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リニアに隠された深刻な争点「再エネ利権」 9日告示、静岡県知事選 「推進派」と「慎重派」党派を超えた構図が 新人6人が立候補表明

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月8日 11時30分

鈴木氏(夕刊フジ)

静岡県の川勝平太知事の辞職に伴い行われる知事選(26日投開票)が9日に告示される。新人6人が出馬表明した選挙戦では、リニア中央新幹線の工事の是非が注目されるが、実は隠された〝深刻な争点〟が存在する。再生可能エネルギーをめぐり、「推進派」と「慎重派」が党派を超えて対立しているという。太陽光パネルをめぐっては火災の発生や環境破壊などの批判も強い。そして〝再エネ利権〟は国民負担としてツケが回る恐れもある。静岡にとどまらず日本全国の問題だ。

これまでに出馬表明しているのは新人6人。静岡市出身で元総務省官僚で無所属の大村慎一氏(60)。2010年1月から11年12月まで川勝氏の下で副知事を務めた。自民党は党本部として推薦する方針を固めた。

浜松市出身で元同市長の無所属、鈴木康友氏(66)は民主党で衆院議員を2期務め、その後、浜松市長を4期務めた。立憲民主党と国民民主党が推薦を決めており、与野党対決の構図となった。

共産党県委員長の森大介氏(55)は同党公認で出馬する。会社社長の無所属、浜中都己氏(62)と自営業の無所属、村上猛氏(73)が出馬を表明。政治団体「個人の尊厳党」代表の横山正文氏(56)も出馬の意向を示している。

リニア中央新幹線の静岡工区(8・9キロ)のトンネル掘削工事について、大村氏は推進の考えを示した上で、工事に伴い大井川の流量が減少する懸念について、「どこまでが県として許容できるか、きちんと確認、点検して進めていきたい」との見解を示す。

鈴木氏も推進の立場だが「川勝氏のおかげで課題は明確になった。環境との両立を図りながら推進していきたい」とした。

森氏は反対、横山氏は即座に着工許可の立場だ。

注目はどうしてもリニアに集まるが、隠れた争点として「党派を超えた『再エネ推進派』と『反・再エネ推進派』の戦いがある」と指摘するのは、自民党の長尾敬元衆院議員だ。

鈴木氏は4月19日の記者会見で「再生可能エネルギー導入日本一の静岡県をつくっていきたい」と語っている。

長尾氏は「鈴木氏は旧民主党系で、再エネを推進する勢力と極めて近い。自民党は大村氏を推すが、自民党の中の『再エネ族』が鈴木氏を推しているという情報もある。ここに党派を超えた構図がある」と語る。

11年の東日本大震災後、当時の民主党政権は固定価格買い取り制度(FIT)を導入した。再エネを普及させた一方、悪質な業者の参入や、太陽光パネル設置による景観の破壊などの問題も発覚した。

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