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冬のヘッドフォン祭 mini 2024で見つけた、発売済み&発売間近の新製品

ASCII.jp / 2024年2月12日 9時0分

Brize Audioは5ウェイアクティブ駆動の再生システム

 2月10日に開催された「冬のヘッドフォン祭 mini 2024」。

 Brise Audioのブースで参考出品されていた「ウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)」はインパクト抜群。これは、これまでケーブルやポータブルヘッドホンを手掛けてきた同ブランドが、完全自社設計で開発しているポータブル再生システムだ。

ウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)

 システムと銘打っている通り、単体で使うイヤホンやヘッドホンアンプではない。ガラスケースに入っているのが、その開発ボードだ。これは5ウェイのイヤホンを駆動するアンプ部に相当するもので、最終的には片手で持てるサイズにシュリンクする予定。かなりオリジナリティーの高い構成。

イヤホン部

 イヤホン側は低域・中低域・中域・高域・超高域の5ウェイ構成になっている。ポイントは入力した音楽信号をアクティブクロスオーバーで分割し、それぞれ独立したアンプで駆動する仕組みになっている点だ。帯域分割はアクティブフィルターを使用したアナログ方式となっており、その後段にパワーアンプが接続されている。

 アクティブスピーカーではよく、ユニットごとに独立したアンプを用いる“バイアンプ駆動”が採用されるが、これは5ウェイで5つのアンプを用いるため、“ペトラアンプ駆動”とでも表現したらいいのだろうか……。ある種究極的なドライブが可能になりそうなシステムである。なお、帯域分割がデジタルではなくアナログになっているのは、デジタルにするとADCやDACの数が増えてしまうためだという。

開発ボードのアップ。各モジュールに搭載する抵抗やコンデンサーなどの部品を調整したうえで最終的な製品に搭載する基板にシュリンクしていく。

 ドライバー構成は、低域に8mmのLCP振動板を使ったダイナミック型ドライバーを2基、中低域にSonion製のバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバー、中域にKnowles製のBA型ドライバーを2基、高域にKnowles製のBA型ドライバーを2基、超高域にxMEMS製のMEMSスピーカーの合計8ドライバーを搭載する予定とのこと。

開発基板は最終的には左の筐体程度に小型化される予定。ケーブルもかなり特殊なもので、独立したアンプで駆動する関係で端子の接点もかなり数が多くなっている。

 試聴などはできなかったが、この春の発売に向けて準備中。開発は終了しているという。価格は未定。

多機能で設置も快適なDiablo 2

 トップウィングのブースでは、昨年12月に発売されたiFi audioの「iDSD Diablo2」(23万1000円)を発見。ポータブル向けながら最大5180mWと驚くほどの高出力が得られる製品。4.4mm端子はスイッチの切り替えで、高いバイアス電圧を掛ける必要があるMEMSスピーカーを駆動するためのモードにもできる。これはxMEMSと協業して開発したものだという。国内では現状、MEMSスピーカー搭載の有線イヤホンはほぼないが、海外ではSingularity Audioの「ONI」などが登場。それ以外のメーカーも開発中なのだそうだ。

 高感度のイヤモニから、高インピーダンスの大型ヘッドホンまで幅広い製品に対応可能。脚の取り付けによって、設置の自由度が高い点なども面白い。

iDSD Diablo2
フロント部、ボリュームのロック機構も持つ
背面端子、USBデジタル入力のほか、アナログのバランスライン入力(4.4mm)なども装備。aptX Adaptiveなど対応するBluetoothコーデックも充実している。
周囲の溝に脚を挟むことで、柔軟性の高い設置が可能になる。
写真のような縦置きもできる。

付属品にも注目したい、FitEar Image

 FitEarの新機種で3月15日の発売が決定した「FitEar IMarge」。過去の記事でも紹介している通り、フルレンジのバランスド・アーマチュア型ドライバーにSonionの静電(EST)ドライバーを組み合わせたフルレンジ+1の構成。

FitEar IMarge
FitEar IMarge

 新機軸のイヤホンだが、付属品にも注目。イヤーチップがSpinFitになったほか、国内でもピクセルが取り扱いを始めた韓国LEPIC製のケース「JUKEBOX」をいち早く採用している。

韓国LEPIC製のケースが付属。イヤーピースもSpinFitのW1に。
ピクセルのブースに展示されていたJUKEBOX。中央の3角形の部分に防湿剤などを入れられる。
カラバリも豊富だが、ピクセルが取り扱うのは、まずは左上のグレーとチャコールから。
写真はアルカンターラ素材を使ったもの。こちらの投入も予定しているが、価格は3000円程度の標準モデルよりもかなり高くなるという。

Cayinマルチファンクショナル キャリングケース

 ポータブルオーディオとそのアクセサリーを持ち運ぶのは意外と大変なのだが、その解決策と言う提案も。Cayinが展示していたマルチファンクショナル キャリングケースはしっかりとしたつくりのショルダーケースで、内部の仕切りなども柔軟に変えられる。実売価格は1万円台の半ばぐらいになるという。

