“二刀流”メジャーの常識も壊した大谷翔平の活躍

2019年6月25日更新 / 2018年9月4日公開

投手と打者の“二刀流”で日本プロ野球界を席巻し、今年から海を渡って米メジャーリーグでも活躍してみせた大谷翔平。右肘の故障でシーズン途中から打者に専念しましたが、本塁打を量産して現地のファンやメディアを興奮させました。そんな大谷の情報を伝える記事の中から興味深い最新ニュースをピックアップして紹介するとともに、メジャーデビューからこれまでの躍動っぷりもまとめました(随時更新)。

※試合の日時は現地時間を記載しています。

最新ニュース

投手としての活躍

4月にいきなりのメジャー初登板・初勝利

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初先発は4月1日 完璧な立ち上がり

エンゼルスの大谷翔平が現地時間1日(日本時間2日)のアスレチックス戦で、6回3失点に抑え、日本人メジャーリーガーでは11人目となる初登板・初勝利を達成した。

インタビュアーに「ここまで来たんだな」という感慨はあったか問われると…

「ここまで来たというよりは、始まったという気持ちの方が強い。次回に向けてしっかりと取り組みたいと思います」

4月8日には7回1安打無失点で2勝目

大谷翔平投手は現地時間8日(日本時間9日)、本拠地でのアスレチックス戦に先発登板。7回一死まで無四球・無安打の完全投球を見せるなど、7回を1安打、12奪三振、無失点に封じる好投で今季2勝目を挙げた。

5月20日 最長7回2/3を2失点9Kで4勝目

大谷翔平投手は現地時間20日(日本時間21日)、本拠地で行われたツインズ戦に先発登板。8回途中まで投げて2失点9奪三振の好投を見せ、4勝目を挙げた。

6月に右肘の内側側副じん帯の損傷で故障者リスト(DL)入り

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投手としては前半戦の復帰が絶望的に

大谷翔平投手が右肘の内側側副靱帯の損傷のため、自身初となる10日間の故障者リスト(DL)に入った。ただ、投手としての前半戦の復帰は絶望的となっている。8日にはロサンゼルスで自分の血小板を使って組織の回復を図る「PRP注射」という治療を受けた。
球界関係者は「メジャーのボールに適応しきれなかったのでしょう。向こうのボールは滑りやすく、日本よりもヒジに負担がかかります。3週間後の診断によっては、ピッチングまでに1年以上の時間を要する靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受ける可能性があるので、その場合しばらくは大谷選手のプレーが見られなくなります」と語る。

7月に打者として復帰 投手としても順調な回復を見せる

7月3日の敵地マリナーズ戦で打者で先行復帰した。
その後は打者出場しながらリハビリを進め今月27日には故障後、3度目となる実戦形式の登板で50球を投げ、「もういけますよ」と語るなど順調な回復ぶりを見せていた。

9月の投手復帰を告げるMLB公式インスタに喜びのコメント殺到

Sunday night is Shotime! Ohtani will return to the mound vs. Astros. 🤗

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MLB公式インスタグラムが「日曜の夜はショウタイム!大谷がアストロズ戦でマウンドに帰ってくる」と投手・大谷の写真を更新すると、12万以上の「いいね!」がつき、復帰を待ちきれないファンから喜びのコメントが殺到した。

10月3日現在、Instagramの「いいね!」は15万を超えています。大谷選手の活躍を待っていたファンの喜びがうかがえますね。

9月に投手として復帰も新たな損傷で手術へ

9月2日 88日ぶりの復帰登板

2日(日本時間3日)の敵地アストロズ戦で88日ぶりにメジャーマウンドに復帰したエンゼルス大谷翔平投手。2回まで無失点に抑えてものの、3回無死一塁からスプリンガーに左翼へ20号先制2ランを被弾。続くアルトゥーベを打ち取ったところで49球で降板した。

