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山﨑賢人&染谷将太、出会いから14年…… 真っ向から対峙して何を思ったか【「陰陽師0」インタビュー】

映画.com / 2024年4月19日 19時0分

 佐藤監督は、陰陽師の世界における呪術を「呪(しゅ)」と表現している。これは、肉体や物質に直接作用するのではなく、意識に作用を及ぼすことで肉体にも影響を与える暗示、催眠術、思い込みのようなものとして描いている。

 山﨑「そう考えると、全て『呪』だなって思いました。世の中は『呪』だらけだけど、それぞれが思い描く真実はひとつしかない。そういう作品のメッセージが、僕は大好きなんです。いま見えている世界しか結局のところないわけだから、気の持ちようというか自分のマインドをいかに保ちながら生きていくか……というメッセージ性に共感しました」

 染谷「自分は目で見たこと、触れるもの、匂いとか五感で感じるものを信じるタイプ。世の中が情報で溢れているなかで、監督は『みんなが“呪”にかかっている』と表現していて、この“呪”を祓ってくれるのが安倍晴明だと。映画そのものが、自分が素直になれる作品に仕上がっているので、僕はポジティブな気分になれたんです。晴明と一緒に酒を飲むシーンで『真実とか事実とかどうでもいい。今こうして二人で酒を飲めている。これしか我々にはないのだ』というセリフが好きなんですが、その通りですよね」

 落ち着いた佇まいで話をするふたりは、本編でも既視感のないバディ関係で観る者に新しい驚きをもたらしてくれる。初めて本格的に共演してみて、感じるものは多くあったようだ。

 染谷「すごく飄々(ひょうひょう)としているんですよ。難しいことを求められても、飄々と受け止めて悩むんです(笑)。自分が悩んでいるということを、自然に言える方。それは羨ましいですね。自分は悩むと内に入り込むタイプなので、『これどうしよう』というひと言で、その場にいる皆に共有できる行為は強くて羨ましい」

 山﨑「染谷くんと以前対談させてもらったとき、役が自分の中で地に足が着いていないと不安になるし、やりたくないと話していたんです。染谷くんはそこを見つけるのが早いと聞いて、それって大事だなと思いました。まず地に足を付けたほうが絶対にいいですから。

 リハーサルで、晴明と博雅を入れ替えて演じてみることがあったんです。染谷くんが地に足の着いた状態の晴明を見せてくれて、『なるほど』と思わせられました。誰かの真似をするわけでもなく、染谷くんのスタイルで表現する晴明がすごくいいなと思いました」

 互いへの敬意をにじませるふたりだが、では自らの強味がどの辺にあるのか俯瞰して見ることはあるのだろうか。

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