しっかりとしたつくりで、肩から提げられる。
仕切りの調整で様々な機器を持ち運べる。

大田区発の新進ブランド“Layfic Tone”

 昨年、秋のヘッドフォン祭 2023で発表されたLayfic Toneのヘッドホン。大きなブースを構え、また様々なヘッドホンアンプのブランドとコラボした展示をするなど、会場でも目立った存在だった。

Layfic ToneのWired

 製品としては、有線ヘッドホン「Wired」とワイヤレスヘッドホン「Broadband」がある。“プロユースからポータブルまで幅広く活用できるヘッドホン”がコンセプトで、分厚いイヤーパッドやカーボン素材を使ったハウジングの外観も特徴的だが、密閉型のようなこもり感がなく、中高域の解像感が高い、開放型のモニターヘッドホン的な再生音も特徴的だ。Wireedの実売価格は10万円台の前半。

大きな空気抜きの穴があり、密閉型で想像されるようなこもり感はなく、開放的な音が鳴る。

 ケーブルや内部配線材には、オーディオみじんこのディップフォーミングOFC、イヤーパッドはオリジナルモデルとDekoni Audio製の2種類を同梱。本体も軽量で長時間の利用でも疲れにくいものにしている。

半円形の特徴あるキャリングケース
エンブレムがおしゃれ
デニムを利用した椅子のカバーなどブランドの雰囲気の演出にも気を配っていた。

 さまざまなブランドのヘッドホンアンプで聴けるもの面白かった。最も印象に残ったのはマス工房の「model433」との組み合わせ。抜けがよく繊細な中高域の透明感が感じられた。また、参考展示として、4.4mmのバランス駆動で、ウォークマンと接続するデモも体験できた。

マス工房のブースでも体験できた。
ウォークマンと接続するデモ
Broadband、有線ライクな音質が得られるBluetoothヘッドホン。基板から独立した左右独立駆動が特徴。

Dan Clark Audioの新作「E3」

 完実電気のブースに展示されていたE3は、Dan Clark Audio(旧MrSpeakers)の新作。展示されていたのはEtherシリーズのうち密閉型のモデル(Ether C Flow)の後継で、第3世代モデルになっている。上位モデルに採用されているメタマテリアル技術(AMTS:Acoustic Metamaterial Tuning System)をE3用にチューンアップして採用。平面磁界ドライバーも第5世代に進化している。硬度9HのGorilla Glass 3を使用した耐久性の高さも特徴。

Dan Clark Audio E3

 ハウジングの外側には2つの穴(Dual Mode Bass Port)を装備して中低域をコントロール。ハウジングはGorilla Grass 3のほか、アルミフレームやグリル部の高硬度な熱硬化性樹脂、厚く左右のマッチングが取れたプロテインレザーのパッドなどを採用。オリジナル設計のケーブルはVIVO Super-Premium Headphone cableで銀メッキの無酸素銅を導体に使用(4ピンのXLRケーブル、4,4mmバランスケーブルなどオプションあり)。重量は455g。価格は33万円程度になる見込み。

実売100万円弱の受注生産イヤホン

 昨年発売された「Supreme V3」は、Rhapsodioのハイエンドイヤホン。独自設計のマグネットスタティックドライバーを搭載した製品。金色に輝く真鍮ハウジングが印象的。最近、金色のハイエンドイヤホンが増えているような気もする。

Supreme V3

 Rhapsodioは香港のブランドで、BAドライバー22基搭載の「Infinity」など話題性のある機種を投入している。ドライバーはブランド独自開発の12mm Ultramag 5G Magnetostatic (MST)。ダイナミック型ドライバー、スーパーツイーターダイアフラムを複数の磁石とともに同軸上に配置したもの。

ドライバー構造の解説図

CDやレコードのアナログ再生もポータブルで

 令和のこの時代にカセット・プレーヤーを新規に開発したFiiOの「CP13」も話題だが、中国ではCDプレーヤーを始めとした昭和~平成初期のクラシックなスタイルのオーディオ再生の人気が再燃しているようだ。水月雨のブースでは、発表されたばかりの「DISCDREAM」も展示されていた。

水月雨のブースで展示されていたCDプレーヤー「DISCDREAM」

 なお、海外では先日、水月雨がオーディオ向けのスマートフォン「MIAD01」を発表して話題となっているが、冬のヘッドフォン祭 mini 2024ではその参考出展はなかった。また国内での展開もまだ不明のようだ。

 飯田ピアノのブースでは中国Fennessy Groupのポータブルレコードプレーヤー「Duo」を発見。レコードプレーヤーとBluetoothスピーカーを一体化して運べる製品でデザイン性が高い。Bluetoothスピーカーはレコードプレーヤー部分とペアリング済みで出荷されるが、単体使用して別の機器にもつなげるという。価格は7万円ほどだという。

hym Duo
Bluetothスピーカー部分は分離して好きな場所に置ける。
アーム部分、オーディオテクニカ製のカートリッジが付いている。
同じく飯田ピアノが扱っているKuraDaの製品「KD-Q1」も参考展示。軽量でシンプルなヘッドホンとして企画しているという。

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