試合後の大谷のコメント

「決まった球数の中で、結局2点取られて、3回途中で下りてしまったので、自分としては仕事はあまりできなかったかなと思います」
9月に投手復帰することに対し、周囲から反対の意見も聞かれたが、大谷自身は「喜びはもちろんあります」と笑顔を浮かべる。「投げれるなら投げたいですし、そこはずっと変わらない」と投手への思いを語ると同時に、「今日の結果をしっかり受け止めて、また次回につなげられればいいのかなと思います」と次回登板へ思いを馳せた。

黒星での復帰でしたが、後述するようにこの試合で「99年ぶり」にベーブ・ルースに並ぶ記録を残した大谷。しかしその直後、再び右肘に損傷が見つかりました。

右肘の新たな損傷で手術を決断

エンゼルス大谷翔平投手は5日(日本時間6日)、MRI(磁気共鳴画像装置)検査を受けた結果、右肘内側側副靱帯に新たな損傷が見つかり、靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を勧められたと球団が発表した。
2018年9月25日(日本時間26日)、大谷翔平投手が、右肘靭帯の再建手術(通称・トミー・ジョン手術)を受けると発表した。10月の第1週にロサンゼルス市内の病院で手術が行われる予定で、来季のマウンド復帰は絶望的となった。

手術決断後の大谷のコメント

―強くなって帰ってこれるという気持ちがあるか。
「かなり高い確率で、それ(今)以上の状態にはなれるとは言われている。そこをイメージしながら、いきたいなと思っています。思ったように投げられるのを想像しながらいきたいなと思っています」
―野球ファンへ向けて。
「投げるのは少し先になりますけど、僕が頑張ればまた打席に立てると思うので、そこで良い姿を見せられるように頑張りたい」

10月1日 手術は成功 来年は打者に専念へ

米大リーグ、エンゼルスは1日、大谷翔平選手(24)がロサンゼルス市内で右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、手術は成功したと発表した。投手復帰まで通常は1年以上を要するため来季は打者に専念し、投打の「二刀流」が復活するのは2020年シーズン以降になる。

打者としての活躍

3月29日の開幕戦は初打席で初安打!

“打者・大谷”がメジャーデビュー

大谷翔平選手が29日(日本時間30日)、敵地でのアスレチックスとの開幕戦に「8番・指名打者(DH)」で先発出場。まずは“打者・大谷”としてメジャーデビューを果たし、注目の第1打席で右前打を放った。
場内に「ショウヘイ・オオタニ」の名がコールされると、敵地ファンからはブーイング入りの歓声が送られた。大谷はグレーブマンの初球を強振。鋭い当たりは相手一塁手の脇を抜け、記念すべきメジャー初安打を記録した。

本拠地デビュー戦でメジャー初ホームラン

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チームメイトのいたずらに対しては…

4月3日、本拠地デビュー戦の第一打席で1号3ランを放った大谷が意気揚々とベンチに帰ると…

慎ましい性格の彼らしく、遠慮がちに両手でガッツポーズをしてみても、ベンチのみんながガン無視。「あれれ?」という困った表情を浮かべる大谷が、なんともかわいくてたまらない。その後、戸惑いながらも自分から同僚選手の背中に飛びついた大谷の愛くるしい姿に全米がコロリ。ネットには「歴代で最もキュートなリアクションだ」「みんなに愛される存在」といった“萌えキュン”の賛辞があふれた。

メジャー流の儀式「サイレント・トリートメント(無視)」に笑顔で応じる大谷の姿が日本のメディアでも大きく取り上げられました。

初本塁打から衝撃の3試合連続弾

エンゼルスの大谷翔平選手が現地時間6日(日本時間7日)、本拠地で行われたアスレチックス戦に「8番・指名打者」で先発出場。2回の第1打席に、3戦連発となるソロ本塁打を放った。
大谷は3日(同4日)のインディアンス戦でメジャー初本塁打をマーク。翌日にはサイ・ヤング賞右腕・クルーバーから値千金の同点2ランを放っており、これで3試合連続の本塁打となった。

