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続「光る君へ」外伝 区別がつきにくい藤原道長の〝兄弟を整理〟長男・道隆、次男・道兼、道綱は…みんな「道」がつき、そういえば顔も何だか似ている

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月8日 11時0分

今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、妻と2人で見ることが多い。以前からその傾向はあるにはあったが、今年は例になく、ドラマを見ながらの妻からの質問が多くなった。

「いま、しゃべっている人、彼は藤原道長(ふじわらのみちなが)の何に当たる人?」といった具合である。

確かに、兼家(かねいえ)一門は、長男が道隆(みちたか)、次男が道兼(みちかね)、腹違いの息子に道綱(みちつな)もいたりして、みんな「道」がついている。そういえば、顔も何だか似ていて、「一見の区別」がつきにくい。

そのうえ、みんな同じような装束にひげ、帽子である。画面をしっかり見ていないと、いや見ていても、「セリフを言っているのは誰?」となってしまう。

私は妻の質問に、その都度短く、「長兄」「次兄」「父」と答えるのだが、チコちゃんじゃないが、「ボーっと見てたんじゃ」分からないことが多い。これでは何だか、老人軽視番組だなあ(苦笑)。

発言者がどういう立場の人なのか、画面の邪魔にならずに、視聴者にきちんと分からせる「工夫」は、NHKの頭脳ならできると思う。このことに関する関係各位の「適切な対応」を熱望する次第です。

ではここで、私の妻のように「いまの発言者は、ええと…、あれは…、誰?」と思っても、そのままにならされてしまっている視聴者のために、ややこしい道長の兄弟の整理をここでしてみる。

まず、長男の道隆。父・兼家の死後、摂政関白になると、その権力を、弟ではなく、息子に譲渡しようとして、次男の道兼と対立する。

道兼は兄に才能も容姿も劣るが、野心は満々。実父にあまり信用されていない彼は、天皇を謀ってまで父の役に立とうとするが、結局、父は自分の後継に道隆を選んでしまった。そのため失意の日々を送るが、やがて、父と兄が相次いで死んで関白になる。

しかし、道兼は待望の関白になってもすぐ死ぬ。「七日関白」と呼ばれるゆえんである。

そして、道長。この人の説明は前回したので省略。

もう一人、道綱。彼は「一族」ではあるが、道隆、道兼、道長とは違って妾の子だ。道綱本人はあまり頭角を現す機会がない。「妾の子は嫡流の子とは違う」と酒を飲んでは愚痴る。この道綱の母は、のちに「蜻蛉日記(かげろうにっき)」の作者として、歴史に名を残すことになる。と、まあこんな具合。

■松平定知(まつだいら・さだとも) 1944年、東京都生まれ。早稲田大学を卒業後、69年にNHK入局。看板キャスターとして、朝と夜の「7時のテレビニュース」「その時歴史が動いた」などを担当。理事待遇アナウンサー。2007年に退職。現在、京都芸術大学教授などを務める。著書に『幕末維新を「本当に」動かした10人』(小学館101新書)、『一城一話55の物語』(講談社ビーシー)など多数。現在、アマゾンのオーディオブック「Audible(オーディブル)」で、北方謙三著「水滸伝シリーズ」(集英社刊)などの朗読作品を配信中。

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