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「国立競技場を満員に」 ドリブルデザイナー岡部はなぜソシエダ来日に夢を見るのか?【インタビュー】

FOOTBALL ZONE / 2024年5月3日 8時20分

■「子供たちが夢を見る機会を作りたい」原体験は父親と行ったJリーグ開幕戦

“ドリブルデザイナー”として世界を股にかけて活躍する岡部将和氏がCWO(チーフウェルビーオフィサー)を務めるヤスダグループは今年3月、スペイン1部レアル・ソシエダと今夏のジャパンツアーにおけるメインスポンサー契約を締結。ソシエダはシーズン終了直後に来日し、5月29日にJ1東京ヴェルディと対戦することが決まった。「国立競技場を満員にしたい」。そんな目標を掲げる岡部氏に、この試合に懸ける思いを語ってもらった。(取材・文=石川遼)

   ◇   ◇   ◇   

 岡部氏はドリブルデザイナーとして自らが確立した「99%抜けるドリブル理論」を基に、数々のプロ選手や子供たちにドリブルの指導をしてきた。日本を飛び出し、生活の拠点をヨーロッパへ移した現在では活動の幅はさらに広がり、子供たちに挑戦することの素晴らしさを伝える「ドリームデザイナー」として各地で講演も行っている。

 そんな岡部氏は5月29日に行われるソシエダ対東京ヴェルディの一戦で「国立競技場を満員にしたい」という目標を掲げる。1人でも多くの人に足を運んでもらおうと、選手のユニフォームなどが抽選で当たる特典付きの「ヤスダグループ岡部シート」を用意した。自身のSNSでも積極的に呼びかけ、チラシを配って周っている。

 収容人数5万人を超えるスタジアムを満員にするという壮大な夢。何が彼をそこまで突き動かすのか。指導者として、そしてインフルエンサーとして活躍してきたキャリアの原点がそこにある。

「小さい頃に父が1993年のJリーグの開幕戦に連れていってくれ、それで自分はプロのサッカー選手になりたいという夢を持つことができました。スーパースターのプレーを見られる機会は子供たちにとって、これ以上ない機会になると思います」

 父親に連れていってもらったのは後にも先にもこの1試合だけだったが、その思い出は今も強烈に残っている。自分と同じように、サッカーに関わる子供たちが夢を見るための機会を作りたい。その思いが原動力になっている。

 そして、夢を見ることと同時に子供たちに伝えたいのは「感謝を忘れない」ということだ。

「僕がイベントや講演をする時に『やりたいことに挑戦しよう』と必ず伝えていますが、その挑戦の裏には支えてくれてる人がいます。僕自身も選手だったからこそ分かりますが、サッカーができることはもちろん、家があること、服があること、食事ができること、どれも決して当たり前ではありません。そういったことに気づいてもらえるような機会になってほしいという思いも持っています」


“ドリブルデザイナー”として世界を股にかけて活躍する岡部将和氏【写真:石川遼】

■「一体誰のための興行なのか…」岡部シート実現に込められた思い

 岡部氏はこれまで海外クラブが来日して試合を行っても、チケットの高価格化によって子供たちが気軽に足を運ぶことが難しくなっていると感じていた。だからこそ自分たちで動き出し、何かを変えていかなければいけないと思った。

「チケットが高額だからという理由で試合を見に行けず、席は空いてるのに入れないとなってしまったら、一体誰のための興行なのかが分からなくなってしまいます。そうならないためにも、岡部シートでは子供向けの席を3300円(税込)という手に取りやすい価格設定にして、少しでも多くの人に夢を見てもらいたいと思ったんです」

 それでも「値段が高すぎる」「家族で見に行く人のことを考えていない」という声は届いた。さまざまな意見に向き合いつつ、最適な落としどころはどこかと模索を続けてきた。

「子供たちが来やすいように3300円という価格設定をすると、それを支えるための高額チケットという部分もあり、そこへの批判的な声もありました。子供の3300円についても『家族のことを考えてなさすぎる』という意見ももらいました。たとえ1000円でも高いと言う人はいると思いますし、一方で本当に1000円でも厳しいと感じる方たちもいるはずです。さまざまな意見をいただいた時、そういった声を切り捨てるのではなく、例えば無料招待で来れるようにできないかなって考えたりとか、可能な範囲でできることを考えていくことが大切だと思っています」

 さまざまな課題もあるなかで、成功するかどうかはやってみなければ分からない。子供たちに挑戦することの素晴らしさを伝えてきたからこそ、自身も前例のない挑戦を続けている。ヤスダグループがメインスポンサーとなり、ヨーロッパからチームを招いて日本のチームと試合を行うことは、サッカー界としても新しい取り組みになると考えている。
 
「僕個人の意見ではありますが、この試合はただの興行の1試合ではなく、新しい興行のカタチになると信じています。これまでからすべてが変わるわけではありませんが、新しいエッセンスが組み込まれたものということです。今までは大手企業でしかできなかったようなことを、自分たちのような中小企業、インフルエンサー、サッカーコーチといった立場の人間でも、みんなで協力し合うことで、やり遂げることができるんだという可能性を提示したかったんです」

 自分たちの挑戦も、子供たちの挑戦も、全ては未来につながる第一歩だ。ドリブルデザイナーとして、そして指導者として新たな可能性を切り開いてきた岡部氏は言う。

「全力で挑戦した先で、目先の結果が上手くいかなくてもいいと思うんです。その結果が活きて、次につながれば。でも何もしないでいたら次はない。だから、僕はそんな人たちを応援したいんです」

 5月29日、国立競技場は多くの人が夢を見る場所になることを願うばかりだ。

■レアル・ソシエダ JAPAN TOUR
【対戦】レアル・ソシエダvs東京ヴェルディ
【日時】2024年5月29日(水)19:30キックオフ
【会場】国立競技場
【開場】16:30
【チケット&岡部シート情報】
「ヤスダグループ岡部シート」は、以下のいずれかが抽選で当たる特典付き(先着順。合計7000円以上を購入頂いた方が対象)

1、選手ユニフォーム(20名)
2、選手入場時にハイタッチ(10名)
3、サイン入り色紙 (20名)
4、サイン入りポストカード (50名)

※その他、チケット詳細は「REAL SOCIEDAD JAPAN TOUR Dribble Designer」で検索し、ご確認ください

【申し込み期間】2024年5月27日(月)まで

[プロフィール]
岡部将和(おかべ・まさかず)/1983年8月1日生まれ、神奈川県出身。PREDATOR URAYASU FC SEGUNDO―バルドラール浦安―Laguna Playas de Salou(スペイン)―湘南ベルマーレ。2015年からドリブルデザイナーとしての活動を開始し、多くのプロ選手や子供たちにドリブルの指導を行う。YoutubeなどのSNSを通じて配信した動画の総再生回数は2億回を超える。(石川 遼 / Ryo Ishikawa)

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