日本人では松井秀喜(ヤンキース)以来となる3戦連続本塁打となったそうです。

7月25日 特大9号本塁打を放つ

136メートル弾でチーム連敗ストップに貢献

エンゼルスの大谷翔平選手が25日(日本時間26日)、本拠地でのホワイトソックス戦に「2番・指名打者」で先発出場。5回に特大の9号2ランを放ち、チームの連敗ストップに貢献した。
初球の内角球を力強く降り抜いた打球は、右中間席中段に飛び込む136メートル弾。大谷の本塁打は2日前の同カード以来、今季9本目となった。

8月3日 メジャー移籍後初の2打席連続ホームラン

記録づくしの10号2ランと11号ソロ

大谷翔平選手が現地時間3日(日本時間4日)、敵地でのインディアンス戦に「3番・指名打者」で先発出場。メジャー移籍後初となる2打席連続本塁打をマークした。
初回、一死一塁の場面で、インディアンスの先発右腕・クレビンジャーと対戦。2球目の内角直球を叩くと、打球は左翼席最前列へ飛び込む10号2ランとなった。1年目で2ケタ本塁打に到達した日本人選手は、12年のブリュワーズ・青木(10本)以来7人目。大谷にとっては移籍後初の敵地弾でもあった。

他にもこの日は「記録づくし」の日となったそうで、1921年のベーブ・ルース以来初めての2桁本塁打、2勝以上を記録した選手になったと伝える記事がありました。さらに、「2桁本塁打&50奪三振」はメジャー史上初、「4安打&2発&1盗塁」は指名打者としてはメジャー史上5番目という記録を打ち立てたそうです。

1試合で「4安打&2発&1盗塁」はDH史上5人目の快挙

大谷翔平投手が3日(日本時間4日)の敵地インディアンス戦で”記録づくし”の圧巻の活躍を見せた。初の「3番・DH」で2打席連続本塁打を含む5打数4安打3打点3得点1盗塁。
米メディアによると、「1シーズン10本塁打&40イニング以上登板」はベーブ・ルース以来99年ぶりの記録。また、米データ会社は「2桁本塁打&50奪三振」はメジャー史上初の快挙と伝えている。さらに、「4安打&2発&1盗塁」は今季メジャー初、指名打者としてはメジャー史上5番目の偉業になったという。

8月5日にはメジャーでは初の死球にヒヤリ

2点差となって迎えた7回は1死一、二塁で打席へ。しかし、メジャー屈指の救援左腕ミラーの94マイル(約151キロ)直球が右膝に直撃する死球。打席の大谷は思わず声をあげた。

8月18日 豪快アッパースイングで13号

飛距離125メートル、打球速度172キロのビッグアーチ

代打出場して放った13号3ランは、飛距離が410フィート(約125メートル)、打球速度107マイル(約172キロ)というビッグアーチでした。
地元テレビ局「FOXスポーツ・ウエスト」では興奮して大谷のスイングをこのように評したそうです。

「この当たりはまっすぐセンターへ!フェンス際まで下がって…入った!オオタニサンのピンチヒット・ビッグフライ!」(実況)
「なんてスイングだ、なんてパワーだ。高めへの直球を捉えて、角度をつけました。ストライドはまったくしていません、パワーの全てをボールに伝えました」(解説)
解説者は重心をしっかりと残した大谷の打撃フォームを絶賛していた。

9月7日 19号で日本人1年目の本塁打単独トップに

2度目の3戦連発

エンゼルスの大谷翔平投手(24)が7日(日本時間8日)、敵地シカゴでのホワイトソックス戦に「5番・DH」で先発出場し、3回の第2打席で今季2度目の3戦連発となる19号3ランを放った。メジャー1年目の日本人選手の19本塁打は、06年の城島健司(マリナーズ)の18本を抜いて単独最多となった。

ちなみに、9月8日時点での大谷の本塁打率は「13.21」(251打数19本塁打)。これは松井や城島の成績と比べても「大きく凌駕している」とのことです。

ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏は1年目の2003年が623打数16本塁打で38.93、キャリア最多の31本塁打(584打数)を放った2004年は18.83、また本塁打率がキャリア最高だった2009年は16.28(456打数28本塁打)だった。城島氏はマリナーズ時代の1年目がキャリア最高で28.11(506打数18本塁打)。大谷は両者を大きく凌駕している。
現時点で275打席以上に立っている選手の本塁打率をランキングにしてみると、チームメートのスター選手、マイク・トラウトの13.19(409打席31本塁打)に次いで7位につけている。

