特集2017年7月1日更新

2017年上半期SNS「炎上」事件簿

TwitterをはじめとしたSNSの発達に伴い、近年ではSNS発祥の騒動、事件、ムーブメントがたくさん起きています。今年も半分が過ぎたのを記念して、そういったSNSの“炎上”案件をまとめてみました。また、最後には心癒される人気ツイートもご紹介します。

目次

2017年上半期にSNSで盛り上がった騒動
2017年上半期に多くRTされたツイート

2017年上半期にSNSで盛り上がった騒動

LDHの新企業ロゴが「東京メトロそっくり」

EXILE、三代目 J Soul Brothersといった人気グループが所属する芸能事務所LDHの新しい企業ロゴが、「東京メトロの路線表示そっくり」だと話題に。

「どこからどう見てもそっくり」

上の画像を見比べてほしい。左がLDHの新たな戦略プロジェクトを全表示したロゴ。右は東京メトロの銀座線、丸ノ内線、日比谷線といった路線表示のサイン一覧。どこからどう見てもそっくりだ。
佐藤可士和はHIROとの話し合いを受けて「和(輪)」をコンセプトにこのデザインをつくったと語っているが、パクリ云々の前にこのデザインでは、EXILEなどワイルド系のグループが所属する企業ロゴとして、どうしても不似合いな感が拭えない。ファンが拒絶反応を示すのも当然だろう。

“南京大虐殺否定本”アパホテルが中国で大炎上

ビジネスホテルチェーン「アパホテル」のホームページが1月16日の深夜からダウンしてつながらない状態となりました。

中国版Twitter「微博」への投稿がきっかけ

15日の夕方、中国版Twitter「微博」に、中国人男性と米国人女性の大学生カップルが動画を投稿。いわく、アパホテルに泊まったら南京大虐殺や慰安婦を否定する内容の書籍が室内に置いてあり、かつその著者がアパグループの代表だったというのである。
「微博」は案の定、「中国人観光客はアパホテルを利用すべきではない」というコメントで埋め尽くされている。

「こんな本を置くホテルが東京にあるの? 五輪を開く資格などない!」
「右翼ホテルに泊まる中国人は売国奴だ」
「HPがつながらないな。中国の黒客(ハッカー)の仕業なのか?」

Twitterの反応はさまざま

東急電鉄のマナー広告に批判殺到

東急電鉄のマナー広告「わたしの東急線通学日記」シリーズの「座席 篇」に批判が殺到。同シリーズでは、昨年も「車内化粧 篇」が物議を醸していました。

Twitterでは議論大盛り上がり

このツイートに対しては「女性に女性の行儀を言わせてるのがまた小狡い」「これじゃ、女性は対しての注意喚起にしか見えない。『逃げ恥』の百合ちゃんが激怒しそうな広告だな」「足を組んでいる隣の男をまず先に注意すべき」など、女性を中心に同意ツイートが寄せられている。

民進党議員「電車が30分以上遅れたら無料にすべき」

東急田園都市線が遅延したことを受けて発言した民進党所属の藤末健三・参議院議員のツイートが波紋を呼びました。

ネットからは疑問が続出

遅延した際に料金を割引という意見に対して、『Twitter』や『Facebook』では「面白い」という肯定的な声もあったものの、「たかだか30分遅れでなにをバカな事を」「企業側の甘えとして解決しようという提案はどうなのか」といった疑問が続出。中には「たった一分の遅れで100人亡くなった事故をお忘れなのでしょうか?」と2005年のJR西日本福知山線の脱線事故を例に出すコメントも寄せられていました。

疑問や反論に対し、藤末議員はツイートで伝えきれていない自身の考えをブログにつづりました。

田園都市線の遅延の原因は「地方出身者」

また、藤末議員のツイートとは直接関係ありませんが、遅延が頻発する田園都市線の沿線住民たちが「トラブル起こすのは地方出身者がほとんど」といった声を上げ、こちらも話題になりました。

