JAPAN MOBILITY SHOW 2023レポート 低コストで期待大な超小型EV「クロスケ」をヴァレオブースで発見!
CORISM / 2023年10月27日 9時55分
ヴァレオ製48V BSGをベースにした超小型EV「クロスケ」
フランスの部品メーカー大手であるヴァレオブースで目を引いたのが、METAx(超小型EV技術研究組合)が開発した超小型EV(電気自動車)である「クロスケ」だ。METAxでは、マイクロ・ユーテリティ・ビークル(MUV)と呼んでいる。
クロスケのボディサイズは、全長2,500×全幅1,300×全高1,650mm。軽バンより小さなボディサイズとなっている。乗車定員は1名。最大積載量は90㎏という仕様。
このクロスケのポイントは、「ヴァレオeAccess」とDC-DCコンバータを搭載している。eAccessとは、48VのBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)だ。欧州車を中心とした48Vマイルドハイブリッドシステムに使われていた機能で、スターターとジェネレーターを兼ね、さらにエンジンのアシストまで行う。クロスケは、このeAccessを後輪側に設置して走行する。
低コストでの生産が可能?
このeAccessのメリットは、コストだ。本格的BEVやハイブリッド車などでは、高電圧のシステムを使うため、車体に高電圧に対応した処置が施される。しかし、eAccessは48Vという低電圧のため、コストが増える高電圧処置が必要ない。そのため、超小型モビリティに要求される低価格が実現可能となるのだ。
さらに、48V BSGは一世を風靡したものの、BEVへ急速にシフトしたため、自動車メーカーにとって、もはや今後使うことがないであろう過去の技術となっている。そのため、eAccessそのものも低コスト化されているのだ。ここに、METAxが目を付けた。
また、2020年にシトロエンがeAccessを使いアミと呼ばれる超小型シティコミューターを販売し大ヒットしたことも導入の理由のひとつとなっている。
価格次第だが、色々なニーズに対応可能?
そして、クロスケの駆動用バッテリーはシート下に設置。ユーザーが任意のバッテリー数を選べる交換式タイプで、最大100㎞程度を走行可能。シトロエン アミのモーター出力は6kWなので、ほぼ同じとみられている。また、60㎞/h程度での走行が可能だという。
そして、プラットフォームは独自開発という本格派だ。ハイテン材を採用したセミモノコックを採用している。
クロスケは、軽自動車より小さいので、都市部の路地などに駐車する場合でも他のクルマに比べ迷惑をかけることも少なく、円滑な交通環境にも貢献できるだろう。
さらには、宅配やデリバリーの他に、地方の過疎地などにおける高齢者の生活の足や、近隣移動のみに使われている軽トラの代わりにもなりえるなど、色々なニーズに対応可能なEVとして期待値は高い。2026年頃の販売を目指すという。
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