大学4年生でアルベールビル五輪に出場し、見事金メダルを獲得。対して次晴氏は「世界はレベルが高すぎる」とスキーを諦め、金メダリストとなった兄の影で単位が足りず大学留年。
国民的スターとなった健司さんだったが、世間に双子であることが認知されていなかったため、次晴氏が兄と間違えられてしまい、「違う」と言うと「偽者か」と言われるなど、自分の存在を否定され続ける地獄の日々が始まってしまった。
自分がどうして長野オリンピックに出られたのか、それは一生懸命頑張ってきた健司の存在があったからだと気が付いたという。
「大事なおふくろに『なんで双子に産んだ』なんて言ってしまって……こんな愚かな俺ですみません、僕はバカでした……長野オリンピックの後に、健司に謝り……おくふろに謝りました」と涙を流した。
「『比べられる=期待されている』比べられている事を喜びに感じて本気を出してみよう!」と締めて、授業を終えた。

有名過ぎる兄と双子だったせいで、世間から自分の存在意義を認めてもらえず苦しんだ過去から立ち直ったことを告白。母親にひどい言葉を投げてしまった、と涙ながらに語る姿に「しくじり先生史上一番泣けた」との意見も多い回でした。

宮川一朗太(2017年5月23日放送)

教訓:「子供の道標になろう」

 宮川は2005年に離婚。原因は宮川が競馬にハマりすぎたためで、あきれた妻は当時14歳と12歳の娘を置いて家を出て行ったという。その後のシングルファーザーとしての奮闘と苦悩が語られたのだ。
 大変だったのは、離婚してから約8年間、娘からの願いで「離婚を公表できなかったこと」。仕事関係をはじめ、近所や娘の学校にも秘密にしていたそうだ。それゆえ家政婦を雇うこともできず、娘に負担をかけないという約束を守るため、芸能の仕事をしながら家事の一切を宮川が引き受けたという。にもかかわらず、当時中学生だった娘からは「お父さんのアンダーウェアと一緒に洗わないで」と言われたりと、思春期の娘を持つ父親の難しさを吐露した。
 ネット上にも「娘さんから彼氏を紹介されたくだりに感激」「宮川先生良かった」「好感度爆発」など感動の声があふれている。
 番組最後には、娘が結婚したことを明かし「全国のシングルファーザー、シングルマザーの皆さん。苦労は幸せの倍返しだ」と締めくくった宮川に、同じ境遇の人たちは心から癒されたようだ。

離婚を公表できないまま、シングルファーザーとして思春期の娘と向き合った苦労を赤裸々に語り、「妻のすごさがわかった」等の言葉は視聴者の共感を呼びました。最後に娘が結婚したことを明かし「(子育ての)苦労は幸せの倍返し」という発言に、感動したという声がネットに溢れました。

大事MANブラザーズ・立川俊之(2015年1月29日放送)

教訓:「自分にとって大事なことを考える」

「サイテー過ぎてカッコいい」とまで言われた放映回でしたが、その後アンサーソングを発表し、その歌詞に感動の声が集まりました。

 「それが大事」以降、鳴かず飛ばずで一発屋になったという立川は、番組冒頭で「この曲を24年間歌い続けたら、なにが大事かわからなくなった」と、いきなり衝撃の告白。その後も「バンド名は居酒屋で『なんか語呂がいいよね』という理由で決めたから、事務所に由来を捏造しろと言われた」「中学生でも理解できる曲が売れる」「最近は歌で伝えたいことがないからカバーソングを中心に活動している」「『負けないこと』『投げ出さないこと』『逃げ出さないこと』『信じ抜くこと』はどれも大事じゃない」など、ある種ふっ切れてしまったとしか思えない発言を繰り返し、オードリーの若林などレギュラー陣も、「今日で終わっていいと思ってるんですか!?」「サイテーすぎてカッコいい」と驚愕しながらも絶賛。まさに神回と言える内容となった。

『それが大事』の歌詞にちなんで、「負けないこと」「投げ出さないこと」「逃げ出さないこと」「信じぬくこと」どれが一番大事?というクイズを出しておきながら、その答えが「どれも大事じゃない」には衝撃を受けました…

その後、『それが大事』へのアンサーソング『神様は手を抜かない』を発表。真逆の歌詞が「心に刺さる」「わかる」とネットで話題になりました。

「それが大事」では、「負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと ダメになりそうなとき それが一番大事」と歌った。
それに対するアンサーとして「負けてもいい投げ出してもいい 信じ抜けないこともあるだろう 泣いてもいい逃げ出してもいい」と真逆の歌詞となっている。
「時を越えて本当に大事なことがわかった気がする」「負けても逃げてもその先の努力で勝ちがころがりこんできたりする」「それが大事の大人バージョンですね」「歌詞が結構感動した」「懐かしいけど、あらためて心に刺さるよ」「昔、励まされた曲だけど、今はこのアンサー曲のほうがわかる」など、ネット上では早くも大きな反響となっている。

