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徹底解説 障害に克つ!男性更年期 不調感じたら「テストステロン低下」を疑って 順天堂大学大学院医学研究科の井手久満特任教授に聞く

zakzak by夕刊フジ / 2024年4月23日 17時53分

順天堂大学大学院医学研究科の井手久満特任教授(夕刊フジ)

健康長寿を実現するには、病気を退け若さを保つことが大切になる。男性の場合、その後押しをするのが代表的な男性ホルモンの「テストステロン」だ。ところが、このホルモンが知らぬ間に減少すると「男性更年期障害」に陥り、さまざまな体調不良が起きる。いかに予防し、健康を取り戻すか。この連載では男性更年期障害の各種症状や予防・治療について、専門医から最新事情を聞いて、克服に向けて読者とともに考えていきたい。

新年度が始まるタイミングは、前期末の仕事の追い込みや職場環境の変化などでストレスがたまりやすい。夜は寝付きが悪く、朝目覚めても疲れが取れないことがある。こんな状態が続くと頭はボーっとしたまま。心身の不調で仕事のパフォーマンスも発揮できない。

こうした状況を「プレゼンティズム(疾病就業)」というが、この状態に陥ると気持ちはさらに落ち込み、「自分はうつ病なのかも?」と思ってしまう。このような症状の裏には、実は男性更年期障害が隠れているのだ。

「あなたの不調の原因はテストステロンの低下によるものかもしれません。低下すると、心身に悪影響を及ぼし、さまざまな症状を伴う男性更年期障害につながります。プレゼンティズムのバックグラウンドには男性更年期障害が生じていることがあるのです」

こう話すのは、順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学デジタルセラピューティクス講座の井手久満特任教授。泌尿器科専門医であり、最前線で多くの男性更年期障害の診断治療を行いながら、日本メンズヘルス医学会の理事なども務め、啓蒙活動をしている。

「ストレスで夜眠れないことは一般的にあることですが、テストステロンは睡眠中に分泌量が増えるため、睡眠不足はテストステロン量を低下させます。結果として、気分の落ち込み、疲れやすい、イライラするなど、さまざまな症状を引き起こすのです」

過度のストレスもテストステロン分泌に悪影響を及ぼす。ストレスやそれに伴う睡眠不足などでテストステロンがどんどん減り、男性更年期障害につながるのだ。仕事への集中力は失われ、パフォーマンスが上がらないのでイライラや落ち込みが高まるばかり…。加えて、身体のパフォーマンスも落ちる。体重が増えて生活習慣病が悪化するなど、男性更年期障害は心身への不健康の要因にもなっていく。

「男性更年期障害は、適切に対処し予防することで心身の症状は改善します。しかし、そもそも男性更年期障害を知らない人がまだ多いことが問題なのです」

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