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徹底解説 障害に克つ!男性更年期 テストステロン低下が疲労の蓄積に関与 順天堂大学大学院医学研究科の井手久満特任教授に聞く

zakzak by夕刊フジ / 2024年4月23日 17時57分

順天堂大学大学院医学研究科の井手久満特任教授(夕刊フジ)

「最近、疲れやすい」「何をするにもおっくうだ」。こういった状態は、とかく「年のせい」とあきらめがちだ。

だが、あなたの場合、その裏に男性更年期障害が潜んでいるかもしれない。男性ホルモンのテストステロンが低下すると、心身にさまざまな悪影響を及ぼす。その症状のひとつとして「疲れやすい」「おっくう」などが含まれているのだ。

「なぜ男性更年期障害が心身に悪影響を及ぼすかといえば、テストステロンは脳や筋肉、肝臓など生殖器以外の臓器にも関わるからです。やる気や体力も失われ、QOL(生活の質)を下げることにもつながります」

こう指摘するのは、順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学デジタルセラピューティクス講座の井手久満特任教授。日本メンズヘルス医学会の理事として、男性更年期障害の啓蒙活動にも力を注いでいる。

「テストステロン低下は、老化や病気の後押しをします。女性の更年期障害はよく知られていますが、男性更年期障害の認知はまだまだと言わざるを得ない状況です」

女性ホルモンのエストロゲンも、自律神経を安定させて生活習慣病を予防し、骨質を維持するなど、生殖器以外にも重要な役割を担っている。しかし、閉経に伴い女性ホルモンが急激に減少すると、心身にさまざまな症状が現れる。閉経という要因がはっきりしているため、50歳前後の女性の不調は〝更年期障害〟と診断しやすい。

「男性は、20歳をピークに徐々にテストステロンの分泌量が減りますが、個人差が大きい。ストレスや睡眠不足でもテストステロンの低下が起きるため、30代で男性更年期障害に陥る人もいます。しかし、その症状が男性更年期障害とは思われにくいのです」

たとえば、20代は筋肉質で少々無理をしても平気だったが、30代でお腹に脂肪がつき、疲労感が抜けにくくなる人は多い。40、50代になると、その状態に拍車がかかり、仕事のパフォーマンスが低下。最悪の場合、職場での居場所が失われるような事態にもつながる。

「筋肉量の低下や疲労感の蓄積などは〝年のせい〟と思われがちなのです。かつては老化だから仕方ないと思われていたことが、実は男性更年期障害が原因ということが、近年、明らかにされています」

「俺も年だなぁ~」と感じ始めたら、テストステロン低下を疑ってみよう。テストステロン量を上げれば、「俺はまだ若い」という状態を取り戻せるかもしれない。 (取材・安達純子) 

■男性更年期障害の身体症状

□筋力低下、筋肉痛

□疲労感

□ほてり、発汗

□頭痛、めまい、耳鳴り

□性機能低下

□頻尿

□朝勃ちの消失

※順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科のホームページから

井手久満(いで・ひさみつ) 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学デジタルセラピューティクス講座特任教授。医学博士。1991年宮崎大学医学部卒。カリフォルニア大学ロサンゼルス校ハワードヒューズ研究所、帝京大学医学部泌尿器科学准教授、獨協医科大学埼玉医療センター教授などを経て2023年から現職。

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