今も神回として語られる、根強い人気のしくじり

オリエンタルラジオ(2014年10月2日放送)

教訓:「しくじっても夢を見続けろ」「負けてからビッグマウスになる勇気」

「ハッキリ言いましょう、天狗になったんです。ふたりとも!」
 当時から「これはもう『現象』」「僕らがこうだからとか、ここでこうしたいからという理由では説明がつかない」(『Quick Japan』Vol.77/太田出版)などと自分たちの置かれた状況を客観視していた中田であれば、“天狗”になってしまう罠を回避できたのではないか、と思える。しかし「なりたくてなる天狗はいない」「天狗には自覚症状がない」と中田は言う。
 そして、“天狗”を定義し直す。「天狗とは、特別扱いを当然だと思っている状況」だと。つまり、自分が“特別扱い”されていることが当たり前になってしまうから、“特別扱い”されていることにすら気づかない状態なのだ。
 最後に中田は「一度しくじった人は『とりあえず、食って行きたい』『かつてライバルだったあいつを今度は応援したい』などと“下方修正された夢”を語り、『今がありのままの自分だ』と、“小さなプライド”を守ってしまいがち」だと言う。「俺は夢に破れたわけじゃないんだ。しくじったわけじゃないんだ。いま少し自分が見えてきたんだ」と。だけど、そうじゃない。しくじってから本当の挑戦は始まるのだ。

番組がレギュラー化して初の講師がオリエンタルラジオの二人。ネットでも非常に話題になり、伝説とも言われたこの回が一番印象に残っている人も多いようです。この時のプレゼンセンスを買われ、オリエンタルラジオは再ブレイク、中田敦彦はしくじり先生の非常勤講師を務めるまでになりました。

杉村太蔵(2015年1月8日放送)

教訓(?):「うるせぇ」

 8日深夜放送のバラエティー番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に出演した、元衆議院議員でタレントの杉村太蔵氏(35才)。「失言で失敗してしまったしくじり先生」として”俺みたいになるな!!”と教える立場だったが、番組でもしくじり発言を連発。出演者から「そういうの言っていいの?」「現在進行形でしくじってません?」との声があがる始末だった。しかし、あけすけな発言と、面白すぎるエピソード、並外れたプレゼン力に、ツイッター上には「神回だ」「伝説レベルで面白い!」「クソすぎてうける」などの声が殺到。
 番組では、「(結婚後)一度も女性スキャンダルがない」と豪語しながら「表に出なければやっていないということ」と冗談交じりに言っていた。当サイト記者が「番組を見た奥さんから何か言われませんでしたか?」と聞くと、「妻は寝ていたのでノープロブレム!」と語る太蔵センセーは、やっぱり“魅力あるクズ”だった!?

授業内で失言を連発し、ピー音が鳴る始末。「俺みたいになるな」と教えると言うより、身をもって反面教師になってしまった様子が笑いを生みました。「現在進行形でしくじっている」「魅力あるクズ」等、生徒たちからの名言が数多く出たのもこの回の特徴だったように思います。この方も「しくじり先生」以降、仕事が増えたタレントの一人なのではないでしょうか。

「しくじり先生」に出て欲しい有名人

2016年のランキング

1位・・・ベッキー(101人)
2位・・・ショーンK(46人)
3位・・・矢口真里(41人)
4位・・・窪塚洋介(39人)
5位・・・小林幸子(36人)

2016年のランキング1位は、やはりベッキー。未だに「出てほしい」と言う声をちらほら目にします。近年、芸能人の不祥事が起きるたび、必ず「しくじり先生に出てほしい」という声が上がりますが、この番組の知名度と人気がどれほど高いかを表していますね。

「かつて夫が逮捕された際には、加護さんに対して『かわいそう』と同情的な声が多かったのですが、今回の事件が明るみになると『結局別れずにこのままグダグダが続くのでは』『いい加減にしっかりしないと』という声も聞こえてきます。また、今後の芸能活動については『その経験を活かして"しくじり先生"に出てほしい』と昨今何かと話題を集める人気バラエティ『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)への出演を期待する声がある一方で、『ひっそりと暮らして自分なりの幸せを見つけた方がいい』との意見も多い。

当然、最近話題になったあの人も、早くも出演してほしい芸能人として急上昇?


皆さんの印象に残っている回はありましたか?毎回色々な衝撃と教訓を与えてくれるこの番組、ネタ切れも心配されているようですが、まだまだ出て欲しい有名人も多いので、出来る限り続けてほしいですね。