採用担当「ほかにどこを受けていますか?」就活生「御社だけです!」→不採用…面接で落ちる「NG回答」とは【キャリアのプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月18日 7時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
就職面接では、採用担当者が知りたいと思っている情報を質問から汲み取り、適切な回答をする必要があります。そこで本記事では、東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、面接でよく訊かれる5つの質問を取り上げ、面接で“落ちる”人がしてしまいがちな回答例について解説します。
こう答えると面接に落ちる「5つのあるあるパターン」
私どもは人材コンサルタントとして数多くの経験と実績を持っていますが、本記事では面接で答えてはいけない「あるあるパターン」をいくつかご紹介しようと思います。
面接でよく訊かれる質問と、それにどう答えるとマイナスになるか、という点に焦点を当ててみましょう。面接を受ける機会が迫っている方には何らかのお役に立つのではないでしょうか。
よくある質問と落ちる答え:その1
Q. 他にどこを受けていらっしゃいますか?
A.御社だけです
このように「御社だけ」と即答するとだいたい落ちます。
そもそもこのご時世ですから、面接担当者は候補者が1社だけ受けているとはまったく思っていません。この質問で担当者が見ているのは、その候補者が業界や業種などの企業選びにおいて、軸がぶれずに定まっているかどうかということです。すなわち自分の市場価値をしっかり把握しているかが問われているのです。
絶対に手が届かないと思われる企業で、書類も通らないのにたくさんの企業を受けているケースもあります。自分を過小評価する必要はありませんが、身の丈を超えた記念受験のようなことをしていないか、自分の行いを再確認してみるとよいでしょう。
とはいっても、その企業を志望する気持ちが大きければ、担当者もそれを感じ取るはずです。ですから、事業や文化などで自分と親和性が高い会社とか、いま経験している業務と何らかの関連がある職種とか、そういったプラスアルファの要素があれば、候補者は正直にその企業が第一志望であることを伝えてよいと思います。
ここで志望順位を隠したり嘘をついたりする必要もありません。人事担当者は歴戦のつわものですから、すべてお見通しだと考えるべきでしょう。
よくある質問と落ちる答え:その2
Q. 何か最後にご質問はありませんか?
A. 特にありません
こう答える人はさすがに少ないですが、まれにいらっしゃいます。
面接担当者はここで熱意、志望度、この面接を通した理解度、このあたりを見ようと思っています。ですから、インターネットで検索すれば出てくる簡単な事実や、資料を調べればすぐにわかることを最後の質問にするのは避けたいところです。
また答える際の意欲や覇気がまったく感じられない態度や、こまかい労働条件ばかりを聞きたがる姿勢、これらは期待値を下げてしまうので、控えたほうがよろしいでしょう。
最後の質問にふさわしいのは、「実際に中途採用で入社されて活躍されている社員の方はいらっしゃいますか?」というようなリアリティのある質問だと思います。そういう質問が志望動機とリンクしていれば好印象を残すのではないでしょうか。
ただし、自分を印象づけるために意味のない質問をするのは、学生として新卒の場合は許されても中途採用の面接においては厳しく見られます。それも「熱意がない」とマイナス評価されるというよりは、面接で質問した内容がどれくらい理解されているか、そのあたりを論理的に評価されることが多いと思います。
ですから面接の最後に質問をうながされた場合は、なるべく生きたリアリティのある質問をするように心がけましょう。普段からそのような習慣を身につけておくことが望ましいと思います。
よくある質問と落ちる答え:その3
Q. 志望動機は何ですか?
A.インターネットから抜粋した内容を語る
ネットから引用してきた文章は不思議なものですぐにわかりますし、候補者本人のオリジナリティがまったく感じられず、言うまでもなく印象がよくありません。
ここでも人事担当者は、先ほどと同じく熱意と志望度と理解度を見ています。候補者がその会社を選んだ理由や感じた魅力を担当者に伝えるのはなかなか難しいものです。企業のホームページや会社案内には、その企業が大事にしている「何か」が書かれているはずですので、それを丸写しではなく、深く読み取って志望動機に結び付けてみてはいかがでしょうか。
求人票、会社案内、リクルーティングサイト、経営者インタビューなどから重要なキーワードを見つけて、それを自分に印象づけるような手法はアリだと思います。このような努力をすれば志望動機は企業に伝わるのではないでしょうか。
よくある質問と落ちる答え:その4
Q. 自己紹介をしていただけますか?
A.ダラダラと長く話す
この質問は面接だけでなく、いろいろな局面で聞かれると思います。ですから、もし迷ったら1分で話せるように普段から練習しておくとよいでしょう。なぜならこの回答にはコミュニケーション能力がストレートに影響するからです。
もちろん明るく元気に歯切れよく話せればよいのですが、このあたりは苦手な人もいると思います。よく見かけるのは緊張すると舞い上がってしまい、何を言っているのかわからなくなる人です。沈黙してしまうというよりは話し過ぎてしまうケースが多いようです。
一生懸命話しているのはわかるけれども、話が飛んだり混線したりして内容が伝わりません。かつて「言語明瞭 意味不明」と揶揄された総理大臣がいましたが、面接の席がそのような状況になってしまいます。そうなると候補者も自分の失敗に気付くので、次回の面接に影響が及び、さらなる失敗を呼び込んでしまう可能性があります。
自己紹介というのは、面談の場をほぐすために多くの企業で最初に質問されます。ですからパターン化して1分くらいの文章を日常的に用意しておくとよいのです。話すのが苦手な人は暗記してしまってもよいでしょう。
コミュニケーションが得意な方はアドリブでもかまいませんが、いずれにしても言いたいことが伝わるように準備しておきたいものです。
よくある質問と落ちる答え:その5
Q. 転職理由は何ですか?
A.現職に納得のいかない点があります
企業の面接で50%くらいのウエイトを占めるのが、この質問ではないでしょうか。人事担当者は本音の志望理由をここで探ろうとしています。言うまでもありませんが、ここで現職の批判中傷をしてはなりません。不平不満を語ればかえって反感を持たれます。
時々、相当恨みが募っているのか、悪口をたくさん言ってしまう人がいます。いわゆるブラック企業のような職場で、給料は安く、休日もなく、サービス残業も多いような場合は批判して当然という気になるでしょう。しかし、人間としていかがなものか。コミュニケーション能力以前に欠けているものがあるような気がしてなりません。
どこかに転職しても、また同じことになるのではないかと企業は危惧します。それは避けたいところではないでしょうか。たとえば「こういうことがやりたい」→「現職では事情があってそれが叶わない」→「改善を試みたがダメだった」→「御社であればそれができるかもしれない」→「目標に向けて貢献していきたい」というようにポジティブに伝えられるようにしたいものだと思います。
中途採用こそポジティブな発言や行動を意識しよう
「こう答えると落ちる面接」をテーマにお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
新卒採用は社会人としての経験がないので、夢と希望を語って、それがすこし上滑りしていても企業は大目に見てくれます。しかし中途採用となると一定の業務経歴を持っていることが前提で、経験の中に酸いも甘いもあってあたりまえです。
それがマイナスのエネルギーで出るのではなく、プラスのエネルギーに昇華されていれば理想的です。ですから、中途採用こそ前を向いてポジティブな発言や行動をしていかなければなりません。
企業というのはそうしたプレゼンテーションを高く評価しやすい傾向があるので、ネガティブであることを捨て、意識的に明るく元気な面接を心掛けるようにしたいものです。
福留 拓人 東京エグゼクティブ・サーチ株式会社
代表取締役社長
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