打率.201…西武は「どういう風に点を取っていくか」 最速借金10に突きつけられた課題
Full-Count / 2024年5月1日 13時8分
■21歳長谷川の失策が敗戦に直結「経験を積んでいくしかない」
■日本ハム 2ー1 西武(30日・ベルーナドーム)
パ・リーグ最下位に低迷する西武は4月30日の日本ハム戦(ベルーナドーム)に1-2で競り負け、今季8勝18敗。12球団最速で“借金”が2桁の「10」に膨らみ、首位ソフトバンクとのゲーム差は「11」となった。最大の敗因が12球団ワーストのチーム打率.201の打線にあることは明白だが、どう立て直すのか。(成績は全て4月30日時点)
4月27日から29日まで敵地みずほPayPayドームで、ソフトバンクに衝撃的な3試合連続サヨナラ負けを喫した直後の、仕切り直しのホームゲーム。しかし、今度は小さな守備のミスが“致命傷”となって敗れた。
1-1で迎えた8回だ。先頭の万波中正外野手が放ったセンター左への打球を、逆シングルで捕りにいった中堅の長谷川信哉外野手が後逸。万波を三塁まで到達させてしまう(記録は単打と長谷川の失策)。続く4番アリエル・マルティネス捕手に左犠飛を許し、これが決勝点となった。
長谷川は試合後「慌ててしまいました。僕のミスです」とうつむいた。平石洋介ヘッド兼打撃戦略コーチは「万波が打った瞬間、逆方向(右翼方向)にスタートを切ってしまったように見えました。打球が変化するのはよくあることですが、万波を二塁に行かせまいと返球を焦ったのかもしれない。経験を積んでいくしかないです」と指摘した。
21歳のホープである長谷川に、敗戦の責任を背負わせるのは酷だろう。攻撃では相手先発の山崎福也投手にパーフェクトに抑えられていた6回、先頭で遊撃左に痛烈な打球を放ち、一塁にヘッドスライディングしてチーム初安打をもぎ取ったのが長谷川だった。さらに二塁へ進塁した後、金子侑司外野手の左前打で本塁へ突入。微妙なタイミングだったが、巧みなスライディングでタッチをかわし、同点のホームを触った。
松井稼頭央監督は「起用しているこちらの責任ですし、ああいう攻めていった上でのミスもあるでしょう。ハセ(長谷川)の場合は、ああいうことを経験しながら、さらに大きくなってもらわないといけない。そこはミスを恐れず、思い切っていってもらえればいいのかなと思います」とコメント。平石ヘッドと同様に「経験」という言葉を強調した。
■開幕前から予想されていた得点力低下…チーム打率も12球団ワースト
一方、この日も7回を1失点に抑えた平良海馬投手、リーグトップの防御率0.77を誇る今井達也投手らが顔をそろえる先発投手陣は、リーグトップの防御率1.85をマークしている。逆にリーグワーストの防御率4.25のリリーフ陣、そしてチーム打率.201、67得点がいずれも12球団ワーストの打線の不振が敗因ということになる。
特に打線に関しては、一昨年オフの森友哉捕手(オリックス)に続いて、山川穂高内野手がソフトバンクへFAで流出し、得点力の低下は開幕前から予想されていた。だからこそ、投手を中心に守り勝つ野球を掲げてきた。
また、攻撃で機動力や“奇襲”もまじえ、少ないチャンスをいかに得点に結びつけていくかも改めて問われる。松井監督は「ファンの皆さんにあれだけの声援をいただいて、選手全員が勝ちたいですし、全員が悔しい」と唇をかみながら、「(走者を)動かしたり、どういう風に点を取っていくかを含めて考えていきます」と誓った。
1点差試合はリーグ最多の16試合で、3勝13敗と大きく負け越していることが、“借金”につながっているのも事実だ。逆に言えば、1点差試合の勝率を5割にできていれば、トータルの勝率も5割だったわけで、内容的には紙一重だったと言える。
「月も替わるので頑張ります」と指揮官。2年目の“稼頭央ライオンズ”に早くも正念場が訪れた。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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