9月24日 21号ソロは自己最速182キロ弾

「彼がメジャーで打った最も強烈なホームラン」

エンゼルス大谷翔平投手は24日(日本時間25日)、「3番・DH」でスタメン出場した本拠地レンジャーズ戦で、初回に豪快な21号先制ソロを放った。
MLB公式サイトでデータ解析システム「スタッツキャスト」を担当するデビッド・アドラー記者は、自身のツイッターを即更新。大谷の圧巻21号の打球速度は時速112.9マイル(181.7キロ)だったと伝え、「これは彼がメジャーで打った最も強烈なホームラン。しかも、まったくすごい一撃だった」と絶賛した。

9月26日 22号で日本人シーズン本塁打単独5位に

決勝弾でチームを3連勝へ導く

エンゼルスの大谷翔平選手が26日(日本時間27日)、本拠地でのレンジャーズ戦に「4番・指名打者」で先発出場。4回の同点打に続き8回には決勝弾を放つ活躍を見せ、チームを3連勝へ導いた。
大谷にとってはこれが22号弾。自らが持つ日本人メジャー1年目の本塁打記録を更新した。
大谷は日本ハム時代の2016年にマークした自己最多タイの22号。さらに2010年の松井秀喜氏のシーズン21本を抜き日本人メジャーのシーズン本塁打で歴代単独5位に浮上した。
日本人メジャーのシーズン本塁打トップ5
2004年 31本 松井秀喜
2009年 28本 松井秀喜
2007年 25本 松井秀喜
2005年 23本 松井秀喜
2018年 22本 大谷翔平

これが大谷にとって今季最後のホームランになりました。

“二刀流”としての活躍

記録づくしのシーズン

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4月1週目の投打の成績が「マンガか?」と話題に

投手としてメジャーデビューを果たした4月の1週間の成績が凄まじいことから、「マンガを超えた」「マンガならボツ」などのコメントが多数寄せられたそうです。

【大谷翔平の1週間】
※日付は現地時間
▼ 4月1日 vs.アスレチックス(投)
6回・92球・3安打・1四球・6奪三振・3失点(勝)
▼ 4月3日 vs.インディアンス(野)
4打数3安打・1本塁打・3打点・1三振
▼ 4月4日 vs.インディアンス(野)
5打数2安打・1本塁打・2打点・1三振
▼ 4月6日 vs.アスレチックス(野)
4打数1安打・1本塁打・2打点・1四球・1三振
▼ 4月8日 vs.アスレチックス(投)
7回・91球・1安打・1四球・12奪三振・無失点(勝)

出場3試合連続本塁打・2桁奪三振は史上3人目

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ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)によると、同一シーズンで出場3試合連続本塁打と2桁奪三振を記録したのは、ケン・ブレッド(1973年)とベーブ・ルース(1921年)以来、大谷選手が史上3人目だという。

「ベーブ・ルース2世」の大谷 またも「ルース以来」の記録

MLB公式サイトも「大谷、実戦形式登板の後に15号HR 天才二刀流、今季中の投手復帰に自信」と報じるなど、鮮烈なインパクトを残した大谷。1シーズンで15本塁打以上放った選手が、同じく15奪三振以上をマークするのは、1919年のベーブ・ルース(29本塁打、30奪三振)以来、99年ぶり2人目の快挙という。

この日の記録は15本塁打・15奪三振だけにとどまりませんでした。

今季の投球回数は51回2/3に達しており、同一シーズンで50イニングと15本塁打以上を記録したのも1919年のルース(133回1/3、29本塁打)以来、99年ぶり2人目のレアケースとなった。

