抜群のスピードでサイドを切り裂く「左の破壊者」。川崎F U-18MF児玉昌太郎がプレミア初ゴールで勝利の主役に!
ゲキサカ / 2024年5月6日 19時7分
「チームのみんなからも毎週毎週『児玉、点獲れよ』みたいに言われていたんです。フォワードの(香取)武と(加治佐)海が結構点を獲っていて、それこそ右サイドハーフの知久(陽輝)と一緒に『点を獲ろうね』ということは意識して話していたので、知久に『オマエ、先に点獲るなよ』と言われました(笑)」。このあたりにもチームの雰囲気の良さが垣間見える。
前半終了間際にリードを手にした川崎F U-18は、後半終盤にも途中出場のMF藤井漣祐(2年)が豪快なボレーを叩き込み、難敵相手に2-0で快勝。「立ち上がりから自分たちのサッカーでどんどんゴールを狙っていけていたので、そういう意味では完勝だったんじゃないかなと思いますし、ゴールが獲れていなかったので自分にとっては大きな1点だと思います」と笑った児玉が、勝利の主役を力強く担ってみせた。
2年生だった昨シーズンは、左ウイングに岡野一恭平(中央大)と志村海里(日本体育大)という2人の実力者がいたため、児玉の主戦場はサイドバック。それこそトレーニングでは岡野一や志村とマッチアップを繰り返しながら、試合に出るために必要な守備のベースを培っていったという。
ただ、児玉も彼らからは“お墨付き”をもらっていたようだ。「2人ともドリブルが独特で、凄く自分の形がある中で、自分のドリブルに対しては『凄くスピードがあるね』という評価は戴いていて、そこは『ドリブラーのあの2人が言ってくれているんだったら、自信を持ってやろう』と思っていました」。尊敬する先輩からのメッセージは、小さくない自信に繋がっている。
今季から付けている背番号にも、本人は懸けられた大きな期待を感じている。「去年はそんなに出場時間もなかった中で、それこそ岡野一選手にも『11番は児玉に託すしかないと思ってたよ』という話もしてもらって、それぐらい期待してもらっていることも嬉しかったです」。“11番”の前任者が残した強烈なイメージを超えることは、今季の川崎F U-18がさらに成長するためにも必要不可欠だ。
圧倒的なストロングポイントを携えていることは、そのプレーを一目見ればすぐにわかる。それを突き詰めるのはもちろん、ここからのステップアップに求められるのは、明確な結果。だが、そんなことは本人が一番よくわかっている。「個人としては結果に繋がるようなプレーをしていきたいです。今日はゴールを決められましたけど、アシストも含めて、ここからも数字を残したいなと思います」。
対峙した相手を無効化する突破力は、間違いなくプレミアの舞台でも通用する代物。川崎F U-18の左サイドを駆け抜けていく、11番を託されたスピードスター。児玉昌太郎が果敢にドリブルを繰り出し続ける限り、チームの勢いも前へ、前へと加速し続けていくはずだ。
(取材・文 土屋雅史)
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