外国人モデル「日本人女性の格好をした」ことで謝罪

モデルのカーリー・クロスが、ファッション誌「ヴォーグ」の撮影で日本人の女性の格好をしたことを批判されて謝罪した。
これらの写真は私自身のものではない文化的に対して適切とは言えず、このような撮影に参加してしまったことを心からお詫びします。私の目標はいつだって女性を元気づけ、力を与えることです。これから行う撮影やプロジェクトはその目標を反映したものであることをお約束します。

「日本文化をバカにしている」「人種差別では?」

なぜ「日本人女性の格好をした」だけで謝罪することになったのでしょう?
まずは「白人に芸者風の格好をさせて、日本文化をバカにしている」という声や、「日本人モデルがたくさんいるのに、なぜ白人モデルを使ったの?」という声があります。
しかし、真相は別のところにもありました。

批判の根底は「文化の盗用」

その謎の答えは上にもあったcultural appropriation(文化の盗用)と呼ばれるもので、“ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)”と並んで近年のアメリカ社会を揺るがせている問題のようだ。
「文化の盗用」とは白人がほかの文化に手を出すことで、「差別意識なく勝手気ままなノリで利用してはポイッと脱ぎ捨て、神聖な文化を汚している」などと非難の対象となることが多い。

日本人には馴染みが薄い「文化の盗用」。海外では何度も騒ぎになっています。

冷静な解説ツイートも話題に

そして、やはり日本では馴染みが薄いだけに、「なんで謝罪する騒動になっているの?」という反応が目立ちました。そんな中、海外文化に詳しい人が冷静に解説するツイートも話題に。

会社の社長「自分のTwitterを読んでいない人は不採用」

つぶやいたのは、ソフトウェア開発などを手がけている企業「ウェッブアイ」の森川勇治社長。

「暴論である」と反論続出

同社長のツイッターには、社長の体重に関することなど業務とは関係のない私的な内容も多く、ネット民からは「暴論である」と反論が続出。該当の発言は1万8000以上リツイートされている

「岩下食品」岩下和了社長の反応ツイートも話題に

この問題に対し、岩下の新生姜(しんしょうが)で知られる岩下食品の社長・岩下和了氏は衝撃の『魔法少女まどか☆マギカ』のコスプレ画像とともに反応ツイート。こちらもある意味、話題沸騰となっている。

人気YouTuberはじめしゃちょーに“三股”疑惑浮上

3月20日、チャンネル登録者数が日本一という人気YouTuberの「はじめしゃちょー」に浮気&二股疑惑が浮上。22日には、はじめしゃちょーが謝罪動画を投稿して「二股交際」していたことを事実と認めました。

今回の事態は、「みずにゃん」氏が20日に公開した動画によって発覚したもの。それによれば、「16年10月から今年2月27日まで交際していた彼女と、2月14日夜に別の女性を家に泊めたことがきっかけで別れた」とされていた。
また、21日にはみずにゃん氏が放送した『ツイキャス』に、同じく人気ユーチューバーの木下ゆうか氏が電話出演。はじめ氏の「別れた彼女」の前の彼女が木下氏であり、交際期間の最後が「かぶっていた」ことを涙ながらに告白していた。

謝罪直後にまた炎上…活動休止へ

謝罪後に投稿した動画でゴルフクラブのシャフトを折り、メーカーがツイッターで苦情を述べるなど炎上が続いたことを受け、3月30日には活動休止を発表しました。

2日間、新しい動画投稿を休止していたはじめしゃちょー氏は、有料会員向けのファンクラブで、しばらくの間、活動休止することを発表。
「ここ最近で様々な事があり、一度、自分の中でこの先何をしたいのか〜中略〜を考える時間が欲しく、少しの間ですが、動画をお休みさせていただきます。~中略~必ず元気な姿で帰ってきます」 としている。

ゴルフクラブのメーカーにも“飛び火”