「ベーブ・ルース2世」と言われているとおり、「ルース以来」「99年ぶり」という記録をどんどん樹立している大谷。今後もどんな「ベーブ」破りの記録を見せてくれるか楽しみですね。

「10登板・20本・8盗塁」はメジャー史上初

エンゼルスの大谷翔平投手は15日(日本時間16日)、本拠地マリナーズ戦に「4番・DH」で11試合連続スタメン出場し、第1打席20号ソロを放った。MLBでのシーズン20本塁打は、松井秀喜氏に続いて日本人2人目。さらに投手としてシーズン10試合登板、20本塁打、8盗塁以上(大谷は9盗塁)はMLB史上初の快挙となった。

米スポーツ専門メディアのファビアン・アルダヤ記者はこの記録をツイート、さらに「ベーブ・ルース以来、史上2人目の快挙」についても言及しています。

シーズンで20本塁打以上、10登板以上、3勝以上を記録した選手では1919年のベーブ・ルース(29本塁打、9勝)以来、メジャー史上2人目の快挙だったこともレポートしている。

ア・リーグ週間MVPに2度選出

エンゼルス大谷翔平投手が10日(日本時間11日)、9月3日から9日までのア・リーグ週間MVPに選ばれた。大谷は4月2日から8日までの同賞も獲得しており、自身2度目の快挙となった。
DHとして5試合に出場し、19打数9安打で打率.474をマーク。4日(同5日)の敵地レンジャーズ戦から3試合連続ホームラン(合計4本)を放ち、日本人メジャー選手の1年目としては最多の19本塁打を記録した。10打点、長打率1.263はリーグ週間トップで、8得点は同1位タイ。4本塁打、6長打は同2位タイだった。

このうち、4月の週間MVPは「メジャーのデビューウィークに投打の活躍が認められ“二刀流”として」の受賞でした。

ア・リーグ月間最優秀新人賞を2度受賞

さらに同じく4月と9月に、ア・リーグ月間最優秀新人賞を受賞しています。日本人がこの賞を1シーズンに複数回受賞するのはイチロー以来とのことです。

米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手(24)が1日、ア・リーグで9月の月間最優秀新人に選ばれた。4月(3月を含む)に続いて2度目で、日本選手が同賞を複数回受賞するのは2001年のイチロー外野手(マリナーズ)以来。打率3割1分、7本塁打、18打点と主に打者として活躍した。

新人王の本命は「ショウヘイ・オオタニ」

米メディアが2018年のMLBを“オオタニ元年”と位置づけ

投打ともにメジャーを揺るがせている大谷選手に、「新人王の本命」との声も上がっているようです。

ここまで投手としては4勝2敗で防御率3.31、指名打者としては打率.291、19本塁打、53打点。新たな靭帯損傷が発覚してからも圧巻の活躍を見せているが、米メディアでは今シーズンの賞レースの行方を特集。大谷をア・リーグ新人王候補に選び、「今季はオオタニがデビューしたシーズンと記憶されるべき」と、2018年のMLBを“オオタニ元年”と位置付けている。

二刀流こそ新人王にふさわしい?

新人王は大谷か、もう一人の新人王候補、ヤンキースのアンドゥハーか。この問いに、地元テレビ局で解説を務める球団OBのマーク・グビザ氏はベーブ・ルースを引き合いに出して、大谷の新人王を猛プッシュしたそうです。

「投球面、打撃面の成績」と、ベーブ・ルース以来100年ぶりとなる本格的な投打の二刀流での活躍を掲げた。「アンドゥハーは驚異的だ」とその活躍を認めつつ、大谷は「20本塁打、二塁打20本、10先発で4勝を記録している」と指摘。24歳二刀流こそ新人王にふさわしいと話した。
大谷が新人王獲得となれば、2001年のイチロー(マリナーズ)以来の快挙となる。

MLB公式データ解析システム「スタットキャスト」担当のデビッド・アドラー記者も、やはりアンドゥハーと比較しながら、自身のツイッターで大谷の新人王を“激推し”しているとか。

