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東芝、株主にTOBへの応募推奨 JIPの提案を「最善と判断」

ロイター / 2023年6月8日 18時42分

東芝は8日、国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が主導する株式公開買い付け(TOB)について、TOBが開始された場合、株主に対して応募を推奨することを決議したと発表した。写真は4月5日、神奈川県川崎市で撮影(2023年 ロイター/Androniki Christodoulou)

[東京 8日 ロイター] - 東芝は8日、日本産業パートナーズ(JIP)が主導する株式公開買い付け(TOB)への応募を株主に推奨することを決議した。取締役会が、TOBによる株式非公開化を目指すJIP案を、実現可能かつ公正・妥当であり最善と判断した。渡辺章博取締役会議長は会見で、TOB価格の引き上げや第三者から対抗提案が「これからなされる可能性も非常に低い」と説明した。

JIP率いる企業連合は、7月下旬をめどに1株4620円、総額約2兆円でのTOB開始を目指している。島田太郎社長は会見でTOB価格について「市場がディスカバー(見いだした)した価格ということで、甘んじて受け入れる」と述べた。

東芝は3月23日にTOBに対する意見表明を行った際、「現時点で株主に対して応募を推奨することまではしない」と決議、その後の株主総会の招集通知でも「あらためて検討し決議する」としていた。

しかし、投資家から取締役会に取引の再考を促す提案はなく、8日の発表文によると、買い付け価格は「潜在的な投資家およびスポンサーから期待できるものとして最善」との確信が高まっているという。

判断先送りの要因に挙がっていた持分法適用会社で非上場のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)を巡る評価に関しても、現時点で得られている以上の情報を得られる見込みはなく、それを理由に応募推奨に関する判断を先送りにすべきではないと説明している。

TOBの開始時期について渡辺議長は、予定通り7月下旬になるとの見通しを示した。島田社長は、TOBが成立すれば東芝は巨額の負債を抱えることになるものの「安定した事業基盤を活用し、事業の質的な変化を進めるとともに、さらなる収益力向上を図っていく」と話した。

ライトストリーム・リサーチのアナリスト、ミオ・カトウ氏は、東芝の実体価値はTOB価格をはるかに上回るものの「(今回の決定は)ほぼ全ての投資家にとって、多くのさえない選択肢の中では最良の解決策」と指摘する。アクティビスト(物言う株主)にとってはいかにして株価を暴落させずに投資を回収するかが課題であるため、これを超える価格では難しいとみている。

8日の東京株式市場で、東芝の株価は前比0.53%高の4540円で引けた。足元のマクロ経済環境の変化やキオクシアHDの業績赤字の影響もあり、株価はこのところTOB価格(1株4620円)を下回る水準での推移が継続している。

東芝は6月29日に定時株主総会を開催する。

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