さらに、このゴルフクラブのメーカー「広田ゴルフ」のTwitterが、「商品は用途に合ったご使用でお願いします。机に叩きつけたり、手でシャフトを曲げて無理な不可を与えずに通常のゴルフクラブの用途でご使用いただき、大切にご愛用いただけることを願います。 個人的な感想としては、頑張って製品化した商品をこのように扱われ残念です」と苦言を呈すと、今度ははじめのファンと思しき人物などからメーカー側に批判が殺到。同社商品の「Amazonレビュー」も荒らされ、29日には「広田ゴルフ」が「このたびは多くの方にご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。また、多くのご愛用者様にも不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」と謝罪に追い込まれた。

なお、はじめしゃちょーは5月12日から動画投稿活動を再開しています。

乗客を血まみれにして引きずり降ろした航空会社が大炎上

4月10日、ユナイテッド航空UA3411便の機内で乗客によって撮影された動画が瞬く間に拡散しました。現時点で2400万回も再生されています。

「オーバーブッキング」で無理やり引きずり降ろす

投稿された動画には、乗客の男性1人が座席から無理やり引きずり出されて、仰向けの状態で通路を引きずられていく様子が映っている。報道によると、4月9日夜の離陸前に、定員がオーバーしていることがわかり、ホテル代など補償金を支払う代わりに、別の便の振り替えに応じる乗客を募ったが、誰も応じなかった。
そのため、ユナイテッド航空が乗客4人を選んだうえで、機内から降りるよう求めた。だが、男性1人が拒否したことから、同社は、米運輸省の手順にしたがって、警察官を呼んで、その乗客を無理やり引きずり降ろすことにしたたということだ。

ユナイテッド航空の対応に日本からも非難が殺到

ジャンプ漫画家が女子トイレのマークをデザインしたら…

「女性に対するセクハラ」の声

人気漫画家の矢吹健太朗氏が描き下ろした「女子トイレのマーク」が物議を醸しました。
これは集英社「少年ジャンプ」のウェブサイト「ジャンプ+」で4月19日に公開されたもので、「ジャンプ編集部の女子トイレのマークを矢吹健太朗先生がデザインしたらこうなった!!」と題された企画モノの漫画。この漫画内では、描き下ろしたマークを実際にジャンプ編集部の女子トイレに貼った模様を撮影した写真も掲載されていました。
この内容について、Twitterなどで「女性に対するセクハラ」などと疑問を呈する声があがりました。

「深くお詫び」漫画の掲載を中止に

三ツ矢サイダーのトランペットCMに「危険」の声

三ツ矢サイダーのCMにおける「トランペット奏者に“背後からドン”」のシーンに対し、楽器経験者を中心に「口が切れる」「かなり危険」「下手したら歯が折れる」などと指摘する声が相次ぎました。

同CMは、ドラマの台本の読み合わせや役づくりのためのトランペットの練習など、普段俳優として活躍している神木、芳根の懸命な姿を描いたもの。芳根がトランペットを吹いていると、友人たちがふざけて背後からぶつかってくるシーンがあるのだが、これが「危険」「ケガをする」「歯を折りかねない」とTwitterなどで物議を醸していた。

アサヒ飲料が謝罪 CM取りやめ

騒ぎを受けて、アサヒ飲料は「CMの掲出を取りやめる」と発表しました。

アサヒ飲料は4月18日、こうした騒ぎを受け公式ホームページ上で、
「配慮に欠ける表現がありましたことを、ここに深くお詫び申し上げます。皆様のご意見を真摯に受け止め、当CMの掲出を取りやめることと致しました。この度は誠に申し訳ございませんでした」
と謝罪した。

ユニ・チャームの「彼女の生理中に彼氏が困る」動画が物議

4月末、女性向け動画メディア「C CHANNEL」で公開された「生理中の彼女について彼の本音を大調査!」という動画に批判が寄せられました。

件の動画が炎上したわけは、それが「生理中の彼女とのデート中に困ったこと」という男性側の意見をもとに作られていたからだ。
動画は、彼女が生理中のため「旅行がキャンセルになった」「近くに座ろうとすると距離を取られる」「トイレに頻繁に立つので寂しい」などの男性意見に対し、タンポンを使用すれば問題が解決できると女性に提案している。ズレているにもほどがある。

