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ミア・ゴスはやっぱり最高だった!「インフィニティ・プール」B・クローネンバーグ監督が明かす“驚きのパフォーマンス”

映画.com / 2024年4月5日 10時0分

 例えばガビがバスの前でジェームズに銃を向けるシーンはとてもユーモラスで重要なシーンですが、脚本を書いた時点ではあくまでラストに向けての展開という認識で、それほど重要なシーンだとは思っていなかったんです。ですがミアが演じたことでその認識は一変しましたね。ミアは撮影する前から役に入りバスの周りを走り回りながら窓を叩いたり、アレックスに罵詈雑言を浴びせたりして、自分を奮い立たせていました。そして彼女が車に飛び乗ってから撮影を開始し、彼女は見事な演技を披露しました。それを見た他のキャストが口を揃えて「ミア最高!」と言っていたのを覚えています。そして撮り終えた瞬間、些細な場面だと思っていたそのシーンが映画の中で重要な意味を持ったのです。脚本に忠実でも俳優のエネルギーによってそれだけの変化が生まれるんです。

●父デヴィッド・クローネンバーグとはお互い映画を見せ合う関係性

 ――日本でも人気の高いカナダのサウンド・デザイナー、ティム・ヘッカーが担当したアンビエントな音楽が物語の悍ましさを増幅しておりとても印象的でした。今回初めてお仕事されたと伺っていますが、どのような経緯でご一緒されたのでしょうか?

 前作「ポゼッサー」の音楽を担当したジム・ウィリアムズは偉大な作曲家でしたが、インディペンデント映画の構造上、毎回同じ人と仕事ができる訳ではありません。彼がカナダから遠く離れたイギリスの人間であるため今回は難しいと判断し、別の作曲家を探していたんです。私たちは製作チーム内で興味深い作曲家や音楽家について話し合いました。その際に言っていたのは映画音楽専門の人である必要はなく、映画の世界にハマりさえすれば良いということ。その中で名前が出てきたティム・ヘッカーは、映画音楽を専門としていないですが、本作の世界観には完璧な音楽家だと思ったんです。

 彼は素晴らしい音楽家で、その作品には信じられないようなテクスチャーがあります。アナログとデジタルをミックスさせた音楽作りがとても気に入っていて、それがこの映画にぴったりだと感じました。それで彼が何か他の映像作品に参加したことがあるのか調べてみると、ちょうど「The North Water」(2021)というミニシリーズの作曲を終えたところだということが分かりました。偶然にもそのシリーズには私が仕事を共にしてきたプロデューサーや馴染みの編集者も参加していたんです。それでその仲間たちにティム・ハッカーのことを聞いたら「彼は素晴らしい仕事をしてくれる」と太鼓判を押してくれたので、一緒に仕事をすることになりました。もともと私は彼を映画音楽の人と考えていなかったのですが、既に私の親しい人々と仕事をしていたということもあり、最初から我々の映画に入る準備は万端でしたね。

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