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鎌倉に行く前にチェック! 実際に見てほしい「鶴岡八幡宮」の視覚トリック

オールアバウト / 2024年5月2日 20時45分

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「遠近法」は絵画に立体的な奥行きを出す手法ですが、建築にも遠近法が応用されることがあります。鎌倉の「鶴岡八幡宮」の段葛(だんかずら)をご紹介しましょう。

「遠近法」は絵画に立体的な奥行きを出す手法ですが、建築にも遠近法が応用されることがあります。脳が錯覚を起こす「遠近法」のトリックを利用することで、実際よりも、さらに広く、大きく見せたりすることができるのです。

日本国内で楽しめる歴史的建造物の一例として、鎌倉の「鶴岡八幡宮」の段葛(だんかずら)をご紹介したいと思います。

鶴岡八幡宮の「段葛(だんかずら)」に使われている視覚トリックとは

「鶴岡八幡宮」は、鎌倉時代の初代将軍源頼朝ゆかりの神社としても知られ、今も観光名所になっていますので、行ったことがあるという方も多いかもしれません。筆者も何度も訪ねたことがあります。

公共交通機関を使って参拝するときには、鎌倉駅で降りて、最寄りの「二の鳥居」をめざします。

その「二の鳥居」から始まり、両脇の車道よりも一段高くなった中央分離帯の歩道をずっと歩き、大きな交差点の信号をわたると「三の鳥居」があり、「鶴岡八幡宮」の境内にたどり着きます。

この「二の鳥居」から「三の鳥居」の手前までの歩道が、「段葛」と呼ばれる部分で、視覚的なトリックの技術が使われています。

二の鳥居から見ると、段葛はまっすぐ一直線に神社前まで伸びていて、歩道の両側は、平行に見えます。

しかし実は、段葛の始まり(二の鳥居あたり)の道幅と、終わりの道幅は違うのです。もっと具体的に種明かしをすると、先に行くほど歩道の幅が狭くなっています。

本当かなぁと思う方は、グーグルマップの衛星写真を見て確認していただくといいでしょう。樹木が植えられている部分も含め、具体的な道幅は、段葛の始まり(二の鳥居あたり)で9m、終わり付近(三の鳥居の手前)では6mになっています。

意識していないと気づかないかもしれませんが、人出が多いときは、二の鳥居付近はスムーズに歩けるけれど、三の鳥居が近づくと「混んでるな」という印象を受けることがあります。

もうお気づきだと思いますが、鶴岡八幡宮に近づくほど段葛の道幅が狭くなっていくのは、参拝者に鶴岡八幡宮を遠くに見せるための仕掛けなのです。これは、偶然そうなっているのではなく、神社を作る時に、意図的に設計されたそうです。

鎌倉を訪ねる機会がありましたら、ぜひこの段葛を通って、始まり付近で両手を横に広げたときと、終わり付近で両手を広げた時で、どんな感じがするか試してみるのも面白いと思います。

阿部 和穂プロフィール

薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。
(文:阿部 和穂(脳科学者・医薬研究者))

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