「オオタニは球界で100年成し遂げられなかったことをやってのけた。アンドゥハーはたくさんの二塁打を放った」
「ヤンキースロースターの層が厚いからと言って、ミゲル・アンドゥハーがショウヘイ・オオタニよりも優れたルーキーというわけではない。アンドゥハーは非常に素晴らしい打撃成績を残した。しかしオオタニは非常に素晴らしい打撃+投球を見せた。だからオオタニの方が優れたルーキーなのだ」

新人王争い 大谷のオッズは「2.0倍」で大本命か

「ブリーチャー・リポート」は各部門の受賞者予想を、オッズと共に展開してる。ア・リーグの新人王候補にリストアップしているのは、大谷とヤンキースのミゲル・アンドゥハー内野手、グレイバー・トーレス内野手の3人。それぞれにオッズをつけている。
・大谷「2.0倍」
・アンドゥハー「3.0倍」
・トーレス「11倍」
 大谷を本命視、アンドゥハーが対抗。3つ巴とされていたが、実質は2人の一騎打ちとみている。

メジャーでのルーキーイヤーを終えて

大谷「本当に毎日楽しかった」

9月30日に今シーズンの最終戦を終えた大谷は、試合後のインタビューで次のように話しています。

大谷は、今シーズン終えて「長かったですけど無事終われてよかったです。本当に毎日楽しかったですし、このチームでやれてすごく幸せだったと思う」と話した。今後の手術、リハビリについては「来年に向けてしっかりとレベルアップできるように大切なオフだと思うのでしっかり練習して成長できるように頑張りたい」と前向きに話した。

そんな大谷に、チームの首脳陣やチームメート、メディアから賞賛の声が続々と寄せられています。

ビリー・エプラーGM(エンゼルス)

「彼は勝者の心構えを持っている」と指摘。そして、「彼は自分がしたいことが分かっている。そして計画がある。非常に感激した。彼はマウンド上、そして打席で試合を支配することができる。塁上でもね。眼福だよ。彼のプレーを見ていて楽しかった」と絶賛したという。

マイク・ソーシア監督(エンゼルス)

「注目を一身に浴びながらリーグを変えるということ、そして投手としても打者としてもハイレベルでプレーすること。それがどれほど困難なことかを、過小評価してはいけない」
「彼は投打両方をやってのけた。投手としての活動は短縮されてしまったが、それでもマウンドに立った時の彼は素晴らしかった。打者としてはリーグ(の投球)を学習し、信じられないほど素晴らしいシーズンを送ったよ」

マイク・トラウト外野手(エンゼルス)

今季からエンゼルスで二刀流の道を歩み出した大谷について「この1年よく頑張った」と労いの言葉を発した。「自分は投球面は詳しくないので分からない」と断りを入れながらも、「打撃面ではとても頑張っていた。彼のプレーを見るのは楽しいし、同じチームでいることは幸せだ」と明かした。

MLB公式サイト

「1シーズン、彼を見ていたが、とても感動的だった」
「ショウヘイ・オオタニはほぼ全球団による争奪戦がありながらもエンゼルスを選んだことで、多くの人々を驚かせた。オオタニが前評判通りに歴史的な1年目を送るなか、エンゼルスは4年連続でプレーオフを逃すことになった」

地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」

投手・大谷を振り返り、防御率3.31は最低10試合以上先発したエンゼルスの投手陣の中で、最も優秀であることを紹介。野手として、出塁率.362、長打率.568、10盗塁などを上回っているのは、スーパースターのマイク・トラウトだけとも伝えている。
「22試合を肘の故障で欠場したが、オオタニは今世紀において球界最高の二刀流選手としての立場を確立した」と、記事では投打にわたり高水準の成績を残した大谷を絶賛している。

世界が驚いた“Shotime”

米で「Shotime(ショータイム)」と呼ばれる大谷

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愛称から新しい登場曲『Showtime』(ショウタイム)に