「気持ち悪い」「不快」「鬼畜すぎ」の声

多くの批判を受けて動画はすぐに削除され、ユニ・チャームは謝罪文をウェブサイトに掲載しました。

SMAP謝罪会見に酷似したパロディCM

この時期、企業のCMや動画に関する炎上が相次いでいます。お次は、パチンコ動画・パチスロ動画を配信する「ジャンバリ.TV」のCM動画に対して賛否両論が巻き起こりました。

第1弾の「予告」篇は4月5日に公開され、5人組グループによる新曲『ジャンバりましょう』公開が迫るなか「メンバーに走る亀裂」が描かれ、「主張」篇では楽屋で胸ぐらをつかんで言い争う姿が映し出される。
(中略)
特に第3弾の「決意」篇は、昨年1月18日に『SMAP×SMAP』のなかでSMAPメンバーが生出演して解散報道についての「謝罪会見」と言われた場面に似ている。そのため「これはSMAPを馬鹿にしすぎ!」「よくこれをやろうと思ったな」「これジャンバリやらかしたなw」と批判的なコメントが多い。

「ひどい」「不謹慎」「そもそも面白くない」

こちらも批判を受けて動画は削除され、地上波CMについても順次差し替えの対応を取ることが発表されました。

本田圭佑、若者の自殺に「他人のせいにするな」

サッカー日本代表のFW本田圭佑が、若い世代の自殺者数の増加について「他人のせいにするな」などとTwitterで意見を述べ、賛否両論が噴出しました。

返信は否定的な意見が目立つ結果に

米津玄師「言ってることがよくわからない」

この本田のツイートに対し、ミュージシャンの米津玄師が「言ってることがよくわからない」と口を挟んだことも反響を呼びました。

米津が本田の投稿内容に「言ってることがよくわからない」とツイートし、2万2000以上の「いいね」を集めるなど大きく注目された。続くツイートで米津は「人生や親に感謝するのはいいと思うんだけど」と部分的には認めつつ、「少なくとも元の記事には他人や政治のせいにして自殺した人の様子なんてひとつも出てこないし、そこからの『成功に囚われるな、成長に囚われろ』という言葉もどこから出てきたのかよくわからないっていうのが正直な感想です」と疑問を呈した。

騒動が大きくなったことを受け、本田は公式サイトで「共有したい想い」というメッセージを公開しました。

2017年上半期に多くRTされたツイート

ここからは、リツイート数が多かったツイートをご紹介。
ここまで「炎上」にクローズアップしてきただけに、見ていて心がすさんでしまった方もいるのではないでしょうか。そんな方々の心を癒やしてくれる動画や画像などがいっぱいありますよ!

交通系ICカードの関西と関東の違いに反響

「彼氏(彼女)とデートなう。に使っていいよ」大流行

ファンに向けたツイートとしてアイドルの間で流行しつつあった「彼女とデートなう。に使っていいよ」が、声優の「山ちゃん」こと山寺宏一のツイートをきっかけに多くの芸能人や有名人が参戦するなどして一気にブレイク。公式アカウントや一般ユーザーもネタ画像を投稿するなど、大ブームとなりました。

2017年上半期も“ぬこ”強し!

犬も負けじと…「お手」

ひと手間加えた衣類収納術

アイドルファンの名言

“不自然に白い札束”じゃなく…

「すごい」「感動」「可愛い」腹話術少女

ジェンガを水に入れると…

「アレ取ってきて」の答え


今年上半期に“炎上”した案件を見ると、「CM炎上→削除(公開停止)」というパターンが目立った気がします。今回紹介した以外にも、「ENEOSでんき」の“女尊男卑”批判、消臭剤「ファブリーズ」vsくさや、「ムーニー」おむつ“ワンオペ育児”に賛否、といったCM炎上案件がありました(公開中のものも含む)。
「公開前に気づけなかったのかな?」と思えるものもあれば、「過剰反応なんじゃ?」というものもあったりと、そのパターンはさまざま。ただ、SNSが発達したおかげでCM制作業者や企業の関係者は息苦しくなっているかもしれませんね。