チームメイトの勧めで、名前の翔平にちなんだ『Showtime』という新たな登場曲を採用した大谷。登場曲を新しくしたその日に12号逆転3ランを放っています。

この試合では第1打席のみ新曲で、残りの打席はいつも通り「Wrapped Up」だった。「Showtime」が鳴り響くのは得点圏に走者がいる場合のみになる予定だという。
今後も使い続ける考えを明かした。
「(第1打席は登場曲を)あまり気にはしてなかったんですけど、いい結果が出たので使い続けたいなと。せっかく選んで勧めてくれたので使いたいなと思います」

愛称「SHOWTIME」ユニフォームの売上が3位に

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MLBでは24日(日本時間25日)から「プレーヤーズ・ウィークエンド」というイベントを開催する。各選手はド派手な限定ユニホームを着用。背番号の上に表記される選手名はこの3日間だけ、選手自身が選んだニックネームとなるが、エンゼルス大谷翔平投手の限定ユニホームがメジャー3傑の売り上げを記録していることが明らかになった。

ちなみに他の選手の愛称はどんなものが?

明らかにウケを狙っている選手も目立つ。球団公式サイトによると平野の同僚、ブラッド・ボックスバーガー投手は名前をもじって、箱とハンバーガー「BOX HAMBURGER(ボックスハンバーガー)」のイラストを使用。また、インディアンスのシェーン・ビーバー投手は、超人気アーティストのジャスティン・ビーバーと同じ姓であることから、「NOT JUSTIN」。同僚のフランシスコ・リンドーア内野手は女性ファンを意識してか「MR.SMILE」、ジャイアンツのハンター・ペンス外野手は風変わりの打撃フォーム同様に「UNDERPANTS」と独特の感性を披露している。

大谷の「マリオジャンプ」アクション

右手を突き上げながらジャンプ!

圧巻の今季15号にスタンドのファンが沸騰する中、涼しげな表情で本塁に戻ってきた大谷は二塁走者のデビッド・フレッチャー内野手と手を合わせると、右手を突き上げながらジャンプした。
これは最近の試合で同期のフレッチャーとダグアウトでも見せている儀式。人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」で、メーンキャラクターのマリオが頭上のブロックを壊して、コインをゲットする際のアクションだった。

“実戦形式登板50球”の後の15号逆転3ラン

地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」はこの日の試合前に実戦登板したことに触れ「昼間にピッチャーとして試合で50球投げ、ナイターでホームランを打つようなことは、MLBではめったにない。しかし、月曜日に大谷翔平はそれをやってのけた」と言及。「ルーキー選手のほどんどは波があるのに対し、大谷は輝きを放ち続けている」とし称賛している。

11万円の限定版・大谷の首振り人形登場

高さ90センチ すでに1体が販売済

7月に試合の観客へ無料配布された大谷の首振り人形が、9月に90センチと大きくなって再登場しました。

エンゼルスの大谷翔平の巨大首振り人形が26日までに、アナハイムの本拠地エンゼルスタジアムのグッズショップに登場した。
高さは約90センチもあり、ホーム用の白いユニホーム姿でグラブを着用し、白い歯をのぞかせている。
限定品で999.99ドル(約11万3千円)と高額だが、店員によると既に1体が売れたという。

大谷が見せた少年への「神対応」

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試合前の打撃練習中、サインボールをもらうために並んでいる子供たちと、優しい笑顔の大谷の姿を捉えた写真がエンゼルスのInstagramアカウントで公開されました。
記事によると、これまでも大谷は敵地の少年ファンにバットをプレゼントするなどファンサービスについて話題になっていたとのことです。

メジャー初本塁打の代わりにサイン入りバットとボール

観客席への打球は原則、そのボールを捕った観客のものになる。ただし、記念球は広報から連絡を受けた球場運営部のスタッフがファンと交渉し、ボールを回収。その後、再び広報を通じて、選手に届く段取りになっている。大谷が4月3日のインディアンス戦で放ったメジャー初本塁打は、右翼席のイ軍ファンが後ろに座っていたエ軍ファンの9歳の野球少年にプレゼント。ボールはスタッフ、広報を通じ大谷の元に届いた。大谷は少年にサイン入りのバットとボールを手渡した。

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